2022.6. 2
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栃木県那須訪問レポート~生産者さんを訪ねて~

栃木県那須訪問レポート~myown(マイオウン)に欠かせない素材の生産者さんを訪ねて~
栃木県那須訪問レポート~myown(マイオウン)に欠かせない素材の生産者さんを訪ねて~

みなさんこんにちは!6月に入り、2022年も早くも折り返し地点。後半戦も元気に駆け抜けていきたいところですね!

元気の源といえば”食”が一番に思いつく筆者ですが、ONIBUSではコーヒー豆だけでなく、各店舗で提供している焼き菓子の素材も妥協することなく厳選していることをご存じでしょうか?

 今回の記事は、私たちが製菓素材でお世話になっている生産者さんに会うため、5月末に製菓チームで栃木県へ訪れた際のレポートをしていきたいと思います。

パティスリーチームは、4月の自由が丘店オープンにより工房が新しくなったことに伴い新しいメンバーが加わりました。今回の生産者さんへの訪問は、スタッフ一人一人の素材への理解を深め、素材への透明性を高めることが目的の一つでもあります。

有機栽培小麦 古谷農産

有機栽培小麦 古谷農産

当日は気持ちのいい晴天で絶好のドライブ日和。朝8時にオニバスコーヒー自由が丘店に集合し、車で現地に向かいました。目的地へ近づくにつれて大麦畑が目の前に広がり、その横には農道と小川が流れているような、のどかな畑作風景が広がっていました。

まず最初に私たちが訪れたのは、栃木県にある「古谷農産」です。ONIBUSでは、古谷農産の有機小麦をお菓子の素材に使わせてもらっています。

古谷農産へ到着して真っ先に目に入るのは、社名と社訓が大きくプリントされたシャッター。これがが入り口の目印。

到着してすぐ私たちは事務所に通してもらい、少し待っていると一見物静かな雰囲気の社長の古谷さんが、午前中の農作業を終えて来てくれました。訪問した時期が5月中旬ということもあり、ちょうど小麦の刈り入れ時期でした。私たちが訪れた日も朝から皆が総出で農作業の真っ最中でしたが、そんな忙しい中でも、古谷さん自ら私たちの訪問を快く引き受けてくれ、お話を聞かせて頂く時間を作って下さいました。

スケジュールの都合で畑を直接見ることは出来ませんでしたが、生産者の方から直に、生産や有機栽培に対する熱い思を聞くことができ、とても貴重な時間となりました。

”畑のあり方”に対する想い

”畑のあり方”に対する想い

古谷さんの熱い想いはお話を伺った事務所内にも現れていました。部屋の中には様々な標語や農業に関するポスターが貼られいたのですが、中でも印象的だったのが、田んぼに生息する”約5千種類の生き物”と”約2千種類の植物”が描かれた2枚のポスターです。

とても興味深かったので、「この2枚のポスターは何ですか?」とお話を伺ってみると、古谷さんは、「これだけ多種多様な生き物と植物が共存できるような畑を作ることが、昔ながらの、本来の農業のあるべき姿。それを表しているのだよ。」と教えてくれました。

元々の生態系を崩さないことを大切にしながら農業に取り組む古谷さんの田んぼには、今となってはなかなか見かけることのできない大きなタガメも棲んでいるそうで、「たまに密猟者が出るほどだ!」と、少し誇らしげに、嬉しそうに話してくれたこともとても印象に残っています。

有機栽培で美味しい生産物を届けたいという気持ちがひしひしと感じられました。

有機栽培を始めたきっかけ

有機栽培を始めたきっかけ

古谷さんは、自身が有機栽培を始めたきっかけについても、お話をして下さいました。

というのも、古谷さんが農業を始めた当初は慣行栽培(かんこうさいばい)*を行う農家でした。そんな約20年前、たまたま古谷さんの甥っ子姪っ子のアトピーがひどく、「なぜ?」と考え出したことが今に繋がるきっかけとなりました。子供たちは、サラリーマンで忙しい両親の間で育ち、外食が多っかたり偏った食生活を送っていたのだそう。

”食は人なり”という言葉もあるように、子供たちのアトピーの原因はもしかしたら食べるものなのではと考え出し、古谷さんは農業者として安全な食物を提供しなくてはならない、という使命感から農薬・化学肥料を使わない有機栽培にシフトチェンジをしたそうです。

それ以降、古谷さんは日本で農薬・化学肥料の使用料の増加と共に増える、注意欠陥多動性障害・学習障害・自閉症の子供たちが増えているという研究結果や、その事実を目の当たりにします。

もはや自分だけが有機栽培に取り組んでいても、食の未来は危ないのではないか。命を繋げるためには多くの有機農家と繋がり、もっともっと食の大切さを広く伝えていかなければならない。何よりも、安心安全な食物を皆さんに届けたい、、、。

そんな情熱のもとに、古谷さんは手間暇をかけて日々生産に取り組んでいます。

ちなみに、古谷農産さんのホームページには独自のブログページがあります。2011年から綴られている熱い想い、是非ともご覧になってみてください!

