ブログ:スペシャルティコーヒー
ONIBUS COFFEE for Business! 〜焙煎豆の卸販売からコーヒートレーニ...
ONIBUS COFFEEは国内5店舗、国外2店舗。姉妹店のABOUT LIFE COFFEE BREWERSは国内2店舗。ですが、実は、日本全国・海外でもオニバスのコーヒーを味わうことができます。というのも、オニバスコーヒーでは北海道から沖縄まで日本全国、そして海外にコーヒー豆の卸先があるんです。 コーヒーショップはもちろん、バーガーショップ、ビストロ、和食、ホテル、お菓子屋、雑貨屋、ヘアサロンなど多種多様なお店で、提供するコーヒーにオニバスのスペシャルティコーヒーを選んでいただいており、全国各地の卸先のお店でオニバスコーヒーをご愛飲いただいております。ありがたい! 美味しいコーヒーをお届けするには、使用するコーヒー豆の品質だけでなく、そのお店に最適な備やバリスタスキルも重要だと考えています。そこでオニバスコーヒーでは、卸先のお客さま対して、単にコーヒー豆を販売するだけでなく、エスプレッソマシンなどのコーヒー機器の選定・販売やコーヒートレーニングも実施しています。 今回は、卸先のお客さまのパートナーとしてオニバスコーヒーが行っているサービスをご紹介します。 スペシャルティコーヒー豆の卸販売 業務用で継続的にご購入いただける場合は、卸価格にてオニバスコーヒー豆を販売しています。 オニバスコーヒーで焙煎・販売しているのはシングルオリジンとブレンドを合わせて常時7〜10種類ほど。使用している豆はすべてスペシャルティグレードで、農園の情報やサプライチェーンなどの情報もできる限り詳しく共有しています。 飲食店で使用する食材の栽培・飼育方法や産地に妥協しないなら、コーヒーもトレーサビリティと品質に優れたスペシャルティコーヒーを選んでみませんか? 新規開業時・買替時のマシンの選定~設置 コーヒーに関する道具はたくさんあります。ドリップやエスプレッソなど、メニューや抽出方法によっても使う機器は全く異なりますし、お店の規模や業態によっても選ぶマシンの性能は変わってきます。 これから新規開業や新たにマシンの導入・買替を検討しているお客さまに向けてコーヒーに関する機器の選定や設置時の調整、オペレーションなど、お客さまの店舗条件などをお伺いし、最適な機器を選定しご提案~設置までを行っています。 マシン設置時には機械の設定やメンテナンス方法、使用方法の説明も行いますので安心してご相談下さい! コーヒートレーニング 卸先のお客様を対象とした知識アップデートのための「コーヒートレーニング」もご用意しています。 お客さまとの距離が一番近く、知識と技術を求められるのがバリスタのポジション。良い品質のコーヒー豆と高性能の機器を導入しても、それを扱う人次第でコーヒーのクオリティは劇的に変わります。このトレーニングでは「基礎から実践」までを総合的にカバーしており、トレーニングを受ける方のコーヒー業界での経験の有無も問いません。 「経験が浅い」「これからしっかりと学んでいきたい!」 そんなお客様であっても、開業前のマシンの導入から開業後も日頃の業務で生じた疑問や課題解決のためフォローアップにも対応しています。 現在行っている「マンツーマンのトレーニング」では、お店のコーヒーメニューや使用機器に合わせてトレーニングの内容を決めることができます。例えば「浅煎りのドリップコーヒーを強化したい」という要望にはドリップ講座、「エスプレッソの調整のコツ」「美味しいラテを作るためのミルクスチーミングとは?」という内容であればエスプレッソマシンを使って検証など、なるべく実際のお店のオペレーションを再現し、より実践的に美味しいコーヒーを作れるようになることを目指しています。 2019年にオープンした八雲店はカフェと焙煎所、そしてトレーニングルームを併設したオニバスコーヒーの旗艦店です。トレーニングルームにはエスプレッソマシンやグラインダー、ドリップセットなどほぼお店と同じセットアップを完備しています。 このトレーニングルームでは、オニバススタッフによる「ドリップ講習」や「エスプレッソ調整」など毎回テーマを変え、パートナーである卸先の方と意見交換をしながら合同勉強会を毎月開催していました。残念ながらその後のコロナ禍で定期的な開催は難しくなりましたが、現在は卸先のお客様に向けての「マンツーマントレーニングも」をご希望に応じて実施しています。 コーヒートレーニング実例!「HEY COFFEE」 先日は埼玉県戸田市のHEY COFFEEチームが八雲店に研修に来てくれました。 HEY COFFEEは2017年4月のオープン当初からオニバスのコーヒー豆を扱っています。現在はHEY...
