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用賀にひっそりと「STAN COFFEE AND BAKE」〜ONIBUS OG訪問 Vol.2!〜
前回のONIBUS OB訪問「Sniite」に続き、今回はVol.2ということでOG訪問をしました!2020年8月13日、東京都世田谷区の用賀にオープンした「STAN COFFEE AND BAKE」。ONIBUSのコーヒーと、STANオーナー手作りの焼き菓子が楽しめるお店です。
お店をほぼ一人で切り盛りするオーナーの石渡やえさんは、多くの飲食店で働いた後、ONIBUS COFFEEの渋谷に構える店舗ABOUT LIFE COFFEE BREWERS(以下ALCB)でバリスタとしても働いていました。当時も一緒に働いていた筆者がインタビューし、オープンしたお店のことや、これまでのことを聞いてみました。是非お楽しみ下さい!
店内にはたくさんの植物やドライフラワーが並ぶ
田崎:ALCBでも一緒に働いていましたが、今日は改めてお店のことを色々と聞かせて下さいー!やえさんは飲食業がとても長いと思いますが、どんな始まり方だったんですか。
石渡:よろしくー。飲食業の始まりは高校卒業して18歳のときに上京して、働いたイタリアンが始まりかな。そのときは料理を主に作っていたよ。
田崎:料理がメインだったんですね。お菓子やコーヒーに目覚めるのはその頃からですか?
石渡:お菓子はサブ的に作ってたけどまだその時はあんまりだった。コーヒーもボタン押すだけで出来る全自動マシンを使ってたよ。(笑)
LA MARZOCCO LINEA-PB2を扱うやえさん
田崎:全自動マシンでのコーヒー作りから始まったやえさんのバリスタ人生は、どうやってのめり込んでいったんですか。
石渡:10数年色々な飲食店で働いたあと、Paul Bassett(※)で初めてちゃんとしたエスプレッソマシンのコーヒーを学んだよ。そこでは2年くらい働いていました。
※Paul Bassettはバリスタ世界チャンピオンであるポールバセットによるエスプレッソカフェ。東京では現在新宿、渋谷にお店を構える。
田崎:そのときが初めてのエスプレッソマシンだったんですね。
石渡:そうそう。その頃、ONIBUS COFFEEのオーナーの篤史くんがポールバセットにコーヒーを飲みに来たりしてたから、ONIBUSのことも篤史くんの人柄もよく知ってたよ。その後、退職したあとに色々なタイミングが重なってALCBで働くことになった。
田崎:僕たち、ALCBでは大体いつもシフト被ってましたね。(笑)何か思い出に残っていることはありますか。
石渡:いやたくさんあったよ。(笑) まずあのお店の狭さ大きさでこんなにお客さんが来るんだっていう衝撃。たくさんの海外観光客やコーヒーオタクも来ていて、コーヒーが好きな人が集まるお店だなと思った。(※)
(※)ALCBはわずか5坪のテイクアウトメインのコーヒースタンド。
田崎:やえさんの前職の方々も多く来てくれてましたね。
石渡:確かにそう。それに多くの新しい繋がりもたくさんあったなー。植物のくまけんとかはALCBがきっかけで知りあって、今のお店の植栽もお願いしてる。
ロゴにあるキャップはやえさんのトレードマークの帽子を
田崎:店名にあるSTAN COFFEE AND BAKEの「STAN」はどんな意味が込められているんですか。
石渡:「STAN」は「STAND」からきていて、止まり木でちょっと休憩していって欲しいという意味を込めてます。サクッとね。
田崎:そのラフさがやえさんらしいですね。用賀という場所は元々決めていたエリアだったんですか。
石渡:ううん。そんなことはなくて、駅から離れていてひっそりとしている感じがいいなと思ってた。駅から近いとたくさんのお店に埋もれてしまうような感じがして。
田崎:住宅街の中にひっそりと佇んでいる感じはありますね。お店に来ると近所の方々がほっと一息付いている風景をよく見ます。
独特の食感とシンプルながらクセになるスコーン
田崎:STAN COFFEE AND BAKEでのおすすめメニューはありますか。
石渡:スコーンが一押し。このスコーンにはとても思い入れがあって。
田崎:スコーンは前に来た時に食べてとても美味しくて印象に残ってます。どんなこだわりが詰まってるんですか。
石渡:イギリスのスコーンとクッキーの間みたいなスコーンを目指して作りました。何も付けないで食べられるシンプルだけどクセになるスコーン。試作した回数も実は一番多い。(笑)
田崎:何度も試作を重ねた力作だったんですね。そりゃ美味しいわけですわ。
一番人気のホットラテとプリンのコンビネーションも
田崎:コーヒーやお菓子にはどんな想いを大切にして作っているんですか。こだわりというか。
石渡:んー、こだわりはとにかく「味」かなー。美味しいこと、クセになって欲しいという気持ちが強い。
田崎:なるほど。美味しくてクセになるような工夫などはありますか。
石渡:素材の味をそのままというよりかは、素材と素材を組み合わせて、手を掛けることで美味しいものを作っていくイメージがある。普通に作っていると見せかけて、裏でこそこそと積み上げていくような感じ。(笑)
田崎:やえさんのお菓子はどれもシンプルで手に取りやすい印象だけど、ひとつ食べると、また食べたくなる不思議はそこから来てるんですね。
STANオリジナルブレンドはここでしか飲めません。CUPLESも使えますよ。
田崎:STANではオリジナルブレンドを使用していますよね。どんな想いでオーダーをしたんですか。
石渡:グアテマラとエチオピアナチュラルのブレンドにしてもらいました。ナチュラルプロセスのコーヒーを少しだけ入れるのが好きで、お菓子とのマッチも考えて色々な配合を試して今のブレンドに行き着きました。
田崎:ここでしか飲めないブレンド、是非お菓子と楽しんでもらいたいですね。
試行錯誤を重ねた数々のお菓子たち
田崎:これからやってみたいことはありますか。
石渡:これからはお菓子の卸もやってみたいと思ってる。自分のお菓子を外に出してみたい気持ちが大きくて。
田崎:色々なところでやえさんのお菓子が食べられるのはとても楽しみですね。
最後に
店内ではコーヒーとお菓子のいい匂いに満たされて、近所に住む方々を中心に、わざわざコーヒーとお菓子を楽しみにくる常連さんもたくさん。元気で明るいやえさんの人柄もあって、ALCBの常連さんもちらほらいらっしゃいました。駅から離れているからこその穏やかな時間は特別かもしれません。近くには砧公園もあって、お菓子をテイクアウトして公園で楽しむのも◎。まだ行ったことない方は是非一度行ってみてはいかがでしょうか。今日もコーヒーを楽しんでいきましょう!
Text by Masashi Tasaki