- レポート
ONIBUSイベントレポート!〜泥を走る!自転車競技シクロクロス大会!〜
入り口に設置されたフライオーバー。こちらもレースのコース。上を走ります。
寒さも増してきて、いよいよ冬がすぐそこまで来ていますね!11/12、11/13の二日間、長野県野辺山高原で開催された自転車競技シクロクロスの大会に出店をしてきましたー!野辺山高原は、もうこの時期から氷点下に近い寒さになることも多く、寒さ対策ばっちりでイベントへ向かいました!(実際は例年以上に暖かく、過ごしやすかったです。)そもそも「シクロクロス」とはなんぞや?という方が大半かと思いますが、分かりやすく説明していきますのでご安心を。何を隠そう筆者もこの競技の一番下のカテゴリーに競技者として参加した経験があります。(あの時は本当にキツかった。)それでは出店していた場所から説明していきます。
会場は滝沢牧場!
野辺山エリアは八ヶ岳も近く、登山やハイキング、サイクリングやトレイルランなど山のアウトドア派にはアクティビティに事欠きません。そんな大自然の中にあり広大な敷地を誇るのが今回の会場である滝沢牧場です。敷地内ではポニーやうさぎ、仔牛などなど多くの動物と触れ合うことができ、ドッグランも完備していますので、愛犬とも一緒に遊ぶことが出来ます。それ以外にもトラクター遊覧車、四輪バギーや乗馬、犬ぞりレースなどユニークなアクティビティも充実。牧場なのでもちろん乳搾り体験もありますが、新鮮な牛乳や、それを使ったソフトクリーム、ジェラートなども絶品でした。そんな大自然とアクティビティが詰まった滝沢牧場。シクロクロスではオフロード(未舗装)の道を走るため、ピッタリな場所と言えるでしょう。
自転車競技「シクロクロス」とは
「シクロクロス」という競技は元々、ロードバイクのオフシーズントレーニングの一環として始まったオフロード自転車競技です。オフロードかつ障害物のあるコースを走るため、非常に走りにくく、パワー向上やコントロール技術上達になります。そのためロードバイクの選手も並行して参戦していることが多く、年々人気が高まっています。最も有名な自転車のレースにツールドフランスがありますが、ツールドフランスは舗装路を走るロードバイク競技です。舗装路というのはコンクリートで作られた走ることを前提とした道を走ります。それに対してシクロクロスは砂利、土、泥、階段、段差、フライオーバー(山状になった橋のようなもの)などを走ります。自転車のレースなのに、自転車を降りて担いで階段を駆け上がったり、泥まみれになりながらゴールを目指す過酷なレースのため、転倒や事故で歯や骨を折ることも多々起こることもしばしば。その躍動感は他の自転車競技とも一線を隠す魅力が詰まっています。
Rapha+弱虫ペダル スーパークロス野辺山
そんなシクロクロスの中でも、国内で最も人気のある大会が今回開催の野辺山シクロクロス。2010年より開催が始まった歴史のある大会です。今回はイギリスのサイクルウェアブランドRaphaと自転車漫画弱虫ペダルがパートナーシップを組み、開催されました。毎年コースが見直され作られたそれぞれのコースでは、フライオーバーや砂エリア、障害物など多くの見せ場があり、それぞれの場所に観客が入り、声援を送っていました。キツい場所に声援があることで選手もかなりのプラスになっているはずです。イベント内では自転車競技はもちろんのこと、DJブースからイケイケな音楽が爆音で流れ、多くの飲食店、自転車ブランドも出店しお祭りのようなイベント。本丸の自転車競技でも全日本チャンピオンを含めた有名選手も多く出走し、朝6時台から調整をしている選手もちらほらいらっしゃいました。そんな気迫の籠ったレースは、自分たちの飲食ブースを囲むようにコースが作ってあり、臨場感溢れるイベントでした。Rapha Japanの代表を務める矢野さんは野辺山に移住して2010年大会を主催して以来、このイベント実施に尽力されています。
シクロクロスの世界大会
世界大会UCIクラスの表彰台。雨の降る悪天候の中、歓喜が起こっていました。
