2020.7.23
  • スペシャルティコーヒー

MICRO REGION SHOWCASE 参加レポート vol.6 〜オークション当日編〜 (完結編)

MICRO REGION SHOWCASE 参加レポート vol.6 〜オークション当日編〜 (完結編)

このブログもようやく完結。6回に渡り、今年1月にブラジルで開催されたMICRO REGION SHOWCASE ILICINEAについてレポートして来ました。遂にメインイベント、オークション当日の模様と、ONIBUS COFFEEが落札した豆を紹介します!!

                        

vol.1 概要編

vol.2 農園視察 前編

vol.3 農園視察 後編

vol.4 農園視察 サステナブル農業編

vol.5 オークションの趣旨説明編 

vol.6 オークション当日編 ←今日はここ

                        

ここまで長らく引っぱって来ましたが、このイベントが何なのかvol.1〜vol.5で詳しく掲載してますので、上のリンクからご覧ください。

 

オークション開催の前に

開催に先立ち、オークションに出品した生産者達が登壇し、それぞれ自己紹介とオリジンについて簡単に説明。

下は出品したロットのリスト。これを見ながらオークションに参加するバイヤーは、生産者の顔ぶれをチェックし、農園の情報をメモしたり。

そしてオークション会場へ移動、、、

でもその前に、

 

オークションルール説明

このオークションは、生豆1ポンド(0.45kg)あたりの価格を競います。開始価格は、US$15/lb 。事前の予選会を通過した上位20サンプルを、その場でテイスティングしながら、各テイスティングカップ横に設置された入札シートに希望落札価格を記入していきます。下が実際の入札シート。

入札する場合は、社名と入札額を上から順に記入していきます。先に記入された額より高い入札価格を下の行へ記入していき、制限時間内で最終的に一番高値をつけていたバイヤーが落札できます。

即金!!

そして、落札が確定したら、なんとその場で即お支払い!!下の写真はオークション会場の隣の部屋でお会計中の様子。入魂のカード1回払い。

そして、落札した豆はバッグで受け渡し。その場で!!!

以上がこのオークションのルール。そして、、、 

 

オークション開始!!

オークション会場へ移動し、主催者から最後のルール説明。

いよいよ、、、

カップにお湯が注がれ、いよいよオークションスタートです!

バイヤーは皆、前日までにオークションロットの事前カッピングを済ませていることもあり、自分も含め、既に目当ての豆が決まっています。そのせいか、お湯が注がれブレイクを待つ4分間、お互いを牽制しまくり。各々が狙っている豆に別の誰かが近づくと、なんかピリッとしたりされたり。全く落ち着かない時間を過ごしました。

そして、いよいよブレイクして入札スタート!!

いざオークションが始まると、写真をとる暇がなく、実はオークション最中の写真がほとんどありません。すみません!!

今回のオークションは、制限時間内にカッピングをしながら入札シートに記入していきます。参加したバイヤーにはそれぞれ作戦があり、とにかく色んなロットに入札しまくっていく人や、目的の豆一点集中で入札する人、全く入札する様子がなかったのに、制限時間ギリギリで先に入札されていた額より急にもっと高値で入札をする人、、、バイヤーそれぞれの思惑がぶつかリました。そして希望のロットが他者と被ってしまうと、そのバイヤー同士の一騎打ちになり、そのシーンはかなり盛り上がっていました。

世界中のバイヤーを相手に意地の張り合い。目の前の相手より高値を付けても、隣の相手がさらに高値を付けてくる。事前のカッピングでは良かったのに今日になって印象が悪くなってる豆があったり、その逆もあったり。希望第三候補くらいのカップをとにかく行ったり来たり。財布の中身と相談しながらとにかく競り負けないように。色んなことを考えながらとにかく忙しかった、、、。みんなとにかく必死。

雰囲気が伝わるかわかりませんが、下の動画はストックホルムのSTOCKHOLM ROASTの落札が確定した瞬間の様子。

そして下の写真は、ニューヨークのSEY COFFEEと一騎打ちになり、最終的に敗れた(笑)、その応戦の途中経過。結局SEY COFFEEはこの豆をUS$30/lbで落札!この豆も素晴らしかった〜。悔しい〜。

制限時間が近づく中、選ぶ豆にも絶対妥協したくないし、とにかく落札しないことには日本に帰れない。そんな色々なプレッシャーのなか、遂に、、、

 

 

落札!!

やりました!落札!!ONIBUS COFFEE単独落札!!!

最後は米オハイオのDeeper Roots Coffeeと一騎打ち。US$30/lbでONIBUS COFFEEがハンマープライス!!

