4年かけて辿り着いたONIBUS B Corp™︎への道
2026年7月、ONIBUSはB Corp™︎認証を取得しました。
ONIBUSがB Corpになるまでにかかった4年の道のりを共有します。 このストーリーがONIBUSに関わるみなさんや、これからB Corpを目指す企業の方の参考になれば幸いです。
B Corpについて
B Corp認証は、2006年にアメリカで生まれました。現在は世界100ヶ国以上で10,000社を超える企業が取得する国際的な基準になっています。B Corpの『B』は "Benefit"の頭文字を示し、「株主だけに限らない、人々や地球のためのベネフィット/利益を追求する」ことを意味します。
ONIBUSが掲げる「コーヒーで、街と暮らしを豊かにする」というビジョンのもと、私たちが日々積み重ねてきたことが評価され、ONIBUSもこの認証を取得することができました。
ONIBUS B Corp取得までの道のり
B Corpとの出会い
ONIBUSは
- クオリティ(コーヒーやフードの品質、感動する一杯の追求)
- ホスピタリティ(また来たいと思うサービス、心に残る体験)
- サスティナビリティ(環境に配慮した店舗運営、企業活動)
の3つを等しく大切にしています。
それぞれの取り組みを強化するために、サスティナブル担当の役割ができたのは2020年のこと。より環境負荷の少ないコーヒーショップの在り方を目指し、試行錯誤していました。脱プラスチック、タンブラー推進、コーヒー豆の量り売り、などできることから少しずつ。
2022年にオープンした自由が丘店や那須店では、店舗でコーヒーカスの堆肥化を開始。ごみとして捨てるのではなく、資源として”循環”させる取り組みが加速しました。この活動は、日本を遠く離れ、私たちがコーヒー生豆を調達しているルワンダでも活かされています。現地の農家と協働して土作りからコーヒー生産をする”ソイルプロジェクト”です。企業としてのサスティナブル活動のインパクトは徐々に大きくなっていきました。
そして2022年の秋、次は何ができるか模索していた私たちはB Corpに出会いました。「社会や環境に良い影響を生み出す企業に与えられる国際認証」それがB Corpでした。
私たちがリスペクトする海外のスペシャルティコーヒーブランドのいくつかがすでにB Corpを取得していたり、日頃店で取り扱う商品やサービスにもB Corpのものがあったりと、すぐに興味が沸きました。「日本のスペシャルティコーヒーショップとして、B Corpになれたらかっこいいんじゃない?」「ONIBUSならすぐ取得できるんじゃない?」というとてもシンプルなノリで認証取得に挑戦することにしました。この時はそれが大変な道のりになるとは知らずに…。
B Corpの険しい道のり

B Corp BIAのイメージ
B Corpは、B Labという非営利団体が運営しています。企業は、B Impact Assessment(BIA)という基準で評価されます。
- ガバナンス(企業統治)
- 従業員
- 地域社会
- 環境
- 顧客
この5つの分野にわたり、数百に及ぶBIAの評価項目に答えていくと自動で得点が加算されていきます。200点満点のうち80点以上を獲得することが認証取得の条件です(注:ONIBUSの申請当時の基準。2026年より新基準になり内容が一新されています)。
しかし、この80点超というのが想像以上の難易度でした。それまでもONIBUSは環境の取り組みや従業員の働き方の改善を行なっていたので、少し頑張れば届くだろうと思っていました。ところが、ONIBUSが最初にBIAで獲得したスコアは47.5点。基準となる80点には遠く及びませんでした。
この結果を紐解くと、ONIBUSの願いや、それまでしてきた数々のアクションは、そのままではスコアに繋がらないということがわかりました。取り組みが認められるには、会社の正式な方針やレポートとして文書化されている必要があったのです。そこで半年ほどかけて社内の考えや取り組みを整理し、ポリシーとしてまとめていく作業を行いました。
しかしそれでも80点にはなかなか届きませんでした。やればやるほど遠くなる、B Corpの道の険しさを痛感しました。
前向きな撤退
