2023.2. 3

「アフリカの奇跡」と呼ばれるルワンダの魅力!〜美しい街並みと穏やかな人々〜

ONIBUS COFFEEで提供しているルワンダのコーヒー。酸味と甘さのバランスが絶妙で、お店でも人気の銘柄です。ONIBUS COFFEEでは産地まで訪れて生産環境を見て、生産者さんとお話をし、新しい取り組みなども積極的に行っています。ルワンダの生豆を輸入しているグリーンパスチャーズ様より依頼を受け、ルワンダコーヒーの買い付けもお手伝いしています。今日はそんなルワンダのコーヒーのお話を皆さんにしていきたいと思います。2022年産ニュークロップのルワンダも入港してきて、まさにフレッシュな話題。ルワンダの国のこと、エクスポーターやウォッシングステーション、カッピング会の様子などご紹介していきます。まずはルワンダの国について少しずつお話ししていきます。 ルワンダについて ルワンダの首都キガリ近郊。泊まったホテルの目の前の道です。 東アフリカの小さな国ルワンダ共和国。内陸に位置するこの国は、約1200万人が住んでいます。首都はキガリ。空港も首都にあります。言語はルワンダ語、フランス語、英語、スワヒリ語が話されています。日本からは青年協力隊も多く派遣され、農業特にコーヒー農家さんへの派遣も人気です。首都キガリ周辺の街並みはヨーロッパのようなきれいな建物が並び、ゴミも全く落ちていません。それもそのはず、ルワンダでは環境に配慮した国作りのためにビニール袋やプラスチックバッグが禁止されています。それを持ち込ませないために空港でも厳しくチェックされています。徹底していますね。スーパーでの買い物などは基本的に紙袋、大抵の人たちはエコバッグを持参していました。また、アフリカのマーケットでは通常治安の悪さが目立ちますが、ルワンダのマーケットでは子連れのお母さんも出入りするほど、治安が良いです。  農園へ向かう途中で出会った子供たち。ムラホ!と呼びかけると笑顔で応えてくれます。ルワンダという国についてイメージすることはどんなことでしょうか。よく聞くのがなんか物騒なイメージ。虐殺とかあったような。確かにルワンダでは「ルワンダ大虐殺」という過去があります。ツチ族とフツ族の民族抗争で国内で殺し合いが起き、100日間で約100万人が亡くなってしまう凄惨な歴史的事件です。このようなことがありながら、現在では女性1人で夜出歩いても大丈夫と言われるほどに治安が良く、観光客も多く訪れる国です。特にマウンテンゴリラは人気ですが、今回の話とは無縁でしょう。内戦後にルワンダの特徴と言える社会的背景として2点あります。まずは、女性の地位向上です。ジェンダー平等の精神が根付き、2008年には世界で初めて女性の国会議員が過半数を超えました。次にIT分野を初めとする経済の目覚ましい発展から「アフリカの奇跡」とも呼ばれています。次に、ルワンダのコーヒーを輸出するNAEB(ナイーブ)、エクスポーターについて話してみます。NAEBは輸出を管理する機関、エクスポーターはコーヒーの生産管理を行ってます。訪れた際には、それぞれの管理するウォッシングステーションや農園を案内をしてもらっています。 NAEB(ナイーブ) ルワンダのコーヒーは輸出する際に必ずNAEB(National Agricaltural Export Development Boardの略。通称ナイーブと呼びます。)という機関を経由して輸送されます。 ここは厳重な扉で管理されており、中に入ると小さな街のような印象です。