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初公開!お客様がみえないONIBUSカウンター越しの攻防〜バリスタ×ドリップ×レジ、3人が奏でるコーヒーの味〜

初公開!お客様がみえないONIBUSカウンター越しの攻防〜

ONIBUS COFFEEでのドリンク提供スピードを意識してご覧になったことはありますか?

私たちオニバスコーヒーでは「クオリティ」という言葉の定義を、コーヒーの品質や味だけでなく「提供スピード」も含めています。

・レジの人はどういう順番でバリスタへオーダーを伝えるのが簡潔で漏れがないか?

・各ポジションのスタッフ全員が、いかに無駄な動きを減らし最速で皆様へコーヒーをお届けできるか。

我々はここを何度も議論して「店舗オペレーション」を設計しています。「簡潔でスマートかつフレンドリーなコミュニケーションと、クオリティの高い最高の一杯をお届けしたい」これこそが、オニバスコーヒーが大切にしている想いなのです。

今回は、オニバスコーヒー全店舗ひとりひとりが徹底している「店舗オぺレーション」の秘密を、著者が在中している中目黒店を例に、徹底解説します!

<ONIBUS流オペレーション徹底解説!>

ONIBUS流オペレーション徹底解説!

 大切なのは、各ポジションごとの動き。中目黒店では、①レジポジション②ドリップポジション③バリスタポジション、と基本は3人のオペレーションでまわしています。

①レジポジション

お客様のオーダーを聞き、それを正確にバリスタへ通す役目。ただオーダーを通せばいいというだけではなく、様々なオーダーが重なる中でそのドリンクが確実に作られているかをきちんと確認し、お客様へ提供されるまでのスピードをコントロールしなければなりません。

実は、全ポジションの中で一番難しく、オペレーションがスムーズにまわるかどうかの要と言っても過言ではありません。簡潔に分かりやすく必要な情報を全て伝える、その通し方が肝。

我々が考える、スマートなオーダーの通し方の基本構造はこのようになります。

オニバスコーヒー オペレーション基本構造

まずお客様から注文をいただいたら、最初にカップ(店内用かテイクアウト用)と、サイズを他のポジションのメンバーへ伝えます。この時点で他ポジションのメンバーは適切な容器を用意します。

その後、エスプレッソ系であればそのエスプレッソが”シングルショット”か”ダブルショット”かを伝え、ドリップであればオリジン(豆の種類)を伝え、他のポジションのメンバーは必要な準備に取り掛かります。

次に、ホットかアイスか、ビバレッジ名、という順番で伝えることで、レジポジションは既にドリンク作成に取り掛かっている様子を確認すると共に、そのお客様のオーダーと合っているかダブルチェックを行っています。氷少なめ・シロップ入り・ラテ熱め、などのお客様のその他要望も漏れなく。

細分化して簡潔にオーダーを他ポジションへ伝えることで、スピード感をもってお客様にドリンクを提供することが可能になります。しかし、さらにもうワンテンポ迅速にオペレーションをまわす為に、お客様との注文のやり取りをバリスタが聞こえるように、敢えてオーダーを「復唱」しています。オーダーを通す際に飲食店でよく行われているのは、レシートを印刷して並べたり、メモや伝票に書き留めたり。我々はそのようなことはせず、少しでも早く、全情報をバリスタへ口頭で流すことで、素早くお客様の商品が提供できる体制を構築しています。

②ドリップポジション

ドリップコーヒーのクオリティを管轄し、かつレジとバリスタの掛橋となる役目。

ハンドドリップのオーダーが入った際にドリンクを作りながら、あるいは目の前で出来上がりを待たれるお客さまと会話をしながら、レジとお客様のやりとりに耳を向け続けています。それを確実に聞き分け、どんな作業から取り掛かるのがベストであるかを理解していることが重要になってきます。

また、出来上がったドリンクを提供するのもこのポジションの役目。どのお客様へどのドリンクが渡るべきかをしっかりと認識しており、お声かけをします。

このように一度に多くのことを平行して行う必要があるので、四方八方に意識を向けることや洞察力が試されるポジションと言っても過言ではありません。

このポジションの人は上記の任務に加え、バリスタが動きやすいようにしっかりと動線を捉え、常に細やかな補佐をしていくことも必要になっていきます。

③バリスタポジション

エスプレッソ系ドリンクのクオリティとスピード感を保ちドリンクを作り続け、味にフォーカスする役目。お客様へ美味しいドリンクを淹れ続けることが何よりもの任務です。

エスプレッソは気温や湿度、焙煎日の変わるタイミングなどによって1日を通して必ずと言っていいほど、味わいが変化します。その変化をしっかりと踏まえ論理的に、かつ自分の味覚や視覚を頼りに調整をし、クオリティを維持し続けなければなりません。