落札した豆は、

Farm:Bateia do valter sartori
Producer:Vagner dias sartori
Location:Castelo, Montanhas do Espirito Santo
Varietal:Catucai 785
Process:Pulped Natural
Altitude:1,050m
Flavor note:tropical fruit, black cherry, stone fruit, blood orange, 

Auction price:US$30/lb (=US$66.0/KG) 

マンゴーのようなトロピカルフルーツ感、ブラックチェリーのように熟度が高く、糖度も高いストーンフルーツ感、ブラッドオレンジの果汁感、舌の上に乗る心地よい量感、しっかりした甘さが長く続くコーヒーです。

カップスコア88.5点(自己評価)、文句なしに素晴らしい、納得の落札!!

 

良かった〜、無事落札出来て。オークションが終わった瞬間集中力が切れ、ヘロヘロ〜&気疲れMAX。ふらっふらな状態でクロージングセレモニーのため会場をあとへ。

 

 

Closing ceremony

オークション終了後、誰がどの豆を、いくらで落札したのか、集まった生産者の前で発表され、出品した生産者から直接生豆の入ったバッグを壇上で受け渡されました。落札価格が発表されるたびに、会場は歓声に包まれていました。

生産者からバッグを受け取り記念に一枚。緊張した面持ちの生産者サルトリさんと、オークションで力を使い果たし疲労困憊の木村。笑

この後、生産者のサルトリさんと少しコミュニケーションが取れました。

残念なことに筆者はポルトガル語が話せないので、片言の英語でコミュニケーションを取りましたが、サルトリさんも英語は苦手のようでした。そこでBSCAのスタッフに通訳をしてもらいながら話をしたところ、サルトリさんは家族で農園を運営されているとのこと。出品したロットは熟成期間を伸ばすような新しい手法で育ているようです。ちなみに、サルトリさんはSNSもメールも普段ほとんど利用しないとのこと、、農園のウェブサイトも持っていないとのこと。BSCAのウェブサイトにも農園情報を掲載していません。かわりに筆者に電話番号を教えてくれて、今度うちの農園に来てくれとしきりにおっしゃっていました。 ....言葉は通じなくともしきりに感謝されてる感じと、コーヒー作りにかける情熱はビシバシ伝わってきました。ということで、ほとんど彼の農園情報はありません。笑

 

最後に、出品した生産者とバイヤー全員で記念写真。

これにてオークションのクロージングセレモニーも終〜了〜。

 

 

〆はゲストバリスタイベント 

その後会場では生産者むけのシンポジウムが行われ、並行して今回オークションのために集まった世界中のコーヒーショップのロースターやバイヤーによるゲストバリスタイベントが行われました。 

 

オークションに参加した各コーヒーショップがそれぞれの豆を持ち込んで、ブラジルの生産者さんたちに振る舞いました。ONIBUS COFFEEも普段店舗で販売している豆を持っていき、 たくさんの方に飲んでいただきました。

 

これにて、MICRO REGION SHOWCASE ILICINEA全日程が終〜了〜。

 

 

そして、

 

オークションロットの販売をします!

長らく引っぱってきましたが、落札したコーヒー豆をオンラインショップで販売します。美味いですよ。

大袈裟に言うと、この一杯でブラジルコーヒーの奥深さを思い知らされます◎

超極少量のご用意数なので、気になる方はお急ぎください。店頭でも販売予定はありますが、とにかく量が少ないので、オンラインショップの販売だけで終売となる可能性があります。その際はご容赦ください。

ご購入はこちらの商品ページからお願いします。

 

 

最後に、

このイベントを通じて改めてブラジルの巨大さを痛感しました。ブラジル産のコーヒーのこと、知っているようで、まだまだ知らないことが多いなーなんて。 

普段私たちがブラジルで買い付ける、特定の農園のことは知っていても、それは極限られた範囲のこと。当然ですが、日本の国土の22倍以上あるブラジルは、コーヒーにおいてもまだまだ未知で巨大な領域が広がっています。今回参加してそれを痛感しました。地域による生産現場の環境や、その地のテロワール。生産者の暮らし、生活環境。フルーティーなコーヒーがこんなにあることも。まだまだ知らないことだらけなブラジル。

そして作付け面積が広いということは、マイクロクライメントもその広さの分だけ様々なわけで、そもそも日本に入荷している特定の地域のコーヒー豆だけでは一概にブラジルコーヒーのイメージを捉えるなんて困難なはず。つまり知らないと言うことは、今後まだまだ面白いコーヒーとの出会いが沢山あると言うことです。

そしてその面白いコーヒーのほとんどが、微小な領域(micro-region)で、小規模生産者によって作られています。

そこにフィーチャーしたこのMICRO REGION SHOWCASEが今後も続いていくといいなと思います。そして、このようなエシカル消費を生み出す仕組みが、他の生産国にも広がるといいなと思います。

 

このブログ、なんだか個人の旅行記みたいになっちゃいました。

それでは皆さん、ごきげんよう、さようなら。 

 

 

 

 

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