夏ドリンク!「浅煎り」アイスコーヒー&水出しコーヒー〜家でも簡単、ONIBUS流レシピ〜
まだまだ暑い夏が続いていますね。アイスコーヒーが飲みたくなる季節ですが、炎天下の中コーヒーを買いに出るのも億劫になってしまうほどの日も、、、 そんな時には、ご自宅でアイスコーヒーを淹れてみてはいかがでしょうか? 自宅でコーヒーを1杯ずつ淹れるのは、少し時間と手間が必要です。しかし、自分の好きな豆を使い、好きなタイミングで丁寧に淹れたコーヒーは、普段の生活をなんだかちょっとだけ贅沢な気分にしてくれます。 とは言え、お店で実際にお客様と話していると、 「家で淹れるコーヒーはどうしても上手くいかない〜」「アイスコーヒーは氷で薄まってしまい想像していた味と違う!」「水出しコーヒーの分量が難しいんだよね」 なんて声も。 そんなわけで今回は、オニバスの浅煎り豆を使って美味しいアイスコーヒーを抽出するちょっとしたコツと共に、オニバスの「ドリップアイスコーヒー」と「水出しコーヒー」のレシピをご紹介しちゃいます! これを読めば、自宅でも簡単に美味しいコーヒーをお楽しみ頂けますよ。 美味しいドリップアイスコーヒーを淹れよう! オニバスで提供しているドリップアイスコーヒーは、ホットドリップで濃いめに淹れたコーヒーを氷で急冷させています。普段からご自宅でドリップコーヒーを楽しまれている方でしたら、氷さえあれば、簡単に淹れられますよ。 それでは、早速抽出していきましょう。 1. 抽出に必要な器具 まずはハンドドリップに必要な器具を揃えましょう。 ・ドリッパー(HARIO V60)・ペーパーフィルター(ドリッパーに合うサイズのもの)・コーヒーサーバー(1杯ならマグカップなどでも)・ドリップポットやケトル(注ぎ口が細いものがオススメ)・スケール(測り)・タイマー・攪拌用のティースプーン スケールは”コーヒー豆”と”お湯”の量を測るのに使います。サーバーが乗る大きさのものをおススメします。ちなみに私たちが使っているスケールは、タイマー一体型の”HARIO ドリップスケール”。これ、とても便利です。 そして、「コーヒーの粉はスプーンすりきり1杯」という計り方はNG。豆は産地・品種・焙煎度合いによって質量が全く違ってきます。美味しいコーヒーを淹れるためには、粉とお湯の比率がとても重要なので、ドリップしながら湯量もしっかりと計りましょう。 蒸らしや注ぎの時間を計るのに使用するタイマーは、携帯のストップウォッチ機能でもOKです。 2. オニバスのドリップアイスコーヒーレシピ 豆はドリップ用に挽いておきましょう。必要な器具が揃ったら早速、アイスコーヒーをハンドドリップで淹れてみます。 【1杯分の分量】お好きなコーヒー豆(ドリップ用) 18gお湯(92℃前後) 150g氷 適量 ①まずは抽出までの事前準備。ドリッパーにペーパーフィルターをセットし、豆を入れる前のペーパーフィルターにお湯(分量外)をかける「湯通し」を行います。この「湯通し」作業をすることでペーパーのにおいを取り除き、出来上がりの質感が良くなるのでお忘れなく! ②フィルターに挽いたコーヒー豆を18g入れ、平らにならします。 ③タイマーを準備し、お湯を注ぎます。 0’00”~ お湯を50g注ぎ、手早くスプーンで攪拌しましょう。30秒経つまで蒸らします。0’30”~ お湯を80gまで注ぎます。注ぐ時は粉の中心から外に向けてクルクルと円を描くように満遍なく。1’10”~ お湯を150gまで注ぎ、お湯が抜けないうちにもう一度攪拌しましょう。1’50~2’00” お湯を落としきります。 ④氷で急冷します。...
