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スペシャルティコーヒーの祭典でコーヒーの世界を体感! 〜新人スタッフが行く、はじめての”SCAJ”〜


スペシャルティコーヒーの祭典でコーヒーの世界を体感! 〜新人スタッフが行く、はじめての”SCAJ”〜
スペシャルティコーヒー業界関係者が世界中から集結する、年に一度のビッグイベント「SCAJ」。今年は9月27〜31日の4日間、東京ビッグサイトにて開催されました。業界関係者だけでなく、多くの”コーヒーラバー”たちが毎年楽しみにしているコーヒーの祭典です。
今回ブログを担当する、わたくし野口は、半年前に建築業界から転職しコーヒーの世界へと足を踏み入れたばかりの新人です。今年、先輩スタッフの山田に同行し、はじめてSCAJに参加しました。まだまだ勉強中の身ではありますが、新人スタッフならではの視点から、熱気に溢れる会場の様子や出展者として参加していたONIBUS COFFEEスタッフへのインタビューなど、思いのままに綴っていきたいと思います。このブログを通して『SCAJ 2023』の雰囲気を感じ取っていただけたらうれしいです!

SCAJとは


SCAJとは
ご存知の方も多いかもしれませんが、一度おさらい。SCAJとは「日本スペシャルティ協会=Speciality Coffee Association Japan」の略です。日本におけるスペシャルティコーヒーの啓蒙、発展、普及を目的に2003年から活動し、この祭典もその一環として開催されています。
イベントの正式名称は「SCAJ ワールド スペシャルティコーヒー カンファレンス アンド エキシビション」です。”カンファレンス”というほどなのでBtoBの生豆販売や最新機種、抽出器具、コーヒー関連の資材、シロップ、チョコレート、紅茶…などを扱う企業が出展していて、その数は、毎年300社近くにも及びます。まさに、「コーヒーにまつわるすべてのものが揃っている」という表現がぴったり。企業だけでなく、全国から小規模のロースターやカフェも集います。各ブースに国内外のゲストバリスタが登壇し、目の前で美味しいコーヒーを淹れてくれるのも魅力の一つでしょう。他にも、カップテイスターズやサイフォニスト、ローストマスターズなどの競技会が行われます。
各々の企業情報や開催の目的などは、公式HPに詳しく記載されているのでここでは割愛しますね。

盛り上がるブースの数々

盛り上がるブースの数々
私たちが訪れたのは二日目の28日11時頃。10時の開場から1時間しか経っていないにも関わらず、駅から会場までもすでに多くの人で溢れかえっており、会場に近づくにつれてコーヒーの香りが漂い始めました。この時点でとっても期待が高まります。
受付でチケットを読み取り、どきどきしながら会場に足を踏み入れると…。
目に飛び込んできたのは、高々と掲げられたありとあらゆる企業のサイン、メカメカしいコーヒー器具に、数々のスポットライトに照らされたバリスタたち。どこを見ても個性あふれるブースばかりです!スケールの大きさに驚いたのはもちろん、会場内の人の熱気も相まってさらに心が躍りました。
来場者は男女比率半々で、一般消費者も多い印象でした。”コーヒーラバーの集まり”という一体感のある幸せな空間です!とにかく出展数が多く何から見れば良いのか迷ってしまうため、場内を効率よく回るためには、事前にある程度の狙いを定めておく必要があります。想像以上の盛り上がりに圧倒されつつ、まずは会場をぐるりと一周回ってみたのでした。

高品質で多種多様な生豆がずらり


高品質で多種多様な生豆がずらり
一般消費者はあまり見ることのない生豆。卸売業者や商社が集う見本市ならではのラインナップです。世界中のコーヒーが一度に集結し、飲み比べもできます。

最新機種の実演


最新機種の実演
エスプレッソマシンやグラインダーは実際に触って試すこともできます。
基本機能は大きく変わりませんが、液晶の表示方法や形状デザイン、設計のマイナーチェンジなどで売りポイントや個性が異なるようです。バリスタとしてエスプレッソマシーンを扱えるようになると、自分のこだわりのもと、機能や細部への違いを発見できるのでしょう…!

