2022.5.19
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なぜファインダイニングからコーヒーショップへ?〜ONBUS COFFEE Pastry Chefが語る現在

なぜファインダイニングからコーヒーショップへ?〜ONBUS COFFEE Pastry Chefが語る現在

なぜファインダイニングからコーヒーショップへ?〜ONBUS COFFEE Pastry Chefが語る現在

ゴールデンウィークから十数日が経ち、もうすぐ梅雨が迫ってきますね。皆様いかがお過ごしでしょうか?おかげさまでONIBUS COFFEE各店は、忙しくも楽しい日々を過ごしています!

今回のブログは、4月よりONIBUS COFFEE”Pastry Chef”に就任し、グランドオープンからひと月半経った自由が丘店を拠点に活動していますパティシエ、山中浩平が担当させていただきます。

パティシエ山中浩平について…

パティシエ山中浩平について…

まずタイトルの内容に移る前に、パティシエ『山中浩平』がどのような人物なのか簡単なプロフィールでご紹介させて頂きます。

【山中浩平】
長崎県佐世保市出身。地元長崎から大阪の専門学校へ通い、その後19歳でフランスへ留学、帰国後都内パティスリー「Allegres 広尾」(現在閉店)へ勤め、塩谷茂樹シェフに師事。”美味しさとは何か?”というフランス菓子の根幹に対して、科学的・哲学的な面で深く学ぶ。25歳で同店でスーシェフに就任。

その後、銀座フレンチレストランでシェフパティシエを務め、29歳で西麻布「AZUR et MASA UEKI」にてシェフパティシエに就任。国内のシェフとのコラボレーションイベントや、海外ではデザート特別講師やレストランとのスペシャルイベントなど多岐に渡り活動。

現在ONIBUS COFFEEのヘッドペイストリーシェフ、スイーツディレクターに就任。

 このような経歴を辿り、飲食業界でのキャリアを15年目に迎えました。

僕はレストランパティシエとしての経験が長いですが、『パティシエ』として活躍する人にも様々な形があります。

1個500〜700円のケーキを販売するいわゆるパティスリーで働く人もいれば、お菓子教室の講師をする人、デセール専属のパティシエがいる高級レストランで腕をふるう人などなど、、。

前職の「AZUR et MASA UEKI」では、お一人様30,000〜50,000円いただく10品以上のコース料理を提供していました。ゲストの方々が、『日常』とは別の世界を楽しんでいる様子が僕にとっては喜びの日々でした。

なぜファインダイニングからコーヒーショップへ?ONIBUS COFFEEに加わったきっかけとは

なぜファインダイニングからコーヒーショップへ?ONIBUS COFFEEに加わったきっかけとは

当時の僕は、レストランパティシエとして『非日常』をお届けする日々の中で、これからのパティシエとしての自分自身のキャリアアップとして、1人の男として、どのような人生を歩んでいくのか?を考えていました。

自分が作った出来立てのデセールを自らゲストに届け喜んでいただけることは幸せでしたが、正直、これからの生涯をレストランで働く姿は想像できませんでした。 僕が追い求めていたのは、かしこまったハイエンドなレストランではなく、より近い距離感でゲストと楽しさを共有できるような空間。そんな場所でパティシエとして働くこととは一体どのような形なのだろうか、、、



そんな事を考えていた昨年、僕にとっての”クリスマス転機”が訪れました。

毎年クリスマスの時期に、ONIBUS中目黒店で開催されるワインイベントがあります。そのイベントは、僕が日頃より仲良くさせていただいているワインショップ「VIRTUS」と「ONIBUS COFFEE」のコラボイベントで、昨年はゲストとして参加しました。その時、ONIBUS COFFEE代表の坂尾篤史との会話の中で、新店舗となるONIBUS COFFEE自由が丘店についての話になりました。

"ONIBUS COFFEEとして初のカフェスタイルであり、クリスマスイベントを一緒に開催したワインショップVIRTUSさんも隣に新店舗をオープンで、コーヒーはもちろんナチュラルワイン・クラフトビール・フードやデザート(生菓子)が揃っている新しいお店を来年の4月オープンする”

衝撃を受けました…

自分の中でぼんやりとしか思い描けてなかった空間。それが言語化された瞬間でもあり、さらにはこれから実現させようとしている人が今目の前にいるではないか!!

