スタッフクローズアップ第2弾!木村陽平インタビュー!じわじわくるその、ひととなり
ONIBUS COFFEE中目黒店で焙煎をする木村さん ——オニバスコーヒーで働き始めたのはいつ頃から?はじめは、お客さんとして中目黒店ができた当初から通っていました。あるときスタッフが辞めるからということで声を掛けてもらって、2016年から働き始めることになりました。——以前は何の仕事をしていた?渋谷のTOWER RECORDSで約10年働いていました。もともと音楽が好きでバイヤーをやりたくて。洋楽のRockやJazz, Avant-garde, New Age, Ambientなどのジャンルを担当していました。J-POPも一時やっていましたね。ただ長くバイヤーと管理職を経験して、その先が想像できてしまったということもあり。これからは「なにかを生み出す」仕事をしたいという思いに自然と変わっていきました。 音楽はもちろん、本やカウンターカルチャーが好き 高校時代、仲の良い友人に影響され山尾三省やゲーリー・スナイダーの詩に興味を持ちました。自然文学・ヒッピーカルチャー・パーマカルチャー・ビートニク…etc.わりと若いうちからマニアックな世界に傾倒していましたね。(笑)。思春期にノイズミュージックに触れたとき「こんな音楽があるのか」と、そこからさまざまなジャンルにのめり込みました。上京してからの02年〜05年頃はほぼ毎週のように音楽イベントに行っていました。気になるイベントがあればひとりでも通って。ちなみに系列店のAbout Life Coffee Brewers(以下ALCB)マネージャーの神戸とは同い年なんですけど、最近話していたときたまたま同じレイブに参加していたことが発覚して。もちろんその当時は面識なかったですが…。いろいろ蘇って盛り上がりました。 青春時代にハマっていたゲーリー・スナイダーの代表作「ノー・ネイチャー」 ——コーヒーの仕事を選んだのはなぜ?以前からコーヒーは好きで日常的にコーヒーショップに足を運んでいました。それこそONIBUS奥沢店やALCBに行っていて、Fuglen, switch, AMAMERIA, BLUE BOTTLE…京都や福岡のコーヒーショップまで、いろいろ気になる店を回っていました。そういう生活の中で身近にあるコーヒーを選んだのは必然でした。自分自身が好きであり、長く続けられる仕事をと考えとき「コーヒーしかない」と。そして、富ヶ谷にあるTHE COFFEESHOP ROAST WORKSで働き始めました。音楽からコーヒーの分野に転換したので、コーヒーの基礎知識を学ぶ「自分自身の勉強の場」と位置づけて経験を積みました。 オニバスコーヒーで働くことでみえたもの 日頃から店舗に立っていて、お客さんとスタッフに壁がなく距離が近い感覚がいいですね。以前の環境ではそれほどお客さんと話すことはなかったので。スタッフはみんな人が好きです。僕は人に言われたことをそのままやるということはあまり意味がないと思っているので、咀嚼して自分が納得した上で行動することを大事にしています。僕たちの目的はおいしいものを作るというシンプルなこと。スタッフ全員が向かう先は一緒なので、各個人違う意見を持ってアプローチしていい。違うスタイルでも各自の意思を尊重しているのがONIBUSです。よくも悪くもマニュアルがないですね。 日頃から抽出・焙煎・品質管理を行いコーヒーと向き合う コーヒーを生み出す仕事との向き合い方 まず、コーヒーが人の体内に入る飲み物だということ。食べ物や飲み物を扱うということは、作り手は嘘をつけない。写し鏡のように「自分そのもの」が出るものだと思います。おいしいものを提供したい、そのために自分の納得したことを正直にやる。それが全てコーヒーに表れると考えています。ですからバリスタとロースターの仕事に本質的には大きな違いはないと思っています。それに大企業だとすぐに実現できないようなことが自分の手で作っているのでありのままに出せる。そういう環境に身を置きたいと思っていたので、正直に向き合ってやれることがうれしいです。また食べ物を扱うことで、自分の日常の食べ物に気を遣うようになりました。オーガニックしか食べないとかそういうことではなく。どのようなものを使っているのか気になるし、本質はおいしいと感じるものを摂りたいと考えています。