※慣行栽培(かんこうさいばい)・・・一般的に行われている栽培方法で、生産過程において農薬や化学肥料を使用する従来型の栽培のこと

無農薬いちご 江連農園

無農薬いちご 江連農園

さて、次の目的地は、古谷農産さんから車で約15分ほどの場所にある「江連農園」です。毎年江連農園さんにお願いして仕入させていただく、人気の旬の味です。

江連農園は、古谷農産があった場所よりも更に周りに住宅が少ない場所で、自然のど真ん中にある農家という印象でした。古谷さんと江連さんはお互いのことをよくご存じで、どちらも有機栽培農家として地域の農家コミュニティで繋がりがあるとのこと。

えづれ農園

到着すると、挨拶もそこそこに早速ビニールハウスに案内して下さいました。こちらの農園では、農園主の江連さんがほぼ一人で栽培から出荷までを管理しているとのことで、その大変さははかり知れません。

いちごへのひたむきな愛情

いちごへのひたむきな愛情

いちご栽培を始めて約28年目と語る江連さん。何年栽培を重ねても、毎年一年目のような新鮮な気持ちで農業に取り組んでいるそうです。”いちごさん”と作物を呼び捨てにせず敬称をつけて声をかけて、一粒一粒に愛情を注いで育てています。

いちご栽培の最盛期は4月~6月にかけての約3ヶ月でその期間中、江連さんは午前3時頃から(!)、暑くて湿度の高いハウスの中で一日中いちごの手入れを行うのだとか。

その愛情があるからこそ、実ったいちごが甘いかどうかが見ただけで分かるようで、「このいちごさんは本当に甘いよ!たべてみな!」とハウスを案内しながらも、食べごろのいちごがあれば手当たり次第に次々と試食させて下さいました。採ってくれたいちごは私たちが選んで採ったものよりも断然甘く、まだ採れたての実の状態にもかかわらず甘く煮詰めたいちごジャムのような濃縮した極上の甘さがあり、、改めて感動してしまいました。

那須の大きな食卓「Chus(チャウス)」

那須の大きな食卓「Chus(チャウス)」

二つの農園視察を終えた午後2時頃、せっかく那須に来たので、私たちオニバスコーヒーの豆の卸先の一つでもある、「Chus(チャウス)」を訪れました。

ここには、那須産の野菜や様々な魅力的な商品の直売スペース・那須で採れた季節ごとの美味しい食材をふんだんに使った食事も楽しめる飲食スペース・2階にはゲストハウスがあります。

直売所には、最初に訪れた古谷農産の無農薬素材を使用した商品も数多く並んでいました。すでに愛着。Chusは那須のお土産を買うのにぴったりで、那須の厳選されたこだわりが詰まったプロダクトを見ているだけでもワクワクしてしまいました。

ONIBUS COFFEE 那須店

オニバスコーヒー那須店(7月オープン予定)

さて、今回の那須視察で最後に訪れたのは、この夏オープン予定である「オニバスコーヒー那須店」の建設現場です。※訪問時はオープン前で、現在は営業中です!

那須店は”森の中のコーヒーショップ”という表現がぴったりで、都会の喧騒を忘れられそうな木々に囲まれた自然の中にあります。また、ここにはオニバスコーヒーだけでなく他にも様々なお店が同時にオープンをする予定で、まるで小さな村を作っているような状態でした。訪れたタイミングではちょうど建物の外壁が出来たくらいだったので外側から様子を見るだけでしたが、建設中の現場を見る貴重な体験ができ、完成がますます楽しみになりました!

ONIBUS COFFEE 那須店では、一緒に働く仲間を現在も大募集中です。那須店の情報が解禁された、こちらの記事もぜひ読んでみてください。

さいごに

さいごに

盛りだくさんだった今回の那須視察を終えて、ONIBUS COFFEE 自由が丘店に戻るとすっかり日も暮れて夜に。

今回は、古谷農産・江連農園へ足を運び、それぞれの生産者さんから直にお話を聞くことができ、私たちが取り扱う素材に詰まった熱い思いを肌で感じることが出来ました。美しい自然と健やかな命を未来に繋いでいくため、”素材選び”がいかに大切なことかを考えさせられる機会でもありました。彼らの育んだ素材を活かしてお菓子やを作っている私たちには、そのお菓子を口にするお客様へ、彼らの思いを伝えていく使命があります。もちろん、”美味しい”ことは大前提ですが、ただ美味しいと食べてもらうだけでなく、私たちが提供するお菓子を食べることで、もう一歩踏み込んで食に対して考えられるようなきっかけも提供していきたいと、再認識できた産地訪問でした。

今回は那須視察レポートとしての活動紹介でしたが、古谷さんや江連さんの農業に対する詳しい話については、またの機会に改めてブログでご紹介していきたいと思いますので乞うご期待ください!

お菓子の製造は自由が丘店で行っており、販売はオニバスコーヒー全店でしています!オンラインショップでも一部販売しています。

ぜひ、お近くの店舗でお手に取ってみてくださいね〜。

Text by Yuki MIyachi

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