コーヒー選びの基本知識!〜生産国・焙煎度合いによって異なる味わいを理解する〜
コーヒーを買ったあとに「自分好みじゃないコーヒーの味だった!」という経験はありませんか? 実際に、私も店頭に立ちお客さんと好みのコーヒーについて話をしていると、「この生産国はこの味」や「浅煎りって酸っぱいコーヒーですよね」などの声をよくお聞きします。 ここで疑問が浮上したのです。 「お客様の持つ先入観によって、コーヒーを選ぶ選択肢を狭めてしまってはいないだろうか。」と。 コーヒーの味を決める要素は、複数の要因が複雑に重なり合うことによって生み出されます。その要素をひとつひとつ理解することで、選択肢が増え、好きな味わいをもっと探究してもらえるのではないか⁈という想いにたどり着きました。 そこで、今回はコーヒー豆を選ぶときの基礎知識として、「生産国」や「焙煎度合い」によって異なるコーヒーの味の違いについて紹介します。 1.生産国による味わいの違い Andrew Stutesman on Unsplas コーヒーが生産される主な生産エリアは「コーヒーベルト」と呼ばれる北緯南緯25度付近に集中しています。その中で大きな生産エリアとしてアフリカ、中米、南米、アジアの4種類に分けることが出来ます。この4つの生産エリアはそれぞれ味わいに特徴があります。 標高や土壌、気候などはコーヒーの味わいに大きく味わいに影響を及ぼすため、産地によって異なる味わいを知ることは、テロワール(※1)を楽しむスペシャルティコーヒーの醍醐味といえるでしょう。 ※1 テロワールとは、コーヒーの生育地の地理、気候などの環境による影響の味わいの違いのこと それでは「アフリカ・中米・南米・アジア」の産地ごとの味わいの特徴を、ひとつずつ見ていきましょう。 ①アフリカ ONIBUS COFFEEが毎年訪れているアフリカルワンダのルリウォッシングステーション。 アフリカはヨーロッパの南側に位置する大きな大陸です。主な生産国として有名なのは、エチオピア、ケニア、ルワンダが挙がります。昨今ではブルンジやタンザニアなども品質の向上が目覚しい地域です。 全体的に「酸」の印象が個性的で、それぞれのフレーバーがとても分かりやすく、人気の高い生産エリアです。 エチオピアは、レモンなどの柑橘系の印象と紅茶を思わせる上品な香り。精製方法によってはいちごやチョコレートのような味わいも。 ケニアは、カシスやクランベリー、ローズヒップのような明るい印象。ホットももちろんですが、夏にはアイスでもおすすめ。 ルワンダは、みかんやオレンジに似た優しい酸味ときび糖のような甘さの後味が印象的です。 ②中米 こちらも毎年訪れているホンジュラス。 中米は主に、アメリカ合衆国の南に位置するエリアで、さらに南の南米も併せて中南米として扱うことも多いです。 中米で有名な生産国は、グアテマラ、ホンジュラス、エルサルバドル、ニカラグア、メキシコ、パナマなどが挙がります。ゲイシャ種で有名なパナマも中米エリアに位置しています。 中米はアフリカと違い、全体的に甘さに印象の強いコーヒーが多く、程よい酸味としっかりとした甘さのバランスが特徴的な生産エリアです。 ③南米...
初公開!お客様がみえないONIBUSカウンター越しの攻防〜バリスタ×ドリップ×レジ、3人が奏で...
