- サステナビリティ
みんなで育てるサスティナブルの種vol.2〜那須店で見る日常に取り入れるちょっといい選択〜
皆さんこんにちは、那須店の桑原です。
前回サスティナブル勉強会のブログを書き上げた2月から、早1ヶ月半が経ち、那須でも気温が上がり始め少しづつ緑が戻って来ました。
ご存知の通り、那須店があるGOOD NEWSの定休日は『森の日』として、施設内の森や資源の循環のための活動にあてています。2023年2月の森の日から、ベトナムに展開するピザレストラン”Pizza 4P's”の創設者によるサステナブルワークショップが3回に分かれて開催されています。今回の記事では、3月の森の日に行われたワークショップ第2回目の内容をお話していきます。
第2回サスティナビリティワークショップ
今回のワークショップのテーマは、「マテリアリティ」。日本語では、「重要課題」という意味です。その問題が、なぜ企業や自分にとって関連性があり重要な事なのか、ということをみんなで考える時間をとり意見を交換し合いました。
例として、14つの項目の中から自分たちが重要とする項目を3つ選び、発表するというワークシートを行いました。
今回例に上がった14項目は以下です。ぜひ皆さんも気になる項目を考えてみて下さいね。
- 気候変動
- エネルギー管理
- 水管理
- 食品(製品)の安全性
- 健康的な食品・ライフスタイル
- 働き方・労働慣行
- ダイバーシティ&インクルージョン
- サプライチェーンにおける環境・社会コンプライアンス(法令遵守)
- 持続可能な原料調達
- 動物福祉
- 生物多様性
- パッケージング
- ゼロウェイスト(廃棄物管理)
- 地域コミュニティ支援
(4p’s Sustainability Report 2021より)
私が選んだ3項目はこちらでした。
- 食の安全
- 持続可能な調達
- ゼロウェイスト(廃棄物管理)
ここではあえて細かく項目は分けられていますが、お互いに絡み合っている要素も多いですよね。一口にサステナビリティと謳っても、覚えきれないほど多くの要素が存在します。
現在ONIBUS COFFEEで取り組んでいるサステナビリティに関連する項目は、上記の14項目全てに関連しています。そこからさらに細分化されたそれぞれの取り組みは30個以上と多岐に渡ります。
その30個とは一体?と思われる方もいらっしゃるはずなので全てをご紹介したいところですが、今回のブログでは、リサイクル可能・ゼロウェイストなものに焦点を当てて紹介します。当たり前になり過ぎて、日常ではつい詳しくお伝え出来ていない物ばかりですが、より詳しく知りたい方はぜひ店舗スタッフへお尋ね下さい。こちらはONIBUS COFFEE全店で同じものを使用しているので、どの店舗でも確認していただけますよ!
ワインプンツドリンクグラス
だいぶ暖かくなってきて、アイスコーヒーが飲みたくなる季節の到来です。ONIBUS COFFEEでアイスコーヒーやアイスラテを注文した際、どんなグラスでご提供されるか皆様はご存知でしょうか?あのグラスの底が少し内側に凹んでいる形はもしや、、、お気づきになったそこのあなた。ワインがお好きですね?そうです!店内で提供されるグラスには、不要になったワインボトルを加工した商品『Wine Punts Drinking Glass(ワインプンツ ドリンクグラス)』が使われています。
このグラスは、アメリカ合衆国コロラド州で近隣のレストランなどから集めたワインボトルを再利用し、一つ一つ手作業で作られています。グラスをそれぞれの大きさにカットし、切り口を熱処理で仕上げています。そのため、各店舗で使用しているグラスも一つ一つが絶妙に異なる仕上がりになっています。
何も工夫をしなければゴミとなってしまう資源を、アイディアで別の商品へとアップサイクル(本来は捨てられるはずのものに、新たな価値を与えて再生すること)することの非常に分かりやすい一例だと思います。ちなみにこちらのグラスは、一般販売もされています。是非チェックしてみて下さい!
コンポスタブル素材の利用
写真にある自然な色合いが特徴的なこちらのストローは、「株式会社4Nature」が販売するアップサイクル商品です。過去には産業廃棄物として捨てられていたサトウキビの搾りカスを使用して作られており、脅威の天然成分100%。さらに、バクテリアや菌によって分解されることが可能で、コンポストなどに投入すれば堆肥化も可能というなんともミラクルなストローです!
