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コーヒーの味を知る「カッピング」とは?〜品質管理に欠かせない評価方法〜

コーヒーの味を知る「カッピング」とは?〜品質管理に欠かせない評価方法〜KV

コーヒーに触れていると「カッピング」という言葉をよく耳にすると思います。これは、ワインでいう「テイスティング」のようなもの。テイスティングとは味を鑑定することを意味しますが、この「カッピング」はコーヒーにおいて品質管理の為に欠かすことはできません。


「そもそもカッピングって何?」
「どうやってやるの?」
「そんなに重要?」
と思ってるあなた。コーヒーが好きならまずは、カッピングを知ることから始めてみましょう!
今回は、コーヒーに触れるからには避けては通れない、カッピングについての解説です。

そもそも「カッピング」とは?

そもそも「カッピング」とは?

カッピングは、コーヒー版のテイスティングです。カッピングをすることで、テロワール(国・産地・農園・品種)に由来するコーヒー豆の特徴を知り、豆の持つ香りや味を評価します。

方法としては、コーヒー豆を全て同一条件下(容器、粉量、湯温、湯量、浸漬時間)において味を判断するのですが、この手法自体は実は全世界共通となっています。

ただ、

・コーヒー豆を買い付ける際に生産地で行うカッピング
・ロースターが焙煎所で行うカッピング
・バリスタがお店で行うカッピング

の3つの場面ではそれぞれ目的が異なります。

コーヒー豆を買い付ける際に生産地で行うカッピング

その年に収穫したコーヒー豆をサンプルロースト*し、カッピングによって生豆の品質の評価をします。生産状況や管理状況を含め、最終的にはその豆を購入するかどうかを判断する為に行います。

*サンプルロースト・・・実際の焙煎機ではなく小型のサンプルロースターを使い焙煎をすること

ロースターが焙煎所で行うカッピング

ロースターは、焙煎によるコーヒーの味への影響を判断する手段としてカッピングを行います。

コーヒーは農作物ですので、適切な保管をしていても時間が経つと味わいが変化していきます。また、季節によって湿度や温度でも焙煎への影響が変化するので、その時々のローストアプローチが適正かどうかを判断する為に、カッピング行います。

バリスタがお店で行うカッピング 

ロースターから豆が届いたら、お客様へコーヒーを提供する前にまずカッピングをします。そうすることでバリスタ自身がコーヒー豆のテロワールへの理解を深めたり、日々変化するコーヒー豆の状態を確認します。

エイジング*をどのくらいとる必要があるか、抽出で挽き目を変える必要があるかなど、コーヒーが提供に適切な状態であるかを判断します。

*エイジング・・・焙煎日から日数が経過すること

このように、コーヒー生産国・ロースター・コーヒーショップやカフェなど、どの場所においてもカッピングは欠かせないもの。ベストな状態のコーヒーをお客様に楽しんでもらいたと思っているからこそ、全ての段階においてカッピングは重要なのです。


カッピングの方法

カッピングの方法

では、実際にオニバスコーヒーではどのような工程でカッピングを行うのかをご紹介します。

【必要な道具】

以下、カッピングを行うために必要な道具です。

・コーヒー豆
・熱湯
・カッピングボウルor耐熱グラス
・カッピングスプーン
・スケール
・タイマー
・ペーパーナプキン(スプーンの水滴を取る用)
・白湯(スプーンを洗う用)
・吐き出し用カップ


【カッピングの工程】

1.コーヒー豆を12g計り、中細挽きで挽きます。

カッピングの工程


最初に挽いた粉の状態を「ドライ」と呼びます。このドライの時点で、カップを手に取り軽く揺すったりして鼻に近づけ、まずは挽き立ての粉の香りをチェック。

2.タイマースタートと同時に、挽いた豆に一定量お湯を注ぎます。

オニバスコーヒーでは、粉12gに対して200gのお湯。カップの大きさによって入る量は違うので、「粉:お湯=1:16.6(g)」の比率で調整しています。

カッピングの工程 クラスト


この時の状態を「クラスト」と呼びます。カップは動かさず、香りを嗅ぐ際は置いてあるカップに鼻を近づけて。

3.お湯を注いでから4分経過後、表面を覆うコーヒーの粉をスプーンで壊し攪拌します。

カッピングの工程 ブレイク


この工程を「ブレイク」と呼びます。必ず、お湯を注いだ順番にブレイクします。カップに鼻を近づけながらブレイクを行うことで、粉に覆われていた液体の香りが一気に広がります。

