2021.6. 8
  • サステナビリティ

コーヒーショップとしてのエシカルな取り組み ~ オニバスコーヒー × サスティナビリティ ~

コーヒーショップとしてのエシカルな取り組み ~ オニバスコーヒー × サスティナビリティ ~ーKV

 コーヒーショップとしてのエシカルな取組 - KV

オニバスコーヒーではなるべくプラスチックを使わないことを決めました。

海洋マイクロプラスチックのことや資源の枯渇などここ数年で顕著になってきた国際的な問題に企業、コーヒーショップの責任として取り組みたかったからです。

プラスチックは耐久性や加工のしやすさ、経済面でも優れているためコーヒーショップでは当然のように必要な素材でした。しかしながらプラスチックを使用したテイクアウトのカップ・リッド・ストロー・コーヒー豆の袋などは基本的には使い捨てにされるもので、いってしまえば捨てられるために作られたようなものでした。しかも石油という有限な資源を使って。

石油由来のプラスチックの製造や処理には温室効果ガスの排出がともない、気候変動に大きな影響をもたらしています。打ち捨てられたプラスチックゴミからは劣化していく過程でメタンガスが発生することも研究によって判明しました。また、最近話題になっている海洋プラスチック問題。「World Wide Fund for Nature(世界自然保護基金)」の調査によると、海に漂流するプラスチックごみは合計で1億5000万トンといわれており、対策を行わずにこのままゴミが増え続けると、2050年には海中プラスチックの重量が海に生息する魚の重量を超えるとも言われています。

実は、日本はプラスチックの生産量が世界第3位、1人当たりの容器ほ包装プラスチックごみの発生量は、世界第2位であることをご存知ですか?

そう、私たちはこの問題に対して、国際的な責任を持たなければならない立場にあるのです。

エシカルな取り組み ~ 私たちの想い ~

美味しい1杯のコーヒーができるまでの道を遡ってたどり着くのは、日本から遠く離れた中南米やアフリカの国々。オニバスコーヒーでもできる限り農園を訪問し、たくさんの生産者に直接お会いしてきました。

農作物であるコーヒーは、環境の変化を受けやすい飲み物でもあります。コーヒーを消費することが、間接的にコーヒー生産に悪影響を与えてはいけないとコーヒーショップで働く私は感じています。コーヒー豆の品質や、安全性・適切性を追跡するトレーサビリティにはこだわるのに、それを飲むための容器はなんでもいいの?というシンプルな問いもありました。

かといってコーヒーは今や人々の暮らしに欠かせない飲み物だし、気軽に誰でも美味しいコーヒーを楽しめるのがオニバスコーヒーのいいところ。「わたしたちが使うなら、お客さまに使ってもらうなら、せめて環境負荷の少ないものを!」ということでオニバスコーヒーはプラスチック素材の製品を別の素材に切り替えることにしました。

オニバスコーヒーの脱プラスチック活動

1.ストロー

カフェで使われているプラスチックを想像した時に、一番に思いつくのが「ストロー」ではないでしょうか?数年前から国内外の大手コーヒーショップではプラスチックストローが廃止され、紙製への切り替えも大きな話題となりました。ストローのいらないリッド(蓋)の開発なども盛んに行われています。

オニバスコーヒーの脱プラスチック活動ーストローについて

オニバスコーヒーで使っているのは素朴な色合いの台湾製サトウキビストロー。台湾ではサトウキビから砂糖を精製した後に残る絞りカスは、産業廃棄物として捨てられていました。それをゴミではなく副資材バガスとしてアップサイクル(廃棄されるものや不要になったものを使用し、別のより良い価値のものに作り上げること)したのがこのストローです。天然成分100%の*生分解性の素材を使っていますが、耐久性もバッチリでにおいもないので味への影響もありません。

*生分解性・・・土中などの微生物のはたらきによって無機物(水と二酸化炭素)に分解されること

4natureという日本の企業が2018年から販売をスタート。プラスチック問題に取り組む製品は共感を呼び、賛同した多くのカフェやレストランがこのストローを使っています。同社では使い終わったストローを回収し堆肥化する取り組みまでを行なっています。資材の調達から使用そして循環までの仕組みを作っているのは素晴らしいですね。

オニバスコーヒーの脱プラスチック活動ーステンレスストロー

ステンレスストローはカリウッズというニュージーランドのサーファーの女性がはじめたブランドの製品です。世界中で海洋生物を脅かしている海洋プラスチック問題を目の当たりにしたことがきっかけで開発されたストローです。熱伝導の良いステンレス製で、これで飲むアイスドリンクはより冷たく感じられより一層美味しく感じられます。繰り返し使うためのストローで、この商品をきっかけにマイストローを持つ人も増えました。