「紙やそれっぽい素材のストローは、どうせすぐにふやけちゃうでしょ?」と侮ることなかれ。流水で洗っても、アイスコーヒーのグラスにストローをさしたままおしゃべりに夢中になっても、ふやけて使えなくなることはありません。こんなストローが存在するのであれば、なぜプラスチックのストローを使用するのか、、、という疑問さえ思い起こさせます。
しかし、その耐久性ゆえか、ストローはプラスチックはのものという認識が強いのか、那須店ではこのサトウキビストローがプラスチックゴミに捨てられている事もしばしば、、、そんな状況を顧みて、ストロー回収のグラスを置くことにしました。なぜなら、ONIBUS COFFEE那須店とGOOD NEWS/GOOD NEWS NEIGHBORSでは、このサトウキビストローを回収した後、コンポストに使用している為です。何ヶ月と時間はかかりますが、一度使われたこのサトウキビストローは分解され、身近なところで土に返っていきます。
その他にも、お店で使用しているコーヒー豆のパッケージに関しては、2022年からコンポスタブル素材のものに切り替わっています。クラフトペーパーと生分解性プラスチックを使用し、堆肥など微生物が存在する土中に埋めることができる環境負荷が少ない素材です。こちらのコンポスタブルバッグはまだコンポストにすることは試していないのですが、今後土の分解力が高まれば、是非試して見ようと思います。
また、ONIBUS COFFEEでは豆の量り売りも行っています!ご自宅にあるキャニスターや容器をお持ちいただければ、10gから希望の単位で豆をご購入いただけます。パッケージやラベル分のコストがかからない分、少しだけお得になっていますよ〜
豆販売については、詳しくはこちらをどうぞ。
紙袋代寄付
ONIBUS COFFEEでは2020年より、紙袋を有料化しました。これは、有料化することで、普段不要ながら使ってしまった結果ゴミになるものを削減することを目的としています。さらに、その紙袋代を単純な利益とせず、環境へ還元できる使い道を探す目的の元、紙袋代金の寄付を開始しました。
2023年現在では、紙袋代金をNPO法人”地球守”へ寄付しています。この繋がりをきっかけにONIBUSチームでは、植樹の為の土壌改善や植樹といった活動に参加するようになりました。こちらで得た知識や土壌改善の一つである”ボサおき”は、那須店でも継続的に行っています。この”ボサおき”ということを行うことで森の中の水の循環が改善し、土壌に水が蓄えられやすくなり木々が育ちやすくなります。このように、紙袋の有料化という一つの変化をポジティブなアクションに変更できていることは、今後の活動にも希望を与えてくれる気がします。
不要な場面では袋を貰わないなど、最終的にゴミになってしまうものの削減にトライしてみると共に、自分の支払ったお金がどのような使い方をされているのか、と考えてみることも非常に大切ですね。
おわりに
今回は、サステナブルワークショップ第2回のテーマである「マテリアリティ」を踏まえ、日常生活でも身近に実践できる”リサイクル・ゼロウェイスト”に焦点を当ててONIBUS COFFEEでの取り組みをご紹介しました!しかし、冒頭に触れた通り「サステナビリティ」は多くの意義を包括する言葉です。ゴミを減らすことも、生産者やコミュニティとの関係性を築くことも、自分自身の買い物の仕方や働き方を考えることなんかも、サステナビリティに関わってくる大きな要素です。
以前の私は、気になる人は自分から進んで環境に良い選択肢を取るだろうし、興味のない人に押し付けるなんて傲慢ではないか、と考えておりあまり多くの事を発信して来なかった自負があります。
ただ、私たちが取り扱っているのはスペシャルティコーヒー。農産物の為天候や土良し悪しの影響が大きく、生産国の多くは新興国です。環境・持続可能性に対して良いアプローチを選んでいくことが、私たちの仕事の一部でもあります。そして、それらを積極的に自分の生活やお店で取り組んで行くのはもちろんのこと、その取り組みを伝えていく事も同じくらい重要な事だなと気付かされました。
ONIBUS COFFEEで美味しいコーヒーを飲むだけで、環境に良い選択肢になっています!とお伝えできるよう、これからも店舗で一つ一つ進んで行けたらなと思います。使用しているものへの思いに少しでも共感してもらえたり、変わらずゆったりコーヒーを楽しみに来ていただけたら幸いです。那須でも都内でも、お店でお待ちしています!
Text by Chiaki Kuwahara