- レポート
イベントレポート〜自然の恵を味わう 秋田県にかほ市・第一回鳥海山珈琲祭〜
過ごしやすくなる春は各地でイベントシーズン。ONIBUSチームも4月は桜シーズンに加え、国内外のイベントに参加したくさんの方々に直接コーヒーをお届けすることができました!
4月7日には、福島県郡山市の酒造・仁井田本家が主催する『にいだの感謝祭』に2年連続で出店し、ONIBUSのデザートとコーヒーを日本酒ファンたちにお届け。4月13・14日には、台湾・高雄で開催された『森ノ市〜珈琲と花物語〜』に、ONIBUS台北×東京のコラボレーションチームで参加。台湾南部にある高雄はすでに夏のような暑さでしたが、大盛況の2日間でした。4月27日は、オーストラリア・メルボルンのMarketlane Coffeeのスタッフによるパブリックカッピングを八雲店で開催。今年2月にメルボルンで行ったカッピングイベントを経て東京での開催となりました。コーヒーを通じて交流が深くなっていくのは嬉しいですね。
そして、イベントラッシュの締めくくりは、秋田県にかほ市で4月27、28日の2日間に渡って開催された『鳥海山珈琲祭』です。自然を感じるのどかな集落に2,500人もの来場者が集まり大盛況となったこのイベントを、参加したスタッフの山田がレポートします。
『第一回 鳥海山珈琲祭』の舞台、水に恵まれた象潟町
秋田県と山形県を跨ぐ『鳥海山(ちょうかいさん)』は、日本百名山にも選出されている標高2,236mの活火山です。古くから山岳信仰の対象であり修験の霊場としても知られています。日本海に近い鳥海山には、冬にはたくさんの雪が降り積もります。この雪が火山性の土壌に浸透し、ゆっくりゆっくり時間をかけて再び地表へ湧いて出ます。これが鳥海山の水の豊富さと美味しさの秘密。
会場となった鳥海山の麓の象潟(きさかた)町小滝集落を歩いていると、水路を流れる水の音が轟々と聞こえます。湧水地や滝もいたるところにあります。鳥海山からの雪解け水が、 この地域にとって自然の恩恵でありながら身近な風景の一部であることが伺えます。この鳥海山の水を使ったコーヒーイベントが鳥海山珈琲祭です。
今年が初開催の鳥海山珈琲祭を主催したのは、にかほ市象潟町小滝集落で旅館を営む齋藤さんご夫妻です。妻の佳奈子さんは、オーストラリア・ニュージーランド・東京でバリスタとして活躍してきたアクティブウーマンであり、私がオーストラリア時代に出会った10年来の友人です。現在は、地元に帰り夫の家業の白滝旅館で女将修行中です。そんな佳奈子さんが「スペシャルティコーヒーを通して、人々が繋がれる場を作り、鳥海山の素晴らしさと新たなコーヒーの魅力を発見するイベントをしたい!」と企画したのが鳥海山珈琲祭の原点。地元に帰ってからわずか半年で開催までこぎつけたというから驚きです。しかも参加ショップは、青森から福岡まで日本全国から大集合。佳奈子さんの人望と行動力、本当にすごいです。
不安と緊張から一転、大盛況!