調整のタイミングで味が決まらずドリンクの作成と提供までに時間が掛かってしまうと、出来上がりを待つお客様が増えてしまい、一旦オーダーを止めなければならない事態になり兼ねません。バリスタがいいスピード感でクオリティを保ち続けるからこそ、レジの人がスピード感をもってオーダーをコントロールしていけるのです。

”オニバスコーヒーの味”を司るポジションとなるので、まずはエスプレッソマシンとコーヒーに真正面から向き合う集中力を要します。それでも、コーヒーばかりに集中してしまうと周りが見えなくなってしまうので、もちろんバリスタも他ポジション同様、常に顔をあげ周りに意識を向けることや細やかな気づきが必要なのです。

<ONIBUSオペレーションで大切にしていること>

ONIBUSオペレーションで大切にしていること

Photo by Rod Long on Unsplash

オニバスコーヒーでは効率化されたオペレーション体制の構築に注力していますが、何も体制だけ整っていれば良いというものではありません。オニバスで働くスタッフひとりひとりの意識として以下の4つをとても大切にしています。

・判断スピード

ここまで動きの効率化の話になっていましたが、効率化を求めオーダーをどんどん流しっぱなしにしたり、エスプレッソのコンディションを気にもせず淹れ続けたりしては元も子もありません。

オーダーが混乱してしまった場合は一度止まり確認し直したり、妥協したコーヒーを提供するのではなく、提供レベルに達していないコーヒーであればすぐさま作り直す「判断力」が、冒頭でもお伝えした”スピードと味”の両面のクオリティを保つのに必須だと考えています。

・周囲への意識

各ポジションの任務を遂行しつつ実際にはプラスαの業務もあるので、それぞれが自分の作業のみに集中してしまうのではなく、臨機応変に先読みをしながら動けるよう周囲への意識を向けることが大切になっていきます。

その日の業務で全員が意識すべき事、何を見て何を考えなければならないのか。その認識が共有できていれば、いざという時に補助し合うことができたり、オペレーションに余裕がうまれてきます。

・集中力

なぜ、わたしたちはそこまで徹底して考えるのか。

実は、オニバスコーヒーが究極に目指したいオペレーションは、「何もしゃべらないこと」。徹底したオーダー、各ポジションの業務分担ようなものは必要ない、という境地なのです。

え、今までの話は何だったの…??と思うかもしれませんが、誤解しないでください。要は、何も言わなくても、”阿吽の呼吸”でスマートなオペレーションができるということを目指しています。そのためには、今までお話してきた各ポジションが押さえるべき要素と、それぞれの臨機応変な判断力と意識、そして「高い集中力」が必要不可欠と考えています。

・コミュニケーション

私たちは お客様とのコミュニケーションもとても重要視しています。

オニバスコーヒーのメニューは敢えてシンプルに作っています。というのも、敢えてシンプルにすることで口頭説明やお客様からの質問などによるコミュニケーションを広げる、という意図が含まれています。初来店の方々へは分かりやすい説明や提案によって、コーヒーの話だけでなく何気ない日常会話が生まれる可能性もあります。常連さんの場合でも、心地よい距離感が自然と生まれてきます。

スタッフの誰かしらが、暇さえあればオペレーションから外れ積極的に外へ立て、お客様とおしゃべりをしているのもオニバスでは見慣れた光景です。

いつも同じものをオーダーしてくれたり、毎日のように通ってくれる常連さんもありがたいことにたくさんいらっしゃいます。そんな時は、ご来店し顔が見えた瞬間にドリンクを作り始め、会計終了後にそのままお渡しできる状態だったり、「今日も○○ですか?」と食い気味な提案をしたり。それこそ顔パス的な。

このようなお客様とのコミュニケーションをオニバスコーヒーではとても大切にしています。

<さいごに>

「バリスタ」は、日々ストイックに美味しいコーヒーに向き合うことはもちろん、スマートでかっこ良く、サービス精神に溢れ、親しを感じてもらえるような職業であるべきだと考えています。コーヒーに対してストイック過ぎてコミュニケーションを怠ることも、お客様との会話が弾み過ぎて、本来の仕事であるコーヒーのクオリティに向き合うということが怠ることもあってはならないのです。

オニバスコーヒーでは、味に妥協することなくクオリティの高い最高のコーヒーを日々追求し続けつつも、サービスマンとしての自覚をもち、畏まりすぎず節度をもったコミュニケーションとホスピタリティを大切にしています。それこそが私たちが貫くべき究極のオペレーションだと思っています。

皆さんに心地よくコーヒーを飲んで頂けるような場所を創り、コーヒーがあることの幸せを感じてもらうのが私たちバリスタの役目。どんな時でも、皆さんの日常に欠かせない存在でいられることを私たちは願っています!!


執筆者:山田舞依