お目当ての一つ、ジャパンバリスタチャンピオンシップ(JBC)


お目当ての一つ、ジャパンバリスタチャンピオンシップ(JBC)
人だかりの先には、日本一の称号をかけたバリスタたちの熱戦が繰り広げられていました。オリジナリティあふれるプレゼンテーションで、会場の人々は釘付けに。優勝者には世界大会への切符が与えられるのですから、見ている側にも緊張が伝わってきます。
コーヒーの美味しさや素材の追求はもちろん、ドリンクを提供するまでに、どんな会話で、どんな所作で飲む人を魅了させるか、日々の研究の積み重ねと発揮されるスキルに、皆さんの情熱を感じました。
他にも、ONIBUS COFFEEで長く取引のある資材メーカーやパッケージ制作会社、ミルク飲料会社も出展されていたので、ブースめがけてご挨拶もしっかり。

あらためて、ー杯のコーヒーを口にするまでに、生産国での栽培、流通、品質管理、焙煎、抽出、包装……さまざまな工程で多様な人や技術の力を借りているのだと実感しました。コーヒーだけでなくすべてのものに言えますが、自分が手に取るモノのひとつひとつにストーリーがあり、こうして知る機会が設けられていることの重要性も同時に感じます。

すてきなマイカップ


すてきなマイカップ
会場を巡っていると、ほとんどのブースで試飲ができるので、多くのコーヒーに出会います。
今回同行していたスタッフの山田は、小さなマイカップを持参し、配布の紙カップを使用しない工夫をしていました。二本指でちょこんと持てる可愛らしいサイズ感、実は木で作られたお猪口なのだそう!
SCAJは4日間で数万人もの人が集まるイベントです。期間中に使用・廃棄される紙カップが、とんでもない量になることは容易に想像できます。そんな様子から、ONIBUS COFFEEのサステナビリティ担当でもある山田は、「こういう場所こそリユーザブルカップを導入すべき!」とも話していました。ひとり1つ、入場の際に配布され、各ブースでささっと水洗いしながら使い回す…なんてことが可能になればごみは最大限に減らせるはず。SCAJオリジナルデザインが入っていればお土産としても喜ばれそうですよね。とっても欲しい!
私も来年は絶対にマイカップを持参すると心に決め、今回はせめてもの気持ちで、なるべく1つの紙コップを使い回し消費回数を減らすことにしました。
それでもコーヒーの美味しさは変わりません!

マルゾッコブースで、ONIBS COFFEEゲストバリスタ


マルゾッコブースで、ONIBS COFFEEゲストバリスタ

マルゾッコブースで、ONIBS COFFEEゲストバリスタ
次なるお目当ては、コーヒー関連機器の製造・販売会社「ラッキーコーヒーマシン」さんのブース。毎年恒例、ラ・マルゾッコのエスプレッソマシンを使ったゲストバリスタによるエスプレッソドリンクの提供がおこなわれ、ONIBUS COFFEEも代表 坂尾篤史とロースター兼バリスタスタッフの蜂須賀がコーヒーをサーブしました!
ONIBUS COFFEEの担当する時間になると、ONIBUS COFFEEを目指して来てくださった方が大勢...!私たちと一緒に来ていたスタッフの高山も急遽受付として参加し、1杯1杯ていねいにお客さまのもとへコーヒーを手渡ししました。
ステージ上で笑顔で、時には真剣に、マシンを捌いてミルクを注ぎ、スマートにコーヒーを提供するふたりと、「美味しい!」と笑顔で飲んでくれる来場者の皆さん。そんな様子を近くで見ていて、ONIBUSのスタッフとしてとても誇らしい気持ちになると同時に、私もいつかこんな風に美味しいコーヒーを提供したいという夢が膨らむひとときでした。

グアテマラブースにもONIBUSスタッフの姿!


グアテマラブースにもONIBUSスタッフの姿!
グアテマラ全国コーヒー協会 ”Anacafe” による「GUATEMALAN」ブースでは、ONIBUS COFFEE那須店マネージャーの桑原が臨時スタッフとしてサポートにあたりました。桑原は、英語とスペイン語が話せるということでオファーが来たのでした。カウンターには沢山のポットが並び、どのグアテマラコーヒーも試飲可能。テキパキと来場者へコーヒーの説明をする姿と、笑顔が素敵です!


・・・
せっかくなので後日、蜂須賀と桑原へ出展側としてSCAJへ参加した感想も聞いてみました。


①SCAJ、お疲れさまでした!まずはひとこと感想をください!

(蜂須賀)あらためて、普段来てくださるお客さまだけでなくSCAJでしか会えない方とも直接お会いできて「わざわざ足を運んでくれる人がいるんだ」って嬉しい気持ちになりました。

(野口)ONIBUSの豆を取り扱っているお店の方も遠方からいらしていましたよね。普段やり取りはしていても、たしかに、直接はなかなか会えない…。

(桑原)とても疲れました…!スペイン語、英語、日本語の3カ国語をフレキシブルに使い分ける必要があって、頭の回転が大変なことに…。
と同時に、コミュ二ケーションのブラッシュアップも必要だと感じました!

