2023.10.18
  • サステナビリティ

ONIBUSの生産地訪問 〜ありのままの自然で育てるアビオファーム〜

ONIBUSの生産地訪問 〜ありのままの自然で育てるアビオファーム〜
ONIBUSの生産地訪問 〜ありのままの自然で育てるアビオファーム〜


ONIBUS COFFEEでは、素材調達の透明性を大切にし生産地を訪ねる機会を大切にしています。
8月上旬には、ONIBUS COFFEE自由が丘スタッフを中心に神奈川県相模原市にある『アビオファーム』を訪問しました。今回は、自由が丘でペイストリーチームに所属するスタッフの増田が、視察に行ったレポートをお送りします!私たちがデザートにして、みなさんにお届けしている果物がどんな場所で、どのように育てられているか少しでもお伝えできたら嬉しいです。

アビオファームについて

アビオファームについて


自然栽培農園のアビオファームは、「 みらいに いのちをつなぐ ものづくり 」をこころがけて、環境負荷の少ない栽培法と美味しさに妥協せず、季節の野菜と果物を栽培している農家です。アビオファームという名称には、この地域が『鮑子平(あびこだいら)』とよばれていたことや、『ビオファーム(オーガニック農園)』の意味がこめられているそうです。

ところで、『自然栽培』とは何かみなさまご存知でしょうか?
私は食の仕事に従事していながら、自然栽培という言葉を聞いたことはあっても、どのような栽培方法なのかは詳しく知りませんでした。

自然栽培とは、肥料や農薬を使わずに、植物と土の本来の生命力を引き出す栽培方法のことです。例えば雑草は、土壌にある過剰な残留肥料を抜いたり、根が土中まで張ることで土を耕し、また不足している養分のバランスを整える役割をします。そして虫や土中のミミズなどの生き物たちは、花粉を運んだり、枯れ葉や他の生物の死骸を食べて分解し畑の養分に変えたり、生態系のバランスを整えてくれる大事な存在です。畑も自然の一部であるという考え方に基づいて雑草や虫などを排除せずに共存して作物を育てます。
それまで私は、農業では雑草や虫は作物の養分を奪い、病害の元になるような存在であると思っていました。しかし、自然栽培は、今まで野菜や果樹にとって駆除すべき天敵であった雑草や虫を味方にしながら育てていく手法なんです!「ありのままの自然の姿で育てる」という考えに、私は驚きと感銘を受けました。

アビオファームでの1日

アビオファームでの1日


訪問の日は、朝9時にONIBUS COFFEE自由が丘に集合してみんなで車でアビオファームに向かいました。目的地が近づいていくにつれて自然が多くなっていくのが分かります。着く頃には標高も少し高くなっていて空気が澄んでいました。2時間ほどで到着し、まずはアビオファームの遠藤さんにご挨拶。
早速、野菜の畑に案内していただくことになりました。畑には夏らしいたくさんの野菜が実っていました。プチトマト、ししとう、ハバネロ、とうもろこし、ピーマン、オクラを収穫し、その場でいただいてみることに。どれもとても瑞々しく甘く美味しかったです。とうもろこしが大好きな私は、特に自分で収穫した生のとうもろこしに感動!茹でた時とは違うフレッシュな食感と甘さを楽しみました。摘みたての野菜を食べるのは幼少期ぶりで、幼い頃に祖母の畑に行った事を思い出し、なんだか懐かしい気持ちになりました。
畑から少し歩いたところには桃の木があります。そこでも収穫体験をしました。桃は、甘い香りが強くなっている果実が収穫のタイミングだそうです。

アビオファームでの1日

次に訪れたのはブルーベリー畑です。野菜や桃の畑から車で数分移動した場所にあります。移動途中にはダムがあり、水脈が豊かな土地で、あたりにはたくさんの田んぼが広がっていました。
ブルーベリー畑に到着すると、遠藤さんがブルーベリーの品種や畑の説明をしてくれました。ここでは畑の下に水脈を張り、ブルーベリーを栽培しています。品種はラビットアイ系統のティフブルーとブライトウェルなどがありました。異なる品種は、見た目や味を比べてみるとその違いが明らかになります。比較的粒の大きいティフブルーは、酸味はほとんどなく甘味が強い品種です。一方のブライドウェルはティフブルーより粒は少し小さめで、甘味と酸味の両方を持ち合わせた瑞々しい品種でした。