当日の朝、車で会場に向かう道からの風景は見渡す限り新緑。冬場は閉鎖される鳥海ブルーライン(鳥海山5合目までドライブできる山岳観光道路)が再開通したばかりということもあり、ドライブには最高の眺めです。 本当にこんなところまで人が来てくれるのかと心配になるほど、残雪の鳥海山を望むのどかな風景が続きます。
鳥海山珈琲祭の会場はそんな山道に突然現れる、爽やかな外観のミラノピザのお店『まさえんzero』のある広場です。出店者が集まりセッティングが始まると、だんだんとコーヒーフェスらしさが出てきました。会場を待つお客さんらしき人もチラホラ集まりだしました。
初日。10時ぴったりに開場するやいなや続々と人が集まり、各ブースにはみるみると列ができはじめました。朝の心配が一気に吹き飛びます。聞くと地元の新聞広告を見て来たという方が多く、県内外から数時間かけて来てくれたという人も。
2日目は、初日を超える賑わいを見せました。テレビの情報番組や初日に訪れた人の口コミを聞いて来てくれた方もいたようです。「この場所にこんなにたくさん人が集まったのは初めて」という地元の人の声を聞くほどの大盛況。それもそのはず、2日間で2,500人を超える来場者があったそうです。
運営陣も、出店者も、来場者も、鳥海山珈琲祭に携わる人たちは、みな明るく朗らかで、とっても楽しそうにしていたのが印象的でした。
強力チームで完売御礼!
ONIBUS COFFEEブースは、地元の応援スタッフ二名を加えたスペシャルチームでお客さまをお迎えしました(二人とも一瞬でONIBUSに馴染んでくれて、即席とは思えないチームプレーができました。両日笑顔で気持ちよく手伝ってくれたまゆみさん、なほさん本当に感謝です!)。
飲み比べでは、5種類のシングルオリジンを入れ替えながらご提供。ONIBUS COFFEEが現地で購入している豆を中心に、味わいだけでなく、どんな人たちが作ったコーヒーなのか説明しながら一杯ずつお渡ししました。短時間でもコミュニケーションが取れるのがコーヒーフェスの楽しいところです。 美味しかったからと2周してくれた方や、豆を買いに戻ってきてくれた方もいました。
想像をはるかに超える数の来場者に、ONIBUS COFFEEブースでは用意したコーヒー豆が完売してしまい、2日目は閉場時間を待たずに店じまいとなりました。ご来場いただいたみなさん、本当にありがとうございました!
佳奈子さんと、おにぎりを食べる山田。鳥海山の水で育って鳥海山の水で炊いた”ひとめぼれ”のおにぎりは、心に染みる美味しさでした(4つ食べました)。
最高のロケーションで味わう最高のコーヒー
イベントにかけるみんなの熱い想いが 霊峰・鳥海山に伝わったのか、イベントは2日間とも晴天に恵まれました。心地よい風が吹く広場で、鳥海山を眺めながら美味しいコーヒーを飲むー本当に最高のロケーションです。
コーヒーが好きな方はもちろん、「地元でちょっと変わったイベントやってるから行ってみよう」と来てくれた方も多くいらっしゃったようです。会場内のアットホームな雰囲気は、そんな地域を愛する人たちのワクワクから生まれていたように感じます。
スペシャルティコーヒーに馴染みのない方でも、様々な個性を持つコーヒーの美味しさと、楽しさを存分に味わってもらえたと思います。そんな幅広い人たちがコーヒーを通じて鳥海山に集まる風景は、まさに佳奈子さんたちが描きたかったものでしょう。
こうして第一回鳥海山珈琲祭は大盛況のうちに終了。これからも愛されるであろう素敵なイベントの誕生に立ち会えたことを嬉しく思います。
もうすでに第二回の開催が楽しみです!
text by Mai Yamada
『第一回鳥海山珈琲祭』
2024年4月27日(土)28日(日)@まさえんzero横
出店店舗(遠い順)
▼コーヒー
COFFEE COUNTY(福岡)/ ANY B&B + COFFEE(奈良)/ jollity COFFEE(三重)/ONIBUS COFFEE(東京)/コヤナギコーヒーニッポン(埼玉)/Kultur coffee roasters(宮城)/COFFEEMAN good(青森)/珈琲島(山形)/Paradiso coffee roasters(山形)/Espresso Aube(秋田)/KEIJYUKU COFFEE(秋田)/PRANA CHAI(新潟)
▼フード・スイーツ
knc Diner/ままのぱんや Chelsea bake shop/湯の台食堂/ニカホノサキ/佐藤勘六商店/小池菓子舗/まさえんzero