2022.9.29

フィンランドのロースターFRUKTがALCB道玄坂で飲める!〜GUEST BEANS POP ...

気候がすっかり秋らしくなり、コーヒーはホットもアイスもどちらも楽しめますね。筆者は涼しくなり始めたころに飲むホットラテがとても好きです。コーヒーがぴったりの季節に合わせて少し珍しいロースターのコーヒーイベントが9/28(水より開催しています。ABOUT LIFE COFFEE BREWERS道玄坂(以下ALCB道玄坂)では通常のラインナップでもONIBUS以外に山梨AKITO COFFEEや、京都のSTYLE COFFEEを扱っていますが、定期的にゲストビーンズとして国内外の繋がりのあるコーヒーロースターを店頭で提供しています。今回は現在販売中のフィンランドのコーヒーロースター「FRUKT」をご紹介します。   ゲストビーンズの背景には 2016年ゲストバリスタとしてオーストラリアシドニーのMECCAオーナーポールゲショスさんとARTIFICER COFFEEオーナー佐々昌二さん 懐かしいALCB道玄坂では2014年のオープン以来、数々の世界的ロースターとコラボレーションをしてきました。ゲストバリスタとして店頭に立ちコーヒーを提供してもらったり、台湾やシアトルなどで私たちがコーヒーをサーブするなど海外でのイベント実施なども。これらの背景には世界のスペシャルティコーヒーのカルチャーを皆さんに伝えたいという想いがあります。今回実施するゲストビーンズもその流れを汲み、実施に至っています。少し緩和がされてきたとはいえ、海外へ行くにもまだまだ行きにくい雰囲気はありますので、少しでも気分を味わってもらえたら嬉しい限りです。今回は北欧の中でも少しニッチなフィンランドのコーヒーロースターをご紹介します。 世界トップクラスのコーヒー消費量を誇る北欧諸国 北欧のコーヒーカルチャーって聞いたことがありますか。デンマーク、ノルウェー、スウェーデン、フィンランドなどの北ヨーロッパ諸国は世界のコーヒー消費量のトップ7に常に入るほどコーヒー好きな国民性があります。コーヒーを飲むことが日常の中で習慣化され、スウェーデンではコーヒーを友人や家族と過ごすことをフィーカと呼んでいたり、今回ご紹介するフィンランドでは労働の合間にコーヒー休憩を入れることが法律で定められています。とても面白いですよね。味わいはノルディックローストと呼ばれる浅煎りの人気が高く、一日に何杯も飲むため浅煎りの方がするすると飲みやすいからとも言われています。 FRUKTとは 「FRUKT」はフィンランドの首都ヘルシンキから列車で2時間程の距離にあるトゥルクを拠点にするコーヒーロースター。トゥルクはフィンランドでも最も古い教会とされるトゥルク大聖堂で有名な古都。スウェーデン統治下の拠点にもなっていたため、スウェーデンのデザインが各所に見られ観光にも人気のエリアです。そんなトゥルクで2019年にオープンしたばかりのFRUKTは新進気鋭のロースター。日本でも昨今人気の焙煎機LORINGを使用し、ノルディックローストと言われる北欧の浅煎りコーヒーを中心に販売しています。オーナーのSamuliさんは、デンマークの有名ロースターCOFFEE COLLECTIVEでもプロダクションチームとして働いていた経歴を持ち、確かな技術と北欧らしいデザインの調和が楽しめます。こちらはオーナーのSamuliさんよりWe roast next to sourdough bakery called bageri Å that is run by my wife...

フィンランドのロースターFRUKTがALCB道玄坂で飲める!〜GUEST BEANS POP UP at ALCB道玄坂〜
2022.9. 8

コーヒーが収穫されてから一杯のカップになるまでの旅路〜From Seed To Cupの過程〜

コーヒーが収穫されてから一杯のカップになるまでの過程をひとつずつ紹介してみました。遥か遠くアフリカや中南米からコーヒーがまるで旅をしているようなそんな記事にしています。スペシャルティコーヒーに大切なFrom Seed To Cupの理解が少しでも深まったら嬉しいです。