2.リッド(蓋)

オニバスコーヒーの脱プラスチック活動‐リッド

テイクアウトやフードデリバリー用の容器にもよく使われるようになった生分解性のユーカリパルプを主原料として作られています。繊維をぎゅっと固めたモールド成型のため、水分で形が変化するようなことはありません。

ちなみに、飲む時はリッドは外した方が断然美味しいです。カフェラテはなめらかなフォームドミルクの口当たり、ブラックコーヒーはふわっと上る香りもお楽しみいただけるので。リッドは持ち運びや保温のために付けてください。

※現在アイスドリンクのリッドはプラスチック製を使用しています。

3.コーヒー豆リテイルバッグ

オニバスコーヒーの脱プラスチック活動ーリテイルバッグ

海外のコーヒーショップでは少しずつ見かけるようになった生分解性のコーヒー豆袋ですが、日本では残念ながら扱っているメーカーが見つからなかったので、オーダーメイドで作成しました!

主原料にクラフトペーパーとPLAという植物由来で生分解性のプラスチックを使用。普通に使う分には強度も十分ですが、使用後はコンポストや土中などの水分や温度など条件が良いところでは、加水分解や微生物による分解がなされ最終的にはCO2と水にまで分解されます。製造時に排出されるCO2は従来のものより少ないといわれていて、燃えるゴミとして燃焼したときのCO2排出量は石油系の½~⅓程度との調べもあります。

4.紙袋

ビニール袋は年間10万匹以上の海洋動物の死因にビニール袋が関係していると言われており、最も物議を醸しているプラスチック汚染の1つです。

オニバスコーヒーではもともとプラスチックの袋は使っていませんでしたが、紙袋も2020年7月より有料としました。袋代としていただいたお金はmore treesという森林保全の団体への協賛を行っています。袋を持ってこなかったことへのペナルティのようなイメージもある有料化施策ですが、オニバスコーヒーでは「森のために役立つお金」として使わせていただいています。

今ではほとんどのスーパーや小売店で袋が有料となったこともあり、マイバッグを持参される方や、ちょっとの距離ならとお手持ちになる方も増えています。

企業としてのオニバスコーヒー、これからの挑戦

プラスチックから100%脱却するには正直課題もまだまだあります。現にアイスドリンクのテイクアウトやお菓子の包装などの多くは未だにプラスチックに依存していますし、植物由来のプラスチックも万能とは言えないようです。ですが、まずは今より良いものをひとつずつ選んでいく取り組みを推進していきます。その一貫の1つとして、2020年から「サスティナビリティ担当」を設けました。オニバスコーヒーが1つの企業として、社会・環境のために何ができるかを考え、できれば循環につながるような仕組みも作っていきたいなと意欲に沸いています。

今回は主にプラスチック素材からの切り替えについてご紹介しましたが、使わなくていいなら使わないのがベスト。ストローやリッドが不要な方はオーダー時にお申し付けください!

そして再利用できる容器を使うことは、限りある資源・環境問題に大きく貢献することができます。オニバスコーヒーに来店される際は、ぜひマイタンブラーやマイキャニスターをお持ちください。オニバスのお店ではタンブラーご持参でドリンクより20円引きし、お手持ちの容器へのお水のリフィルも承っています。暑い夏はオニバスに来ればペットボトルの水を買うよりも経済的に美味しい水が手に入っちゃいます。

その他、コーヒーカスを堆肥にして培養土を作ったり、コーヒー石鹸を作ったり、コーヒーを提供するだけでは終わらせない「 オニバスコーヒーの挑戦 」は続きます!

オニバスコーヒーではどんなに環境に良いいいと思える取り組みを選択したとしても、まずはお客さまに喜んでもらえる美味しいスペシャルティコーヒーをご提供するのが前提条件。

美味しいスペシャルティコーヒーを入り口に、お客さまやスタッフのライフスタイルや社会が良くなっていくようなそんな仕事をしていきたいと思っています(ありがたいことに、それに共感してくれるお客さまが多いのもオニバスコーヒーの強みだと感じています!)。

10年後も50年後も美味しいコーヒーが飲めるように、今から行動しませんか?

そしてまだオニバスコーヒーのスペシャルティコーヒーを飲んだことがない人はぜひお店やオンラインショップで体験してみてくださいね!

 

Photo by note thanun on Unsplash

執筆者:山田舞依

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