多くの部門に分かれて管理されていますが、その中にコーヒーもあります。生産されて国外に輸出するコーヒーを全てこちらでチェックし、記載された品質に問題がないかを確認します。その後倉庫に保管されたコーヒーは輸出されます。ルワンダでは外貨獲得の主な産業としてコーヒーが位置付けられるほど、大切にされています。そのため輸出の管理はもちろん、コーヒーの苗(基本的にブルボン種のみ)や、肥料などを国から配布しています。そんな大切なコーヒーの生産管理を行なっているのが、エクスポーターです。 ルリウォッシングステーション ルリウォッシングステーションの様子。RWASHOSCCO(ルワショスコ)はルワンダを代表するエクスポーターのひとつです。オフィスの中ではカッピングが出来るように専用の部屋が作られていて、クオリティをチェックしています。 RWASHOSSCOのオフィス。代表のアンジェリークさんはルワンダスペシャルティコーヒーの生産管理だけでなく、社会問題やオーガニック認証などの積極的な取得など、先進的な取り組みを行っています。 RWASHOSCCO代表のアンジェリークさん。今回ご紹介するのは、RWASHOSCCHOが管理するウォッシングステーションのひとつである、ムササルリウォッシングステーションです。高い標高を誇る北部ガケンケ地区に位置し、急斜面な場所にアフリカンベッドがありサンドライに適しています。ルリの最大の特徴と言ってもいい点として、精製を行い、その後発送の準備まで敷地内で行うことが出来ることです。通常、ルワンダのコーヒーを出荷する場合は、先述のNAEB(ナイーブ)でチェックをして出荷作業を行いますが、ルリウォッシングステーションでは徹底した管理が認められ、出荷作業の一部を行うことが出来ます。このことから、先のアンジェリークさん曰く、精製から出荷までの全てのプロセスを働く人たちに見せることが出来ると言っていました。 筆者がルワンダを訪れた際には、必ず訪れていますが毎年新しい機械が増えていたり、常に革新的なコーヒーの生産に取り組んでいます。2019年に訪れた際に、ルリウォッシングステーション内の大きな倉庫のひとつに、ベルトコンベアでハンドピックが出来る棚が導入されていました。ONIBUS COFFEEで現在販売中のルワンダ ルリ Lot.1904 もこのウォッシングステーションです。「Lot.1904」というのは4月19日に収穫されたもののみをデイロットとして分けたものです。 レメラウォッシングステーション BUF COFFEE(バフコーヒー)が管理するレメラウォッシングステーションは、ルワンダ南部ニャマガベ地区に位置しています。BUF COFFEEの代表を務めるサミュエルさんは、コスタリカやグアテマラなどの生産国を訪れ、最新の技術を学び、実践しています。伝統的なフリーウォッシュトだけでなく、ナチュラルやファンキーナチュラルなども実験的に行なっています。ONIBUS COFFEEでも以前取り扱いのあったレメラアンダーシェードというコーヒーは、こちらのウォッシングステーションで精製されたコーヒーでした。アンダーシェードというのは、写真にあります通り、巨大な棚を設置し、雨の日も安定したドライイングが出来るようにしています。レメラウォッシングステーションはBUF COFFEE最初のウォッシングステーションです。現在の代表サミュエルさんの母であるエピファニさんはこのBUF COFFEEの創設者であり、先述のRWASHOSCCOより独立し、良好な関係を築いています。...

