2025.12.25
  • サステナビリティ

2025年 ONIBUSインパクトレポート

2025年 ONIBUSインパクトレポート

 日々の店舗運営や製造業務によって、たくさんのお客さまや取引先の方々と関わっているONIBUS。私たちの活動は、一緒に働くメンバーや、遠い国のコーヒー生産者たちはもちろん、ONIBUSがある街の豊かさ、人々の暮らし、地球の環境にも影響を与えています。2023年までは「サスティナブルレポート」というタイトルで、ONIBUSの事業やサスティナブルアクションについて公開してきました。2024年からは、私たちの営みが及ぼすさまざまな”影響”にさらにフォーカスし「インパクトレポート」として公開しています。

 2025年のインパクトレポートでは、主に2024年9月から2025年8月までの株式会社ONIBUS11期としての活動を振り返っていきたいと思います。

販売したコーヒーの杯数

 11期の始まりとほぼ同時期、2024年9月にオープンしたONIBUS COFFEE中目黒三丁目店。地域に根ざしたお店作りを目指し、オープンしてまだ1年ながら多くの常連さんたちが訪れるお店になりました。店舗が増えたおかげで、国内の店舗で販売したコーヒーは前年の342,885杯より約5万杯増え392,319杯でした。

 販売したコーヒーの杯数は、お客さまと挨拶や会話を交わした回数でもあります。一杯のコーヒーを介して、人の繋がりの温かみや豊かな時間を届けられていたら嬉しく思います。

(集計期間:2024/9~2025/8 集計範囲:国内7店舗の販売数)

焙煎したコーヒー豆の量

 ONIBUS COFFEEのクオリティを担うのが、八雲店で行われている焙煎です。国内外の各店舗や卸先パートナー、全国のオンラインショップのお客さまに届けるコーヒー豆のほとんどを八雲店で焙煎しています。今期は35.6トンのコーヒーを焙煎しました。国内外に店舗が新しくオープンしたこともあり、前期の33.4トンに比べて約2.2トンの増加です。

(集計期間:2024/9~2025/8 生豆ベース)

訪問したコーヒー生産国

 コーヒーを飲む人は世界的に増加しています。一方、気候変動や労働力不足などで生産のリスクは拭えません。コーヒーの需給バランスが変わり、品質の良いコーヒーの調達はこれからますます厳しくなることが予想されます。コーヒー生産国を訪ね生産者とフェアな関係性を築いていくことは、これまで以上に大事になっている気がします。11期にはケニア・エルサルバドル・ホンジュラス・ルワンダの4カ国を訪問しました。購入したコーヒー豆については「Transparency Report」に毎年詳細をまとめていますので、気になる方はご覧ください。

(集計期間:2024/9~2025/8)

ソイルプロジェクト

 2022年から”ソイルプロジェクト”という活動をルワンダで続けています。ルワンダのコーヒー生産の課題である「肥料不足の解消」と「土壌改善」のため、未利用材であるコーヒーパルプ(コーヒーチェリーの果肉部分)を有機資源として堆肥化させ土に戻していく取り組みです。”サスティナブル(持続可能)”よりも”リジェネラティブ(再生可能)”なコーヒー生産を目指し、ルワンダのドゥクンデカワ農協に所属する小規模農家120世帯を対象に、堆肥作りの援助を続け3年目。ルワンダの農家の方々も堆肥の効果を実感しているようです。

 今期の大きな成果は、ソイルプロジェクトから初めてできたロットを販売できたことです。日本に輸入したソイルプロジェクトロットは4.2トン。およそ30万杯になる量です。ONIBUSで1.2トン、その他は、日本全国のロースター約20社に行き渡り、多くのお客さまに召し上がっていただきました。

 ソイルプロジェクトの次のステップは、森林農業(アグロフォレストリー)への移行です。2025年秋には農協で約600本の苗木の植樹を実施してもらいました。シェードツリーに適した背の高い木や、食用にもできる果樹など8種です。コーヒー育成への好影響、多様な生態系の回復、有機物循環を実現できたらと願っています。

ごみの廃棄量

 期間中の全7店舗によるごみの排出量は30.2トンでした。店舗が増えたこともあり、前年に比べ約4トン増加しています。1日あたり82kgのごみが出ている計算です。

 ただ計測するだけではなく、ごみの廃棄量削減のため2つのアクションを実施しています。「生ごみの堆肥化」と「リユーザブルカップの推奨」です。

(2024/9~2025/8 国内7店舗で計測)

生ごみの堆肥化(コンポスティング)

