2025.5. 1
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那須の自然と味わうコーヒー 〜NASU COFFEE FESTIVAL~

那須の自然と味わうコーヒー 〜NASU COFFEE FESTIVAL~

 ONIBUS COFFEE唯一の郊外店舗・那須店は、栃木県那須町に所在する複合施設GOOD NEWS NEIGHBORSにあります。ここでは、『GOOD NEWS MARKET』と題して、月イチで様々なイベントが開催されています。

 過去には、全国のチョコレート専門店によるイベントや、各地で人気のチーズ工房によるチーズやホエイを使った料理を楽しめる祭典もありました。毎年6月にはナイトマーケットを開催し、日没後の那須を楽しめる夜の営業、施設内に流れる沢でのホタルの鑑賞会や竹灯籠のライトアップなど、さまざまな企画が盛りだくさんです。

 そして4月19日から20日に渡って開催されたGOOD NEWS MARKETはコーヒーに特化した『NASU COFFEE FESTIVAL 2025』。全国各地、西は熊本から東は福島まで11社のコーヒーロースターが集結しました。

『NASU COFFEE FESTIVAL 2025』

 雲一つない快晴、そしてこの春一番の暖かさという外コーヒーには最高にグッドな天気に恵まれ、オープン前から行列ができる盛況ぶりでした。飲み比べが楽しめるコーヒーチケットに加えて、”本州一の酪農王国”那須ならではのエッセンスを加えた様々な仕掛けが!

酪農王国!那須ならではのコーヒーフェス!

①ミルク飲み比べ

 栃木県は北海道に次いで第2位の牛乳の生産を誇る酪農王国なんです。地元の酪農家さんによるミルク飲み比べは那須ならではの企画です。普段何気なく飲む牛乳も、こうして一度の機会に飲み比べると濃度感や味わいの違いをより明確に感じることができます。

②ミルクブリュー

 コーヒーを低温のミルクに浸けて抽出する「ミルクブリュー」。近年、新しいコーヒーの飲み方としても注目されていますが、このイベントではさらに贅沢な仕様で登場。那須と益子に牧場をもつ”森林ノ牧場”のミルクと出店ロースターのコーヒー豆が融合した、イベントだけの「特別なミルクブリュー」が主催者より提供されました。

 森林ノ牧場は、那須にある放置林を活用し、森林と酪農を掛け合わせることで、新たな循環のしくみをつくりだすというビジョンの牧場です。放牧されたジャージー牛からとれたミルクは、春夏秋冬で個性豊かな味わいを作り出します。今回使われた春のミルクは、草のビタミン類が高くなることにより色が黄色くなり、香りと甘みが強いとのこと。イベント1日目と2日目で異なるロースターの豆が使用されて、それぞれの豆や焙煎の個性が、濃厚な牛乳とマッチして、他では味わえない特別なミルクブリューが完成。お昼過ぎには売り切れる人気ぶりでした。

③牛乳以外も!ご当地食材のフードメニュー

 チーズやアイスなど那須の乳製品を使用した美味しい料理や、”栃木県内外”の出店者による、”那須”の食材を使ったフードメニューなども充実。いつもと少し違うごはんを味わうチャンスに注目が集まっていました。

 イベントでは、リユースカップが使われました。ゼロウェイストを目指す取り組みの一つで、ゴミを出すことなくイベントと森の散策が楽しめる飲み歩き体験が実現できました。

ONIBUS那須で思い出に残るコーヒー体験

 私たちONIBUS COFFEEも、コーヒーラバーたちが集まるこの機会にハンドドリップワークショップを開催しました。”那須という地で皆さまの思い出に残るコーヒー体験を。” ”スペシャルティコーヒーや美味しいコーヒーの淹れ方を知ることで日々のコーヒーライフをより豊かに。”そんな思いから、ワークショップを定期的に開催しています。

 ONIBUSのハンドドリップワークショップは、まず初めに、ONIBUSの紹介・抽出の理論や取り扱っているコーヒー豆の説明、スタッフによる実演があり、その後参加者の皆さんにドリップをしていただきます。その時のラインナップから気になった豆をひとつ選んでいただき、私たちが実際にお店でいつも使用しているレシピでコーヒーを抽出してもらいます。秒数と重さを同時に図ることができるスケールを用いて、複数回に分けて注ぐコーヒーのレシピ。普段は感覚で淹れている参加者の方々も、抽出理論が分かるとより1投にかける集中力が増します。

 抽出後はお互いの淹れたコーヒーの味をテイスティングし、それぞれのコーヒー豆や抽出の仕方による味わいの違いを飲み比べします。ワークショップの最後は、毎回コーヒー豆や抽出に関する質問が飛び交います。その内容はお湯の温度から注ぎ方・豆の特徴や産地についてなどさまざまで「普段ご家庭での抽出で疑問に思っていたことが解消された」「コーヒーの淹れ方の指針ができた!」と好評のワークショップです。

 他にもコーヒーの味や香りを評価するテイスティング手法の”カッピング”を体験できるワークショップなども実施しています。情報はインスタグラムでお知らせしていますので、次回開催まで今しばらくお待ちください!

那須という地で

 私たちがいるGOOD NEWS NEIGHBORSは、9千平米の森を一部切り開いてオープンした「自然と人との共生」がテーマの一つの施設です。ONIBUS COFFEE那須店は東京の店舗と同じ想いでコーヒーを提供しつつ、さらにサスティナビリティも体現できるお店という特色があります。毎月第2木曜日の休館日に行われる”森の日”は、目の前に広がる共に過ごす自然が、より豊かでより循環できるように、GOOD NEWSで働くスタッフが一緒に活動する日です。施設内の森の手入れや、生き物調査などしています。

 ONIBUS COFFEE那須店では、毎日店舗で出るコーヒーかすを100%コンポストで堆肥化。那須の農家さんのお米の米ぬかともみ殻・施設内に落ちている落ち葉を使用し、微生物の力で発酵・分解してもらいます。発酵が進むと温度がどんどん上がり、ふたを開けると湯気が立ち上ります。ある程度分解させたものは敷地内の森に移動し、自然の微生物の力を借りてさらに熟成させます。完全に分解されたものはGOOD NEWS内のハーブや施設を彩る花の肥料として使用します。去年は夏から秋にかけてその肥料で育ったハーブを使用したメニューが提供されました。

 自然の中で、自分が飲んだコーヒーが違う形になって循環する体験ができること。これこそが最大の醍醐味です。スペシャルティコーヒーを飲み、食を楽しむことを通して、「サステナブルなアクションに貢献している」「なんかいいじゃん!」と思ってもらえるような循環を体験できるお店ーーそれがONIBUS COFFEE 那須です。

森の中で飲むスペシャルティコーヒー

 今回はNASU COFFEE FESTIVALの様子も紹介しましたが、GOOD NEWSでは今年もいろいろなイベントが予定されています。そしてONIBUS COFFEE那須店は、”いつもとちょっと違うコーヒー”が楽しめる場所です。緑に囲まれて美味しいコーヒーが飲めるなんて最高!ぜひ、皆さんにはコーヒーを片手に、お店の前に広がる森の中を散策していただきたいです。鳥のさえずりが聞こえ、川から聞こえる心地の良い水音、木々から漏れる光を感じながら飲むコーヒーは、いつも飲むコーヒーとは別のアクセントが加わった美味しさを実感できると思います。そして、このコーヒー豆の生い立ちや行く先・循環・自然との繋がりに少しだけ思いを馳せてもらえたら嬉しいです。

Text by Saki Aizawa 

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