その日以来、何度か代表の坂尾と直接会って話をする機会を設けていく内に、会社の理念や今後のアクションプランを知り、自分のこれからに「重なる」部分を多く感じました。そして、ONIBUS COFFEEという組織の魅力にさらに惹き寄せられ、メンバーに加わることを決意しました。

 グランドオープンから1ヶ月半経ち

グランドオープンから1ヶ月半経ち

ONIBUS COFFE自由が丘店は、2022年4月1日にグランドオープンして1ヶ月半が経ちました。

これから先、ONIBUS COFFEEとしても新しい挑戦となる自由が丘店を拠点に、ヘッドペイストリーシェフを務めるにあたり、自分自身に掲げたことがあります。

『ゲストに最高のクオリティのコーヒーと最高のデザートを提供する』

『日常に溶け込んだカジュアルなスタイルの中でも高品質のものを気軽に食べられるお店を作り上げる』

『周りと「違う」ことではなく今までにない「新しい」体験と「日常」の調和を目指す』

これまでパティスリーやレストランで培ってきた、技術と経験の全てをここに注ぎ込む!そう心に誓いました。

 

そんな日々の中、僕はこの場所で、既にたくさんの変化と刺激を受けています。

それは、ONIBUS COFFEEスタッフの意識レベルの高さです。

コーヒーに対しての知識・技術の一貫性と応用力。何より、コーヒーマシンの前に立ってゲストへの1杯を作る姿はどこまでも『職人』なんだな…と感じています。そんなチームメンバーの姿をみて、僕は毎日、ショーケースのお菓子や、アシェットデセール(皿盛りデザート)を提供する際は、同じ『職人』として、勝手ながら競い合っています。(みんなはどう思っているのかな。)

自由が丘店は、最高のコーヒーとデザートがあり、お隣(VIRTUS)から用意した最高のワインも飲める、なんとも至福に溢れたお店です!

生産者の表情が見えるお店づくり

生産者の表情が見えるお店づくり

ONIBUS COFFEEは、コーヒーのクオリティが高いことはいうまでもありませんが、それと共に、僕には自由が丘店にしかないフードやデザートのクオリティを高いものにする責任があると思っています。使う食材には妥協することなく、生産者の顔が見えるこだわったものを取り揃えています。

僕が作っているショートケーキや自家製のジャムで使わせてもらっている、栃木県那須の江連農園の苺があるのですが、この苺は食べると「江連さんの苺の味がする!」と分かるほどの美味しさと甘酸っぱさがあり、その味わいに江連さんの優しさが溢れています。ぜひみなさんにも味わって欲しいです!

また、レストラン時代からお世話になっている和歌山県の藏光農園の「さじょう」と呼ばれる八朔は、一粒一粒みっしりと詰まった水々しさと存在感を感じられます。つい先日、初めて生産者の方とお会いしたのですが、とても気さくで、ものづくりに対してただならぬ情熱と愛を持った方でした。

蔵光農園の八朔

オープンから提供をしているアシェットデセールには、江連農園・藏光農園の果物をメインにした2種類のデセールをご用意しています。

 江連農園・藏光農園の果物をメインにした2種類のデセール

(奥)〜江連農園の苺とホワイトチョコレートムース〜
ミルキーなホワイトチョコレートのムースの中にミルクジェラートと苺のジャムのマーブルアイス。酸味のアクセントに苺のピクルスを隠しています。

 (手前)〜藏光農園の八朔とピスタチオのヌガー・グラッセ〜
ピスタチオとレモンコンフィを合わせたヌガー・グラッセ(焦がした蜂蜜のアイスケーキにナッツ類を加えた氷菓子)に一粒一粒丁寧にほぐした八朔のさじょうをふんだんに盛りつけました。まわりにはサクサクに焼いたメレンゲを添えて。


どちらもご好評いただいています!(5月末頃まで、週末のみの提供となります)

苺や八朔に負けず劣らず、今扱っている食材はどれも、ここでしか(僕でしか?笑)出せない個性を持ったものばかりです。ぜひともみなさんに食べてもらいたいですし、僕が作るデセールを気軽に食べてもらえること、皆さんに少しでも幸せな気分になってもらえることができるなら、そんな嬉しいことはありません!

僕が追い求めていたゲストとの距離感や、楽しさや幸せの共有。ONIBUS COFFEE自由が丘店でそれを体現していきたい、と実感する日々です。

最後に

さいごに

自由が丘店はグランドオープンからしばらく朝10時開店でしたが、先週5月9日(月)より、1時間早い朝9時から、17時までの営業時間になりました。

モーニングメニューも始まり、江連農園の苺を使った発酵バタートーストや、定番商品のバナナブレッドにブルーベリージャムの組み合わせなど、その日1日を、充実した朝食でスタートすることができるラインナップを取り揃えています。

これから初夏に向けて、フード・デザート・ショーケース内にも新しいケーキをご用意していく予定です!

まだまだやりたいことも、チャレンジしたいことも尽きません。

今考えているのは、僕の強みでもあるデザートを活かした『デザートコース』。タイミングをみて開催できたらと思っています。(ONIBUSは都内に現在6店舗あるので自由が丘店以外で出張イベントもやってみたい…)

”コーヒーで、人と人をつなぐ。”

このONIBUS COFFEEの理念に、僕のこれまでの経験を「+X」できればと思います!

最後まで読んでくださった皆様ありがとうございます。基本的に僕は自由が丘店の”Pastry Room”にいるので、是非お声がけいただけたら嬉しいです!

これからも皆様のご来店、心よりお待ちしてます。

text by Kohei Yamanaka

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