ブレイクした後は、表面に残っているコーヒーの粉やあくをスプーンで綺麗にすくい取ります。

4.ブレイクまで終えたら、カッピングができる状態となります。

しかし、液体はかなり熱いので十分に注意しながら。

カッピングが可能な状態


実際のカッピングの仕方は、専用の”カッピングスプーン”を使ってコーヒーを一定量すくい、液体を口の中に含みます。数カップある時はできる限り全て同じ量、同じ吸い方で。単一のコーヒーでも液体の含み方によっては感じ取れる香りや味わいが異なるので、吸い方を同じにすることでより公平に味を判断することができます。


【カッピングの留意点】

カッピングにはいくつかの留意点があります。

・次のカップに移る際には、スプーンを一度リンス用の白湯に浸け、ペーパーナプキンで軽く水滴を落としてからにしましょう。そうしないとカップ内でコーヒーが混ざってしまう可能性がありますし、カッピングは数人でシェアしながら行うことがほとんどなので、衛生面からみてもこの一手間は必須です。

・コーヒーをテイスティングしたら、できるだけ吐き捨て用カップに吐き出しましょう。たったスプーン1杯のコーヒーでも、繰り返し行うと満腹になってしまいます。

上記2点は、カッピングを行う上での作法です。注意する理由としては、コーヒーが混ざってしまったり、全てを飲んで満腹になってしまうと、正確に味を評価・判断できなくなってしまう可能性があるからです。

また可能な方は、吸う時に”ピュッ”と音がなるように液体を勢いよく吸い込むようにしてみましょう。液体を口の中で霧状にすることで、舌だけで感じる味のみではなく鼻から抜けるフレーバーやアロマも捉えることができます。ただ、この”吸い方”ばかりに気に取られていては、本来の目的である”味を判断すること”に注力できなくなってしまうので、難しければ気にせずススっと吸ってくださいね。


なぜこの方法で「評価」を行うのか?

ではなぜ、豆の評価方法がこのようなかたちなのでしょうか。

普通にハンドドリップで淹れる方が味わいは分かりやすいのでは?と思うかもしれません。

味を公平に判断するためには、そもそもハンドドリップなどで淹れ手の技術よるカップの個体差が出てしまうと、コーヒー本来の風味特性を捉えることが難しくなります。そのような淹れ手による抽出不良を防ぐことが可能になり、同一条件下で行うカッピングは、極力「人」に依存せず公平に味を評価・判断できる方法と言えます。

また、一度に多数のコーヒーの品質を客観的に評価することができるのも、この手法を用いている重要な点です。

パブリックカッピングに参加してみよう! 

パブリックカッピング

カッピングは、慣れてしまえばやり方は簡単ですが、いざ自分で実践してみたいと思っても、自宅で行うのには道具や豆の種類を集めるのって正直、結構大変です、、、。数が多いほど準備にも時間がかかってしまいます。

そんな時、ぜひ参加してみてほしいのが、カッピングの”ワークショップ”や”パブリックカッピング”。

様々なロースターさんやコーヒーショップで開催されていたりします。(現状、コロナの影響で一時的に行っていない場合もありますが)

そのようなセミナーに参加してみるのはとってもオススメです!実際に行ってみると、道具はきちんと揃えられていますし、一度に多種類のコーヒーをテイスティングできます。手ぶらで行けるのも利点。豆を用意した開催者から産地や豆の特徴の情報などが詳しく聞けたり、好みの国やテイストを見つけられるかもしれません。


さいごに

「カッピング」について、少しでも理解を深めることができましたでしょうか?

私自身、バリスタとしてお店に立ちながら日々カッピングを行っていますが、同じ珈コーヒーでも焙煎日やエイジングによる味の違いや変化に気づくことができたり、実際の抽出のヒントを得られることもしばしばあります。

また、オニバスコーヒーのロースターチームは毎週1回、「QC」(クオリティコントロール)として、それまで1週間に焙煎した全ての豆のカッピングを行っています。次回は、このQCに関しても詳しく解説しますね!

通な方はマイカッピングスプーンを持ってみては。一口にカッピングスプーンといっても、持ち手やスプーンの深さや幅など様々な形があります。オニバスコーヒーのオンラインショップでも、実はオニバスロゴ入りのカッピングスプーンを販売しているので、ぜひ覗いてみてください。



秋はコーヒーが美味しい季節。自分好みのコーヒーを見つけるためにも、ぜひカッピングに挑戦してみてくださいね!


執筆者:小倉未紀