紙袋有料化、その後
今回のコラムでは、7月1日よりONIBUS COFFEE全店で開始した紙袋の有料化のお話を少しだけしたいと思います。 7月にONIBUS COFFEE(奥沢店、中目黒店、八雲店)、ABOUT LIFE COFFEE BREWERS、RATIO&Cで使われた紙袋は345枚。各店でそれまでの月のおよそ半分〜1/3ほどの使用量となりました。 まずはこの場を借りて、紙袋有料化へのご理解とマイバック持参などのご協力をいただいたことへ感謝を申し上げます。 同じく7月1日から開始したマイタンブラーのご利用も併せて、使い捨て資材削減へのご協力ありがとうございます! 袋有料化で生じる責任 7月に入って世の中の袋という袋が一斉に有料となりました。 ONIBUS COFFEEではもともとプラスチック製のいわゆるレジ袋は使っておらず必要なお客様には紙袋をお渡ししていました。ご存知の方も多いと思いますが、今回の有料化制度において紙袋は対象外となっています。しかしながら有料化が資源のリユースやリデュースを促すための施策として有効であると判断し、機運が高まっているこのタイミングでONIBUS COFFEEでも紙袋の代金13円をいただくこととしました。 約1ヶ月が経ち、ONIBUS COFFEEにもバッグを持参してくださるお客さまが増え、使用量の削減が成功していることが数字にも表れています。ある調査ではコンビニエンスストアでのレジ袋辞退率がそれまで25%程度だったのが有料化後には70%を超えたという報告もありました。なにかと不便もありますが、仕組みを整えひとりひとりが意識を変えると些細なことでも大きな変化になるんだなぁと感じました。 一方で、開始よりほどなくしてこの有料化が不便とはまた少し違ったネガティブな想いも生んでいるような気もし始めました。 資材代はかかるとはいえ、もともとは商品に付属するものとして無償で差し上げていたものを有料にしたことで、お客さまに金銭的にも物質的にも負担を転嫁していること、消費者目線で言えばマイバッグを持ってこなかったことへの罰金のように袋にお金を払っているような感覚への違和感です。 社内で袋有料化を決めたときには、あくまでも紙袋代は資材代としていただくということで認識していましたが、上に挙げたようなネガティブな感覚を払拭するため、いただいたお金は袋有料化のそもそもの目的である自然保護のためポジティブに使いたいという想いが湧いてきました。 そして有効な使いみちは何があるか考え、環境保全団体に寄付をするという形で実行することにしました。 more trees活動支援 多数ある環境保全団体のなかで私たちが選んだのはmore treesという森林保全の一般社団法人です。...

MICRO REGION SHOWCASE 参加レポート vol.6 〜オークション当日編〜 ...
このブログもようやく完結。6回に渡り、今年1月にブラジルで開催されたMICRO REGION SHOWCASE ILICINEAについてレポートして来ました。遂にメインイベント、オークション当日の模様と、ONIBUS COFFEEが落札した豆を紹介します!! vol.1 概要編 vol.2 農園視察 前編 vol.3 農園視察 後編 vol.4 農園視察 サステナブル農業編 vol.5 オークションの趣旨説明編 vol.6 オークション当日編 ←今日はここ ここまで長らく引っぱって来ましたが、このイベントが何なのかvol.1〜vol.5で詳しく掲載してますので、上のリンクからご覧ください。 オークション開催の前に 開催に先立ち、オークションに出品した生産者達が登壇し、それぞれ自己紹介とオリジンについて簡単に説明。 下は出品したロットのリスト。これを見ながらオークションに参加するバイヤーは、生産者の顔ぶれをチェックし、農園の情報をメモしたり。 そしてオークション会場へ移動、、、 でもその前に、 オークションルール説明 このオークションは、生豆1ポンド(0.45kg)あたりの価格を競います。開始価格は、US$15/lb 。事前の予選会を通過した上位20サンプルを、その場でテイスティングしながら、各テイスティングカップ横に設置された入札シートに希望落札価格を記入していきます。下が実際の入札シート。 入札する場合は、社名と入札額を上から順に記入していきます。先に記入された額より高い入札価格を下の行へ記入していき、制限時間内で最終的に一番高値をつけていたバイヤーが落札できます。...