(野口)スペイン語を操れると生産者との距離も縮まりますね。オススメしてもらったコーヒー、とても美味しかったと山田さんとも話していました!


②参加したことで、コーヒーへのモチベーションは変わりましたか?今後のバリスタ、コーヒー供給者としての目標に繋がった、など…

(蜂須賀)普段お会いできないようなバリスタ、エクスポーター、生産者の皆さんと接して、改めてスペシャルティコーヒーの「From Seed to Cup」を実感し、気が引き締まる思いでした。

(桑原)バリスタにもコーヒーのクオリティを語れる人が少なかったり、全員がきちんとカップを取れるわけではない現状。SCAJのような祭典を通しても、普段でも、きちんと生産国の味を提供し伝えていく責任を感じました。


③では、祭典の目的「スペシャルティコーヒーの啓蒙・普及」の成果は感じられましたか?

(蜂須賀)実感した部分もあるけど…。有名どころのバリスタ目掛けて来場する若い方が多い印象だけど、他にも開拓できたらより良いと思うし、スペシャルティコーヒーを牽引してきた上の世代と下の世代が活発に繋がってコーヒー業界がもっと大きくなったらいいなとも思います!

(桑原)世界観のPRという面では良かったと思います。でも、生産者にとっては言語の壁が大きくて実際のビジネスには繋がらないなとも…。営業意欲の高い方はいたけど、まったくの一般消費者へ生豆を売ろうとしてしまっている場面があって需要と供給のズレを感じました。リテール袋やサンプルとか配れたらもっと色んな人の目に止まったかも。

(野口)どこをみてもコーヒー関係者や有名なバリスタ、チャンピオンがいる貴重な空間。ハードルは少し高いかもしれないですが、雰囲気を楽しむだけでなく自分から情報をキャッチしにいったり交流することが大事ですよね。でも、生産者の方々は意外とブースにいないな…と思いました。

(桑原)みんな結構、場内うろうろしてたかな。お昼ご飯買いに行ってたり(笑)


④祭典やご自身に対してでも、来年に期待するところや今回もどかしく感じた点はありましたか?

(蜂須賀)すでに関わりはあったけどコンタクトする機会がない、というところへ積極的に足を運びましたが、もっと知らないものを発掘してONIBUSとの繋がりをもたせられたら良かったです…!

(桑原)さっきの話にも繋がるけど、PRに振り切るのかビジネスに繋げるのか…もっと戦略を考えられたら良かったです。ブースに書いてあるのに、どこのコーヒーですか?って聞いてくる方も居て、伝えきれていない歯痒さがありました。生産のストーリーをもっと広めたい、そしてそれがコーヒー業界にいる私たちの役目だと思うから、もっと積極的に話せたら良かったな。
個人的にグアテマラの生産者と繋がれたのはひとつ収穫です!ONIBUSではしばらく訪問できていないので、現地の写真を送ってもらったりコミュニケーションは続けていきたいです。

(野口)グアテマラの写真、ぜひ見たいです!
一般来場者が年々増えているみたいですね。BtoBの祭典とはいっても「スペシャルティコーヒーってなんだろう?」という消費者へ向けた展示があったり。出展側は、ターゲットと伝えたいメッセージをより明確にして、きちんと表現することが必要ですね。もちろん受け取る側も、課題や情報を持ち帰るという意識をもつこと…!

さいごに

さいごに
はじめてのSCAJは、あらためて”繋がり”について考えさせられる一日となりました。
同行した先輩スタッフの山田は、行く先々で知り合いの方と挨拶していました。数年ぶりの再会も多く、まるで同窓会のよう!日本のみならず、各国から集まった人がそれぞれの商品やスキル、情報を持ち寄りお互いをリスペクトし合う姿に感銘を受け、コーヒーを通して世界と繋がっていることを肌で感じた瞬間でした。もし単独で行っていたら、ここまで強く感じることはなかったと思います。そして一度に介する機会だからこそ、蜂須賀や桑原の言うように新しく関係を構築することも可能です。

「From Seed to Cup」ー。
どの工程も欠けることなく、関わるすべての人の情熱で1杯のすばらしいコーヒーが飲める。ONIBUS COFFEEに所属してから、そのストーリーを知り、違いを学び、味わう楽しさをも知りました。ただコーヒーが好きで何気なく飲んでいた以前とは、見えている世界がまったく違います。
これからもアンテナを張り続け、今とは異なる視点をもって参加できる来年を思うと、もうすでに『SCAJ 2024』が楽しみです!

 

Text and photo by Marina Noguchi