アビオファームでの1日

枝が赤やピンクがかった色になっていて、実もおしりまで全体的にしっかり色付いたものが完熟した実の収穫タイミングです。試しに未熟なものも食べてみたのですが、少しでも未熟なものは酸味がかなり強く、食感も硬めでした。
ちなみに、ブルーベリーの畑には、全部で120本の木が植えてあるのですが、木と木の間はテントが1つ分張れるくらいのゆったりとした間隔が空けられていました。このテント1つ分の間隔というのは、いずれはそこでキャンプができるようにするための広さとのこと。となりの傾斜のある山にはリフトをつくる構想もあるそうです。いつかキャンプ施設ができた時にはオニバスチームでぜひ行きたいです!ブルーベリーの収穫と食べ比べが同時にできて、とても貴重な経験になりました。収穫の傍ら、美味しいブルーベリーをついついたくさん食べてしまってお腹いっぱいになってしまったのは裏話です。笑

これにてアビオファームでの収穫体験は終了。帰り道には、近くの川で涼んでから東京へ帰りました。普段の自由が丘のペイストリーキッチンから離れ、自然を満喫する1日となりました。

収穫した果物は自由が丘店で

収穫した果物は自由が丘店で


アビオファームで収穫した野菜は、自由が丘店で提供しているフードのデリに使用し、果物はお菓子に使用させていただきました。提供時にお客様に詳しく産地をお伝えするときも、視察に行った後ではより熱がこもります。桃は8月中旬ごろから2週にわたり、桃をふんだんに使ったショートケーキにしました!通常、ショートケーキを作るときにはスポンジ生地にシロップをうつことが多いのですが、今回使ったのは瑞々しさと甘さが際立つ桃だったので、あえてシロップは使用せず主役の桃の味と香りを楽しんでもらえる一品にしました。数量限定の特別メニューとして加えたところ、とても好評で、お問い合わせも多かった商品となりました。作り手としてたくさんの方に喜んでもらえて嬉しい限り!

フレッシュなブルーベリーも期間限定で焼菓子のビーガンマフィンに使用してONIBUS COFFEEの店舗で販売しました。自由が丘店では、美味しいうちに季節のジャムに加工。全粒粉ブレットを使ったトーストやグラノーラでお楽しみいただきました。さらには、平日限定のデセールメニューとして、フルーツガレットにしました。季節のフルーツガレットは、サクサクのパイ生地の上に、砂糖でマリネしたブルーベリーをのせて焼いています。シンプルながら素材の味を生かした一品です。ブルーベリーは加熱することでさらに甘みを増し、とても美味しいです!チーズケーキシトラスジャムアイスのトッピングも相性抜群。ちなみにこのアイスも、夏限定ドリンクのレモンスカッシュのスライスレモンをアップサイクルしたものなんです。このアイスだけでも食べられちゃう、美味しい一品です!

収穫からテーブルへ

収穫からテーブルへ

 
ONIBUS COFFEEでは透明性のある素材調達を大切にしています。私は、ONIBUS COFFEEで定期的に行われている生産者訪問に今回初めて参加したのですが、とても刺激が多い1日でした。普段私たちが取り扱う食材の生産地を訪問して、より食材への理解を深めることができました。生産者の方と関わり直接想いを伺い、収穫まで体験する事で、より食材を大事に素材を生かしたお菓子作りをし、お客さまに届けたいという気持ちが一層強くなりました!

また機会があれば生産者訪問には積極的に参加して、みなさんに喜んでいただける新しいお菓子作りにもチャレンジしていきたいです!今後もONIBUS COFFEEのお菓子を楽しみにしていてくださいね。

Text by Mika Masuda

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