当時、認証取得を後押ししてくれていたのが中目黒に拠点を置くFabricという企業です。彼らは先輩B Corpでもあり、たくさんのアドバイスをくれました。そのときに言われたのが「B Corpはゴールではなく、より良い企業になるためのガイドライン」という言葉でした。
「2022年時点のONIBUSは、まだB Corpには届かない。それでもB Corpの評価基準は企業をより良くする指針になる。」そう考え、私たちは一度B Corpへの挑戦から退くことにしました。結果が出せず終わることに悔しさもありましたが、同時にプレッシャーからの開放感もありました。
満を持して再挑戦
その後もONIBUSは日々の取り組みを続けました。この間に行った主なアクションは次の通りです。
- 透明性のある原料調達の約束-コーヒー生豆価格の公開
- 全店舗の廃棄量測定と削減目標の設定
- 温室効果ガス排出量の測定と公開
- インパクトレポートの作成と公開
- 八雲店での太陽光発電導入
- ルワンダのソイルプロジェクトコーヒーの商品化
- 各種ポリシーの整備
- 従業員福利厚生の改善
これらはB Corpのためではなく、環境や社会や働くメンバーにとって良いインパクトを作る企業になるために取り組んだものです。
そして、2025年初夏、B Corpの審査基準が一新される前のタイミングでBIAに再挑戦しました。B Corp挑戦休止中の2年間で積み重ねてきた取り組みが結実し、スコアは80点を突破!ついに基準を超えることができました。
再挑戦の際に大きな支えとなったものがあります。それがB Corpに取り組んだことのある知人やB Labの日本支部B Market Builder Japan(BMBJ)の存在。勉強会やイベントを通じて、多くの企業と交流することができました。B Corpを目指す企業同士で情報を交換し、励まし合う。コミュニティの力を感じました。
ついに認証取得
BIAのスコアが80点を超えてもすぐに認証が得られるわけではありません。B Labの審査員とのやり取りが続きます。資料の提出、回答の確認、オンライン面談などを経て、評価に間違いがないか細かくチェックします。審査期間は企業によって異なりますが、ONIBUSは半年以上かかりました。
そして2026年7月、ONIBUSは正式にB Corp企業となりました。
険しい道のりに挫けながらも取得まで辿り着けたのには理由があります。B Corpになることは「コーヒーで、街と暮らしを豊かにする」というONIBUSのビジョンを、より具体的な形で社会に示せると信じていたからでした。
来てくれるお客さまには「ONIBUSで飲むいつものコーヒーが、社会の良い循環につながっている」と感じられること。取引先の方にはONIBUSがビジネスパートナー以上の関係に感じられること。そしてONIBUSのメンバーにはONIBUSで働くことを誇りに思えること。
B Corpになることは簡単ではないからこそ、B Corpの先にある価値を信じて挑戦しました。
B Corpの道はつづく!

最初にBIAを受けたときのONIBUSのスコアは47.5点。B Corp認証に必要な80点には遠く及びませんでした。それでも私たちは、B Corpの評価項目を企業をより良くするための指針として捉え、日々の取り組みを少しずつ積み重ねていきました。
環境への取り組みを進めること、働く人のための制度を整えること、コーヒーの流通や企業活動の透明性を高めること。その積み重ねの先に、今回のB Corp認証があります。
しかしB Corpはゴールではありません。ONIBUSには、コーヒーを通じて、人と街、そして環境にとってより良い循環を生み出していく責任があります。B Corpになった今、以前よりその重さを実感しています。
世界には10,000社以上のB Corp企業があります。日本ではまだ馴染みが薄いですが、身近なところにもB Corpはあります。そしてB Corpの仲間が増えれば増えるほど、社会や環境に対するポジティブな輪は広がっていきます。普段の生活で、商品やサービスを選ぶ基準として、B Corpの認知度が上がっていくといいなと思います。
気になる方はぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか?B Corpに関するご相談も大歓迎です!
Text by Mai Yamada - ONIBUS Inc. Chief Regenerative Officer