コーヒーが収穫されてから一杯のカップになるまでの旅路〜From Seed To Cupの過程〜
2022.9. 1

『コーヒーノキを知る』その②〜生産地におけるテロワールとコーヒーチェリー収穫の話〜

猛暑だった8月もあっという間に終わり、気づけば朝晩涼しく感じる日も増えてきた日々。さてさて、秋といえばコーヒーシーズン突入です。 前回に続き今回のブログ記事は、「コーヒーノキ」についてのお話です。前回はコーヒーノキの最適な生育環境についてのお話しでしたが、今回の内容は、その生育環境がどうコーヒーの味わいに影響を及ぼすのか、また、木に実る”コーヒチェリー”の収穫に関することに、もう少し焦点を当ててみます。

『コーヒーノキを知る』その②〜生産地におけるテロワールとコーヒーチェリー収穫の話〜
2022.8.25

『コーヒーノキを知る』その①〜木の生体と生産国から分かる、育成に適した環境〜

私たちにとってすっかり身近な飲料となっているコーヒー。それだけ身近な存在であるコーヒーですが、コーヒー豆のほとんどが、はるか遠い海外からはるばる海を渡って日本にやってきていることに、改めて思いを巡らせてみましょう。今回の記事は『コーヒーノキ』に関するお話しです。