ONIBUS COFFEEでのドリンク提供スピードを意識してご覧になったことはありますか? 私たちオニバスコーヒーでは「クオリティ」という言葉の定義を、コーヒーの品質や味だけでなく「提供スピード」も含めています。 ・レジの人はどういう順番でバリスタへオーダーを伝えるのが簡潔で漏れがないか? ・各ポジションのスタッフ全員が、いかに無駄な動きを減らし最速で皆様へコーヒーをお届けできるか。 我々はここを何度も議論して「店舗オペレーション」を設計しています。「簡潔でスマートかつフレンドリーなコミュニケーションと、クオリティの高い最高の一杯をお届けしたい」これこそが、オニバスコーヒーが大切にしている想いなのです。 今回は、オニバスコーヒー全店舗ひとりひとりが徹底している「店舗オぺレーション」の秘密を、著者が在中している中目黒店を例に、徹底解説します! <ONIBUS流オペレーション徹底解説!> 大切なのは、各ポジションごとの動き。中目黒店では、①レジポジション②ドリップポジション③バリスタポジション、と基本は3人のオペレーションでまわしています。 ①レジポジション お客様のオーダーを聞き、それを正確にバリスタへ通す役目。ただオーダーを通せばいいというだけではなく、様々なオーダーが重なる中でそのドリンクが確実に作られているかをきちんと確認し、お客様へ提供されるまでのスピードをコントロールしなければなりません。 実は、全ポジションの中で一番難しく、オペレーションがスムーズにまわるかどうかの要と言っても過言ではありません。簡潔に分かりやすく必要な情報を全て伝える、その通し方が肝。 我々が考える、スマートなオーダーの通し方の基本構造はこのようになります。 まずお客様から注文をいただいたら、最初にカップ(店内用かテイクアウト用)と、サイズを他のポジションのメンバーへ伝えます。この時点で他ポジションのメンバーは適切な容器を用意します。 その後、エスプレッソ系であればそのエスプレッソが”シングルショット”か”ダブルショット”かを伝え、ドリップであればオリジン(豆の種類)を伝え、他のポジションのメンバーは必要な準備に取り掛かります。 次に、ホットかアイスか、ビバレッジ名、という順番で伝えることで、レジポジションは既にドリンク作成に取り掛かっている様子を確認すると共に、そのお客様のオーダーと合っているかダブルチェックを行っています。氷少なめ・シロップ入り・ラテ熱め、などのお客様のその他要望も漏れなく。 細分化して簡潔にオーダーを他ポジションへ伝えることで、スピード感をもってお客様にドリンクを提供することが可能になります。しかし、さらにもうワンテンポ迅速にオペレーションをまわす為に、お客様との注文のやり取りをバリスタが聞こえるように、敢えてオーダーを「復唱」しています。オーダーを通す際に飲食店でよく行われているのは、レシートを印刷して並べたり、メモや伝票に書き留めたり。我々はそのようなことはせず、少しでも早く、全情報をバリスタへ口頭で流すことで、素早くお客様の商品が提供できる体制を構築しています。 ②ドリップポジション ドリップコーヒーのクオリティを管轄し、かつレジとバリスタの掛橋となる役目。 ハンドドリップのオーダーが入った際にドリンクを作りながら、あるいは目の前で出来上がりを待たれるお客さまと会話をしながら、レジとお客様のやりとりに耳を向け続けています。それを確実に聞き分け、どんな作業から取り掛かるのがベストであるかを理解していることが重要になってきます。 また、出来上がったドリンクを提供するのもこのポジションの役目。どのお客様へどのドリンクが渡るべきかをしっかりと認識しており、お声かけをします。 このように一度に多くのことを平行して行う必要があるので、四方八方に意識を向けることや洞察力が試されるポジションと言っても過言ではありません。 このポジションの人は上記の任務に加え、バリスタが動きやすいようにしっかりと動線を捉え、常に細やかな補佐をしていくことも必要になっていきます。 ③バリスタポジション エスプレッソ系ドリンクのクオリティとスピード感を保ちドリンクを作り続け、味にフォーカスする役目。お客様へ美味しいドリンクを淹れ続けることが何よりもの任務です。 エスプレッソは気温や湿度、焙煎日の変わるタイミングなどによって1日を通して必ずと言っていいほど、味わいが変化します。その変化をしっかりと踏まえ論理的に、かつ自分の味覚や視覚を頼りに調整をし、クオリティを維持し続けなければなりません。 調整のタイミングで味が決まらずドリンクの作成と提供までに時間が掛かってしまうと、出来上がりを待つお客様が増えてしまい、一旦オーダーを止めなければならない事態になり兼ねません。バリスタがいいスピード感でクオリティを保ち続けるからこそ、レジの人がスピード感をもってオーダーをコントロールしていけるのです。 ”オニバスコーヒーの味”を司るポジションとなるので、まずはエスプレッソマシンとコーヒーに真正面から向き合う集中力を要します。それでも、コーヒーばかりに集中してしまうと周りが見えなくなってしまうので、もちろんバリスタも他ポジション同様、常に顔をあげ周りに意識を向けることや細やかな気づきが必要なのです。 <ONIBUSオペレーションで大切にしていること> Photo...