MICRO REGION SHOWCASE 参加レポート vol.5 〜オークションの趣旨説明編〜
前回まで、MICRO REGION SHOWCASE ILICINEAで行われた農園視察の様子をレポートしてきました。今日からは遂に、メインイベントのオークションについてレポートしていきます!これまでの気になる回は下記リンクからご覧ください。 vol.1 概要編 vol.2 農園視察 前編 vol.3 農園視察 後編 vol.4 農園視察 サステナブル農業編 vol.5 オークションの趣旨説明編 ←今日はここ vol.6 オークション当日編 ここで少しおさらい。MICRO REGION SHOWCASE (以下MRS)とは、2020年1月にブラジルで行われたイベントで、生豆のオークションと開催地(イリシネア)の産地プレゼン、コーヒー生産に関するシンポジウムが一緒になった全く新しいイベントです。 MRSイベントスケジュールは、 1/20 オークションロットの事前カッピング 1/21 農園視察 1/22 オークションロットの事前カッピング 1/23 オークション本番、シンポジウム、ゲストバリスタ こんな感じでした。このレポートは1/22に行われた事前カッピングからオークション当日までの様子を送りします。 ______________________________________ オークションの趣旨 コーヒーでオークションといえば国際的な品評会であるCup...

MICRO REGION SHOWCASE 参加レポート vol.4 〜農園視察(サステナブル...
前回、vol.2とvol.3のブログでは、農園視察の様子を前後編に渡りレポートしてきました。今回はその最終章。朝から夕方にかけ、じっくりとまわったこの視察。さすがに前後編だけでは収まらないほど、トピックが豊富でした。今回はサステナブルな農園運営の一つとして、コーヒーの生産現場で実際に取り組んでいる土壌改良の様子をお伝えします。(土作りの専門知識を持ち合わせていないので、見聞きしたことをそのまま超簡単にテキストしてます。すみません。) vol.1 概要編 vol.2 農園視察 前編 vol.3 農園視察 後編 vol.4 農園視察 サステナブル農業編 ←今日はここ vol.5 オークションの趣旨説明編 vol.6 オークション当日編 土壌づくりの一例 ここでは、農業全般に関わる土壌作りについて、アルト・ダ・セラの取り組みを簡単にレポートします。 3つ目に訪れた農園、アルト・ダ・セラのオーナーの一人ハドソンさん(写真左)。 ここへ到着して真っ先に向かったのは、丘の上に建てられた作業小屋。下の写真はそこからの眺望。 標高は1,300mを超えるところに建てられており、辺り一面を見渡すことが出来ます。きれいです。また行きたいです。 そしてこの建屋を囲むように数種類の果実が植えられています。 これらは全て有機農法で行われているそうです。コーヒーの栽培以外にも、果物やその他樹木など、あえて多種多様な植生にすることで、土壌を循環させ、土の中の環境を整えることが出来るといいます。また、コーヒー区画も含め、寿命を迎えた木々は整理し、休耕を選択する場合ももちろんあるとのこと。 小規模農園が集まるイリシネアでは、この地を拠点とする農業生産者団体COCATRELの働きかけもあり、そのようなサステナブルな取り組みを実践する農園が多数あります。 普段私たちが生産国へ生豆を買い付けに行くと、チェリーの生育状況や、精製プロセスを視察し、コーヒーの品質管理の点で生産者からプレゼンを受けることはよくあります。しかし、土壌管理に関する取り組みや、コーヒー以外の部分で環境保全に取り組んでいることのプレゼンを受けることはなかなかありません。しかも、コーヒーの品質管理を語るのと同じ熱量で、当たり前のようにそれを語ります。 農業従事者たる地域への責任、後世へ農園を守り引き継ぐという意思を強く感じる瞬間でした。 _______________________________________ ...

MICRO REGION SHOWCASE 参加レポート vol.3 〜農園視察(後編)〜
前回からのつづき、MICRO REGION SHOWCASE ILICINEAで行われた農園視察の模様をレポートします! このブログ、今から半年前のスマホのメモと記憶を頼りにやっとります。極力間をあけずに更新したいのですが、正しい情報をお伝えするためにも、時間をかけてじっくりこつこつと進めております。どうかじっくり、ドンと構えてお待ちください。 vol.1 概要編 vol.2 農園視察 前編 vol.3 農園視察 後編 ←今日はここ vol.4 農園視察 サステナブル農業編 vol.5 オークションの趣旨説明編 vol.6 オークション当日編 視察はイリシネアに複数ある農園の内、5つの農園をまわりました。下は視察のルートと標高を表した図。ここまで2つの農園を紹介してきましたが(→その様子はコチラ)、今回は残り3つの農園をレポートします! 3 Farm: Alto da Serra Grower: Hudson...