 自由が丘店と那須店で実施している生ごみの堆肥化。期間中2店舗合わせて2.5トンの生ごみを堆肥化しました。ごみの総量の7.8%の削減に寄与しています。

 特に自由が丘店は、コーヒーカスやバナナの皮など毎月80〜180kg堆肥化しています。堆肥を定期的に回収してくれるパートナー農家の奈良山園との協働により生産地と消費地が循環するのは、ただごみを減らすだけではない成果になっています。

リユーザブルカップの推奨

 リユーザブル(繰り返し使える)カップの利用は、お客さまが主体となり行っていただいています。11期は全店舗で2,855回の利用がありました。これによるごみの削減効果は1年で43kgほど。毎日飲むコーヒーだからこそ、一人一人の小さな積み重ねが大きなインパクトにつながって行きます。

 「ごみの削減のため」「丁寧な暮らし」と思うとちょっと息苦しいですが、テイクアウトカップよりもコーヒーの味や香りや温度を長く楽しめるのがタンブラー。ONIBUSではマイタンブラー割引もやっています。マイタンブラーでより美味しく、よりお得にコーヒーをお召し上がりください。

(2024/9/1~2025/8/31国内7店舗の売上データから集計)

温室効果ガス排出量

 「脱炭素社会」「カーボンニュートラル」といった言葉もよく耳にするようになりました。ONIBUSでは、脱炭素社会を見据えて、まずは立ち位置を知るために温室効果ガス排出量の計測をしています。

 今期は全体で117.88トンの温室効果ガスを排出しました。焙煎にかかるエネルギーや、買付や海外店舗訪問など飛行機移動によるものが多いことが計測結果から読み取れましたが、どちらもONIBUSの事業には欠かせないもの。事業やサービスの質は変えずに、ポジティブな変化を作るには何ができるか考えました。そこで太陽光発電によるエネルギー自給や、再生可能エネルギーへの切り替えなどを始めたのも2025年のハイライトです。

 詳しくは過去のブログ記事「ビジネスと環境のちょうどいい関係を探して カーボンオーディット2024-2025」をご覧ください。

(2024/9~2025/8 国内7店舗のエネルギー使用量と、飛行機の移動距離から計測)

ONIBUSのメンバー

 2025年12月現在、ONIBUSには代表含め56名のメンバーがいます。今期は新しく16名を迎えました。バリスタ、サービス、プロダクション、キッチン、パティスリー、クオリティコントロールチーム、バックオフィスなど、ONIBUSのビジョンを実現するために一人一人が大切な役割を担っています。平均年齢は31.2歳。従業員の半数近くが勤務年数が3年以上になり、経験を重ね専門性を高めながら新しいポジションに挑戦しています。従業員数の68%を女性スタッフが占めていて、店舗マネージャーやリーダー層などより責任ある役割も務めています。

12期のアクションプラン

 11期は”知識や体験を価値に変換する”をテーマにしてきました。国内の生産者訪問や援農で得た気づきは、特に自由が丘店のフードやデザートの一皿に表現されています。太陽光発電導入によるエネルギー自給は、ONIBUSが提供する一杯のコーヒーが、より地球に優しいものになったという新しい価値になりました。

 そして12期はすでに2つのアクションを実行しました。一つがエネルギーの切り替えです。条件の合う店舗では、100%再エネ化に踏み切りました。これにより年間で38トンのCO2の削減を見込んでいます。

 もう一つが牛乳パック・アルミ付き紙パックのリサイクルです。新たにテラサイクルのリサイクルプログラムに参加し、今までほぼ廃棄していた紙パックをリサイクルしています。このプログラムでは、店舗だけでなく一般のお客さまからのアルミ付きパックの回収も受け付けています。コミュニティを巻き込んで環境負荷の低減に向かえるのは、街のコーヒーショップの存在意義になると思っています。

 数字にしてみるとそれっぽく見えますが、これはあくまでも現在地を知るための手段。実際にはコーヒーカスを堆肥に混ぜ込んだり、フードに使う素材を自分たちで収穫しに行ったり、ごみの重さを測ったり牛乳パックを洗って開いて乾かしたりーーONIBUSが日々していることは案外地味で、利便性や経済的合理性に反するものが多いです。

 目的は「皆さんの手に届く1杯が、より環境にやさしいものになるように、そしてこれからも美味しいコーヒーが飲めるように」というシンプルな願いを実現すること。もっと本質的な取り組みにつながるよう、広い視点で、少しずつポジティブな変化を作っていきたいと思っています。これからも注目いただけると嬉しいです。

Text by Mai Yamada

この記事をシェアする:

おすすめ商品