スペシャルティコーヒーとは? 〜コモディティコーヒーとの比較でわかる!スペシャルティコーヒーが...
「スペシャルティコーヒー」と「コモディティコーヒー」の違いはご存知でしょうか? 「スペシャルティコーヒー」とは、簡単に言えば「ある一定の基準を満たす最高品質のコーヒー豆」のこと。そして「コモディティ(=日用品)コーヒー」はスーパーなどで見かける、一般的に安価で流通しているコーヒー豆のことで、商品先物取引によって価格が決められ売買されるコーヒーのことです。別名「コマーシャルコーヒー」とも呼ばれています。商品名に”本格派”や”こだわりの”などの言葉がついていても、日本国内で流通しているコーヒーのほんとどがコモディティコーヒーに分類され、スペシャルティコーヒーはわずか1割ほど。世界中の多くのコーヒー農家は、このコモディティコーヒーの販売によって収益を得ています。 では、みなさんが普段自宅やコーヒーショップで飲んでいるコーヒーは「スペシャルティ」か「コモディティ」のどちらでしょう? オニバスコーヒーで扱っているコーヒーはすべて「スペシャルティコーヒー」です。オニバスコーヒーのお店で提供しているコーヒーや、購入したコーヒー豆はお店で飲んでも自宅で飲んでも、ブラックにしてもミルクや砂糖をいれても全部スペシャルティコーヒーです。 今回はオニバスコーヒーが日々提供しているスペシャルティコーヒーとは何かをコモディティコーヒーとの違いを比べながら説明していきます。最後まで読むと、普段のコーヒー選びが変わってきますよ! スペシャルティコーヒーの始まり まずはスペシャルティコーヒーが生まれたきっかけを。 コーヒーが一般的に飲まれるようになったのは17世紀ごろと言われています。その後、世界的に愛飲者が増えるとともに大量生産大量消費の作物となりました。コーヒーの価値は暴落し、生産者も苦しい経営のなか、質より量を求める時代が長く続きました。 そのような状況を危惧し「コーヒー生産者を守り、コーヒーの品質を上げていくことが、消費者のためにもなりコーヒーの未来をつくる」とアメリカでスペシャルティコーヒー協会(SCAA=Specialty Coffee Asociation of America)が設立されたのは1982年のこと。品質を大切にし、すぐれたコーヒーには適正な価格をつけ、安定した生産を実現させるために生産者に還元することを目的としています。 日本では2003年に日本スペシャルティコーヒー協会(SCAJ=Specialty Coffee Asociation of Japan)が設立され、日本におけるスペシャルティコーヒーの普及に努めています。 スペシャルティコーヒーの定義と特徴 私たちオニバスコーヒーが提供している「スペシャルティコーヒー」には、基準が存在します。SCAJが定義しているスペシャルティコーヒーとは以下の通り。 ”消費者(コーヒーを飲む人)の手に持つカップの中のコーヒーの液体の風味が素晴らしい美味しさであり、消費者が美味しいと評価して満足するコーヒーであること。 風味の素晴らしいコーヒーの美味しさとは、際立つ印象的な風味特性があり、爽やかな明るい酸味特性があり、持続するコーヒー感が甘さの感覚で消えていくこと。 カップの中の風味が素晴らしい美味しさであるためには、コーヒーの豆(種子)からカップまでの総ての段階において一貫した体制・工程・品質管理が徹底していることが必須である。(From seed to cup) 具体的には、生産国においての栽培管理、収穫、生産処理、選別そして品質管理が適正になされ、欠点豆の混入が極めて少ない生豆であること。 そして、適切な輸送と保管により、劣化のない状態で焙煎されて、欠点豆の混入が見られない焙煎豆であること。 (中略) スペシャルティコーヒーの要件として、サステナビリティとトレイサビリティの観念は重要なものと考える。”...