このRapha+弱虫ペダル スーパークロス野辺山では、シクロクロス世界大会の位置付けになっています。シクロクロスは通常下位ランクからC4、C3、C2、C1とあります。(筆者は過去にC4ランクに参戦。)C4で勝利すると次はC3ランクでの出走が出来ます。それを繰り返してランクを上げていくのですが、並の努力では上には上がっていけません。今回は海外選手も込みのUCIという最上位ランクがレースとしてありました。このUCIで勝つことでポイントが獲得でき、ワールドカップへの参加が出来るようになる貴重なレース。そしてまさかのUCIクラス始まる直前から雨が降り始め、競技中が最も強く降るという偶然も重なり、見に来ていた観客ははもちろん、他の選手も、飲食ブースの人たちもコースの方へ向かい、熱い声援を送っていました。シクロクロスは何度も言うようにオフロード走行。路面はドライよりも濡れていた方が道の面白さが倍増します。走りにくいはずでしたが、凄まじいスピード。海外選手も出走していましたが、日本の選手が優勝し、ゴールテープを切った瞬間に歓声が巻き起こっていました。
コーヒーセッティング
今回のブースではエスプレッソマシンはLINEA mini、グラインダーはEK43を持ち込んでお店と同様のコーヒークオリティを追求しました。極寒の環境になる想定だったためハンドドリップではなく、バッチブリューマシンで多く作って保温し、すぐに提供出来るようセッティング。エチオピアとグアテマラ、オニバスブレンドでの提供でしたがエチオピア、グアテマラのシングルオリジンを選ぶお客さんが多く、一日に何度も来てくれる方もいらっしゃいました。6時台に選手が試合前にエスプレッソをグイっと飲んで向かっていく様も印象的でしたが、他にもONIBUS COFFEE那須店に行っているという方や、自転車乗りでオニバスは知っていて飲んでみたくて来たという方など、嬉しい来店も多いイベントでした。EK43があることで、これ持って来たんですね!本格的!とお声掛け頂くこともありました。イベントエリアの隣ではキャンプをしている方々も多く、お手軽にコーヒーが楽しめるドリップバッグが大好評でした。
自転車カルチャー溢れるイベント
自分たちのブースの隣では、シクロクロス世界大会の写真を毎年撮り、アーカイブとして写真集を作っている写真家のNobuhiko Tanabeさんや、向かい側にはABOUT LIFE COFFEE BREWERS渋谷一丁目店でおなじみのMikkeller Tokyoも出店!その他にも地元の居酒屋さんや、近くの農家さんなど昨年以上に出店が盛り上がっていました。コーヒーにビール、おでんやピザなど選手の家族の方々や、レースを見に来た観客の方々で大賑わい。出店されるお店も地元長野県のお店が多く、果物や野菜がとにかく美味しい。長野県でりんご農家をされている「とよなかファーム」さんの販売していたりんごはどれも美味しかったのですが、規格外のりんごということで市場には出回らないものとは思えないクオリティ。長野県野辺山の地元でご家族でやられている居酒屋「はなふぶき」さんもおでんやスペアリブなど寒い時期にぴったりで、たくさん頂きました。出店されたほぼ全てのお店がオニバスのコーヒーを飲んでくれていました。感謝。
イベント内ではいたるところに選手のこだわりの自転車が。それはもうなかなか見られない高級な自転車がたくさん見られて最高ですね。その他のブースでも世界各国の強豪選手が乗り、実店舗がなく話題沸騰中の自転車ブランドCANYON(キャニオン)の新作や、自転車漫画の弱虫ペダル作者の渡辺航氏がサコッシュに描くサイン会、はたまた日本全国から有名な自転車屋さんのスタッフさんなども多く来ており、自転車カルチャー溢れるイベントになっていました。
飲食エリアは屋根付きの場所で多くのお店が向かい合って出店していました。
最後に
自転車を趣味にしていて、まさかシクロクロスの競技会場でコーヒーが淹れられる日が来るとは思いませんでした。そして自然の中で飲むコーヒーは最高に美味しい。格別ですね。今までも自転車通勤のことをブログで書いたりしましたが、東京ではない場所でコーヒーや自転車の話を人々と語り、コミュニケーションが取れたことをとても嬉しく思います。新しい出会いもあり、人と人との繋がりが生まれる素敵な空間でした。移動中、綺麗な景色もたくさん見ることが出来て、長野県の魅力も感じられました。次は山を自転車で走りに来よう。東京から来ている方も多かったので、東京に戻ってきてもコーヒーをたくさん楽しんでもらえるよう努めていきます!自転車ももっと乗るぞー!
Text by Masashi Tasaki