『コーヒーノキを知る』基礎編〜木の生体と生産国から分かる、育成に適した環境〜
2022.8. 4

これぞ沼!コーヒーの品種の話アドバンス!〜トレンドも学べる品種解説!〜

去年ってこんなに暑かったっけ?と思うほどの猛暑日が続きますね。筆者はこんな季節でも楽しく自転車通勤しています。電車通勤でも遊びに出かけるときでも日焼け対策と水分補給はしっかりと行なって体調管理徹底していきましょうね。 さて、前にご紹介したコーヒーの伝播の話と少しだけ品種にも触れましたが、今回のブログではコーヒーの品種にスポットを当てて皆さんに紹介していこうと思います。一般的なアラビカ種の解説から、最先端のコーヒーシーンでのトレンドなども紹介します。先に言っておきますと途中からかなりギークな内容になります。頑張って着いてきて下さいね。お楽しみに。それではいってみましょう。 アラビカ種から派生する2大品種 スペシャルティコーヒーにおいて、一般的に扱われるコーヒーはこのアラビカ種になります。アラビカ種はカネフォラ種(ロブスタ種)、リベリカ種と併せて3つに分けられることが多いですが、特に重要なのはアラビカ種のなかでもティピカ種、ブルボン種の2種であり、これらを押さえておくと良いでしょう。これらの2種から突然変異や交配によって非常に多くの品種が生まれています。聞いたことのある品種も元を辿るとどちらかに行き着くというのはあるあるです。 ①ティピカ種 ティピカは歴史的に見ても最も古い品種のひとつに数えられます。「典型的な」「標準的な」というスペイン語が語源になっていると言われています。ティピカは繊細な酸と甘さの伴う素晴らしい風味特性を持つコーヒーとして重宝されていますが、サビ病や直射日光に弱く、生産量も多くないという特徴があります。様々な生産国へ持ち込み、その土地に合わせて品種改良や突然変異が起き、多くの有名品種が誕生しています。例えば、突然変異種としては先のブルボンもこれに当たりますし、ブラジルで多く生産されるマラゴジッベも該当します。さらにその突然変異種を交配することで生まれるのがハイブリッド種になります。(後述します。)残念ながら、長きに渡る変異や品種改良などによって純粋なティピカはもう存在していないと言われています。 ②ブルボン種 先ほどのティピカ種から突然変異したのがこのブルボン種でしたね。ブルボンはマダガスカル島で突然変異したという話は前回のこちらでもお話したかと思います。しっかりとした甘さがあり、スペシャルティコーヒーの市場では根強い人気を誇ります。通常、コーヒーチェリーは赤いものが完熟している状態ですが、ブルボンは完熟した色合いが生産国によっては違い、通常通り赤く完熟したものをレッドブルボン、黄色はイエローブルボン、最近非常に人気が高く高価に取引されているのは、ピンク色に完熟するピンクブルボンな多岐に渡っています。 もちろん生産国ごとの突然変異種も有名なものが多く、ブラジルではカトゥーラ、エルサルバドルではパカス、コスタリカではビジャサルチなどなど非常に多くあります。 ハイブリッド種とは ハイブリッド種とは本来遺伝子的に交配することがないとされていたアラビカ種とカネフォラ種の交配種が東ティモールで発見されました(染色体の数が違うため交配しないとされていました)。ティモールハイブリッドと名付けられたこの品種は、カネフォラ種由来のサビ病の耐性を持っていましたが、カップクオリティはあまり高くなく、この品種を品種改良していき様々な交配を経ていったと言われています。 サビ病や直射日光、または生産量が少ないなどの問題を解決するために人工交配は進み、生産国ごとに研究機関があったり多くの研究がなされています。ここで全て紹介したいところですが、無限なので割愛して抜粋していくつかを紹介します。気になる方はガンガン調べてみてね。 ①カトゥアイ種 カトゥアイ種はブラジルで生まれた人工交配のハイブリッド種です。ブルボン種の突然変異で生まれたカトゥーラ種と、ブルボン種とスマトラ種が自然交配によって生まれたムンドノーボ種との人工交配。カトゥアイは甘さと酸味のバランスがとても良く、ブラジルやグアテマラでもよく見られる品種ですね。こちらも上記のブルボンと同じように黄色で完熟するイエローカトゥアイなどもあり、非常に人気があります。カトゥーラとよく間違えられがちですね。 ②パカマラ種 パカマラ種はその名前にヒントのあるハイブリッド種です。エルサルバドルで見つかったブルボンの突然変異種パカスと、ブラジルでみつかったティピカの突然変異種マラゴジッベの人工交配によって誕生しています。パカマラの特徴はなんと言ってもその種子の大きさ。見たらすぐに分かるほどに大きなサイズは驚く人もいるかもしれません。酸味は少し穏やかですがしっかりとした甘さとクリーミーな質感にオリジナリティを感じる品種です。 ③Ruiru11 ケニアでSL28やSL34は良く見ると思いますが、これらの病気に対する弱さを克服するために生まれたのがRuiru11(ルイル11)です。SL28、SL34、K7、スーダンルーメなどを掛け合わせたものとカティモールを交配させたRuiru11は、ケニアらしいジューシーなテイストを残しつつ病気にも強いため最近ではほとんどこのRuiru11が入っていますね。ケニア以外でもSL28が植えられ始めているので、Ruiru11もそのうち色々な生産国で植えられるかもしれませんね。最近よく聞かれるBatian(バティアン)はこのRuiru11から選別された品種です。 最近のトレンド   World Barista Championship2019の優勝者Jooyeon Jeonさんのファイナル競技の様子。素晴らしかったですよね。 コーヒーの品種にも実は流行りがあります。コーヒーは農作物なのでその年々によって味わいの差こそありますが、大きく流行を左右するものがあり、それはコーヒーの競技会です。毎年世界大会のあるワールドバリスタチャンピオンシップ、ワールドブリュワーズカップなどの決勝で使用されるコーヒー豆は、その後新しい流行になることが多いです。これは品種とは別ですが、最近の世界大会では最高級のシングルオリジンを掛け合わせるブレンドが主流です。ブレンドもきっとそのうち流行ることになるでしょう。 それでは最近人気になってきている注目品種について紹介していきます。 ①シドラ種 2019年のワールドバリスタチャンピオンになった韓国代表Jooyeon Jeon(ジュヨン ジヨン)さんが使用したことで一躍有名になったことで知っている方も多いかもしれません。(素晴らしいプレゼンテーションは是非見てみて下さい。)シドラ種はネスレ社がエクアドルで開発したティピカとレッドブルボンのハイブリッド種です。スパイスのような複雑な香味を伴い、完熟したフルーツ感、豊かな甘さなどをバランスよく楽しめる品種です。まだまだ希少品種の部類かと思いますが、日本国内でも少しずつ見かけるので、是非試してみて下さい。...

これぞ沼!コーヒーの品種の話アドバンス!〜トレンドも学べる品種解説!〜
2022.6.30

ホンジュラス買い付けから観える世界〜素晴らしいコーヒーの生産に携わる人達との出会い〜

『ホンジュラス共和国』 そこは、私の人生において初めてコーヒー豆の買い付けのために訪れることになった国。 それまでの私にとってホンジュラスコーヒーは「中米の生産国のひとつ」程度のぼんやりとした印象のみで、それ以上に興味を向ける対象ではなかったっと言っても過言ではありません。 この記事を読んで、この国から生まれる素晴らしい作品創りの支えに触れることで、普段意識を向けることのなかった世界への想像を膨らませるお手伝いができれば、と思いっています。

ホンジュラス買い付けから観える世界〜素晴らしいコーヒーの生産に携わる人達との出会い〜