スペシャルティコーヒー焙煎完全解説!〜ONIBUSのローストプロファイル全部見せます!!〜
スペシャルティコーヒーを浅煎りでおいしく焙煎するには、ただ単純に焙煎時間を短くするだけではなく、豆の持っているポテンシャルを最大限に引き出す必要があります。ONIBUSでは適切な焙煎度合いで「苦味」や「酸味」だけではなくコーヒー豆が本来持つ「味わい」をできるだけ感じてもらえるような焙煎方法を目指しています。 今回の記事では、オニバスコーヒー独自の焙煎を詳しくご紹介します。前回の記事と合わせて、お楽しみください。「スペシャルティコーヒー焙煎(ロースト)の基本知識」 スペシャリティコーヒー焙煎の事前準備 さまざまな焙煎機や焙煎方法があり、色々な考え方がありますが、オニバスコーヒーでは焙煎機に設置されている温度計(ドラム内温度計と排気温度計)をパソコンと接続し可視化できるソフト「cropster」 を接続して使用しています。 このアプリケーションはローストプロファイルを可視化して、焙煎データをクラウドで保存してくれるものです。 焙煎を行う上で、最も重要な要素としては、一定にできる箇所や測定できるものは「数字として可視化し、把握すること」、「焙煎環境を整える」ことです。それは、デジタルやハードだけでなく、焙煎する人自身の体調やマインドも常にニュートラルな安定した状態を保つのが大切です。 その上で重要なフェーズを意識していくことで、焙煎の技術はより高まり品質の高いコーヒーを今よりも安定して焙煎できることでしょう。 https://www.cropster.com/ja/ では実際の焙煎を行うにあたり、注意しておくべきことをご紹介します。 焙煎時に気をつけること ・焙煎前の生豆の水分値を把握する ・生豆の温度を一定に保管する ・焙煎機をしっかりと温める ・ローストカーブと RoRレイトオブライズを相対的に読み取る 焙煎時間を決めるRoR (上昇率)について RoRとはRate Of Riseのことをいい、温度の上昇率を指します。焙煎中、釜内でどの様に温度変化が進行しているかを示す数値になります。例えば、30秒の設定でRoRが5であるとします。それは30秒ごとに焙煎機の中の豆の温度が5度ずつ上昇していることを示します。RoRは温度の進み方を素早く読み解くために利用するのですが、これによりローストを上手にコントロールでき目的の焙煎プロファイルを作成することができます。 一般的には30秒から60秒で設定していますが、オニバスコーヒーではRoRを60秒で設定しています。 ※RoRの温度は高いほど焙煎が早く進行していることを示し、 低い時は焙煎がゆっくり進んでいます。 また、焙煎開始直後の水抜きの時のRoRでは、温度が高いと、液体の濃度感が上がる傾向があり、カップはソルティな味わいになりがちです。1ハゼ前後でのRoRの温度調整で、甘さや酸質を調節することができるとも考えられています。しかし、それらは当然豆の種類、焙煎機の種類、環境によって左右されます。1ハゼから終わりまでのデベロップメントタイムのコントロールにもRoRは重要になってきますが、僕たちはあくまで”全ての工程で判断する”ことがが大切だと考えています。 ドライイングフェーズ(水抜き) コーヒー焙煎には重要なフェーズ幾つかあると言われているのですが、その一つが水抜き、「ドライイングフェーズ」です。この時、気をつけなくてはいけないことがいくつかあります。 よくある間違いは、しっかり水分蒸発をしようと思い、火力を強く与えてしまうことです。初期の段階で水を抜きすぎると、後半の焙煎の化学変化に関わってきます。また、酸が熱で分解してしまうので味わいがフラットになってしまう傾向があります。またソルティな味わいだったり、ドライな印象になってしまうことがあります。その時は焙煎後のカッピングで判断してどのようにカロリーを与えるかを検討していく必要があります。 それ以外にもいくつか気をつけなければいけない事があります。焙煎初期に迎えるドライイングフェーズでは、生豆内部の水分が蒸気となって豆の外部に向かって逃げようとします。その作用によっておこるティッピングやドラムの接触面の熱で起きてうスコーチングなどに注意をする必要があります。...