「アフリカの奇跡」と呼ばれるルワンダの魅力!〜美しい街並みと穏やかな人々〜
2022.12.22

MOVIE × COFFEE〜コーヒーの映画を観ながら生産国へ想いを馳せて〜

12月も後半に差し掛かり、そろそろ年越し支度を始めなきゃ、、、というところですね。私たちONIBUS COFFEEの年内営業は29日(木)まで(奥沢店は25日(日)まで)、2022年の営業も気づけば残すところあと1週間となって参りました。 今回の記事では、年末年始の時間にぜひ観ていただきたい”コーヒーにまつわる映画”についてです!

MOVIE × COFFEE〜コーヒーの映画を観ながら生産国へ想いを馳せて〜
2022.11.17

那須店に焙煎機が設置されました!〜郊外ロースター稼働への第一歩〜

去る10月、ついに那須店に焙煎機が設置されましたー!今回は設置当日の様子と、焙煎機についてお知らせします。

那須店に焙煎機が設置されました!〜郊外ロースター稼働への第一歩〜
2022.9.29

フィンランドのロースターFRUKTがALCB道玄坂で飲める!〜GUEST BEANS POP ...

気候がすっかり秋らしくなり、コーヒーはホットもアイスもどちらも楽しめますね。筆者は涼しくなり始めたころに飲むホットラテがとても好きです。コーヒーがぴったりの季節に合わせて少し珍しいロースターのコーヒーイベントが9/28(水より開催しています。ABOUT LIFE COFFEE BREWERS道玄坂(以下ALCB道玄坂)では通常のラインナップでもONIBUS以外に山梨AKITO COFFEEや、京都のSTYLE COFFEEを扱っていますが、定期的にゲストビーンズとして国内外の繋がりのあるコーヒーロースターを店頭で提供しています。今回は現在販売中のフィンランドのコーヒーロースター「FRUKT」をご紹介します。   ゲストビーンズの背景には 2016年ゲストバリスタとしてオーストラリアシドニーのMECCAオーナーポールゲショスさんとARTIFICER COFFEEオーナー佐々昌二さん 懐かしいALCB道玄坂では2014年のオープン以来、数々の世界的ロースターとコラボレーションをしてきました。ゲストバリスタとして店頭に立ちコーヒーを提供してもらったり、台湾やシアトルなどで私たちがコーヒーをサーブするなど海外でのイベント実施なども。これらの背景には世界のスペシャルティコーヒーのカルチャーを皆さんに伝えたいという想いがあります。今回実施するゲストビーンズもその流れを汲み、実施に至っています。少し緩和がされてきたとはいえ、海外へ行くにもまだまだ行きにくい雰囲気はありますので、少しでも気分を味わってもらえたら嬉しい限りです。今回は北欧の中でも少しニッチなフィンランドのコーヒーロースターをご紹介します。 世界トップクラスのコーヒー消費量を誇る北欧諸国 北欧のコーヒーカルチャーって聞いたことがありますか。デンマーク、ノルウェー、スウェーデン、フィンランドなどの北ヨーロッパ諸国は世界のコーヒー消費量のトップ7に常に入るほどコーヒー好きな国民性があります。コーヒーを飲むことが日常の中で習慣化され、スウェーデンではコーヒーを友人や家族と過ごすことをフィーカと呼んでいたり、今回ご紹介するフィンランドでは労働の合間にコーヒー休憩を入れることが法律で定められています。とても面白いですよね。味わいはノルディックローストと呼ばれる浅煎りの人気が高く、一日に何杯も飲むため浅煎りの方がするすると飲みやすいからとも言われています。 FRUKTとは 「FRUKT」はフィンランドの首都ヘルシンキから列車で2時間程の距離にあるトゥルクを拠点にするコーヒーロースター。トゥルクはフィンランドでも最も古い教会とされるトゥルク大聖堂で有名な古都。スウェーデン統治下の拠点にもなっていたため、スウェーデンのデザインが各所に見られ観光にも人気のエリアです。そんなトゥルクで2019年にオープンしたばかりのFRUKTは新進気鋭のロースター。日本でも昨今人気の焙煎機LORINGを使用し、ノルディックローストと言われる北欧の浅煎りコーヒーを中心に販売しています。オーナーのSamuliさんは、デンマークの有名ロースターCOFFEE COLLECTIVEでもプロダクションチームとして働いていた経歴を持ち、確かな技術と北欧らしいデザインの調和が楽しめます。こちらはオーナーのSamuliさんよりWe roast next to sourdough bakery called bageri Å that is run by my wife...

フィンランドのロースターFRUKTがALCB道玄坂で飲める!〜GUEST BEANS POP UP at ALCB道玄坂〜
2022.9. 8

コーヒーが収穫されてから一杯のカップになるまでの旅路〜From Seed To Cupの過程〜

コーヒーが収穫されてから一杯のカップになるまでの過程をひとつずつ紹介してみました。遥か遠くアフリカや中南米からコーヒーがまるで旅をしているようなそんな記事にしています。スペシャルティコーヒーに大切なFrom Seed To Cupの理解が少しでも深まったら嬉しいです。

コーヒーが収穫されてから一杯のカップになるまでの旅路〜From Seed To Cupの過程〜
2022.9. 1

『コーヒーノキを知る』その②〜生産地におけるテロワールとコーヒーチェリー収穫の話〜

猛暑だった8月もあっという間に終わり、気づけば朝晩涼しく感じる日も増えてきた日々。さてさて、秋といえばコーヒーシーズン突入です。 前回に続き今回のブログ記事は、「コーヒーノキ」についてのお話です。前回はコーヒーノキの最適な生育環境についてのお話しでしたが、今回の内容は、その生育環境がどうコーヒーの味わいに影響を及ぼすのか、また、木に実る”コーヒチェリー”の収穫に関することに、もう少し焦点を当ててみます。

『コーヒーノキを知る』その②〜生産地におけるテロワールとコーヒーチェリー収穫の話〜