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ONIBUSイベントレポート〜コーヒーが人と人、自然と都市を繋ぐ!〜

ONIBUSイベントレポート〜コーヒーが人と人、自然と都市を繋ぐ!〜

オニバスコーヒーは毎年ルワンダやホンジュラスなど、自分たちが扱うコーヒーの産地を訪れていました。昨年から続くコロナ禍は遠いコーヒー原産国をさらに遠くし、2020年の1月にブラジルとケニアに訪問したのを最後に未だ渡航のチャンスは戻ってきていません。しかし、この期間は日本国内で農的知見を深めたり、自然に親しんだりするきっかけにもなりました。

myownで使う素材の生産者へ会いに行ったり、畑で土に触れ微生物の力を感じたり、森林の営みを体験したりしたことは、それ自体が感動的な体験であるだけでなく、今後コーヒー生産国へ再び訪問した際に理解の解像度を上げてくれそうな気がしています。

農や自然への想いを介して出会った人々もたくさん。今回は、そんな出会いが実現させた2つのイベントの様子をレポートしたいと思います。

 

HASUNE PLANTコラボレーションイベント

まずは9月に行った東京都板橋区でのイベントについてのお話です。

HASUNE PLANT

レストラン、ハスネプラントでの食事

東京都板橋区蓮根にある完全予約制のレストラン「PLANT」は”食と農とクリエイティビティのプラットフォーム”として、有機農法を営むハスネファームの野菜を使った料理が楽しめます。今年3月にオープンしたばかりですが、住宅街に突如として現れる素敵な空間で、週替わりのシェフが畑からのインスピレーションを受けながら作る独創的な料理はすでに注目を集めています。 

9月25日に行われたPLANTとオニバスコーヒーのコラボレーションイベントでは、一日限りのポップアップカフェをオープン!なんとエスプレッソマシンも持参して、ほぼお店と同じドリンクメニューを提供しました。グラスやカップもお店と同じで、オニバスコーヒーの雰囲気を板橋で再現することができました。


1日限りの特別メニュー

ハスネプラントの特別メニュー

特別ランチのメニューは、PLANT白石シェフによる料理とmyownのデザート、そして食後のコーヒーにオニバスコーヒーというレストランでのイベントならではの組み合わせ。

ハスネファームで採れた”ダークホース”という品種のカボチャを使用した濃厚でなめらかなプリンにはミコト屋のアイスを添えました。ミコト屋では、おいしく食べられるのに規格外で出荷できない野菜や、食品製造時の副資材をアイスにして販売しています。今回はオニバスコーヒーで余ってしまったエスプレッソを使ったアイスです。デザートの一皿の中にも循環が。


都市の中で自然と食の循環を生む

イベントでのオニバススタッフの様子

この日は予約制のランチだけでなく、気軽に立ち寄れるカフェスタイルも行いました。

イベントにはオニバスコーヒーの常連さんが来てくれたり、近くに住む方が覗いてくれたり、知り合いが駆けつけてくれたり、いつもと違う場所でもコーヒーを通じてコミュニティが生まれていました。心配していた雨はほとんど降らず、緑が溢れるテラスでコーヒーを作るのは気持ちが良かったです。

その日に排出されたコーヒーカスはハスネファームさんでコンポストにしてもらいました。生産から消費だけでなく、”食の中にも循環型社会を作る”というPLANTの想い。本来であれば捨てるだけのコーヒーカスが美味しい野菜の元となって、さらに食べる人の喜びに繋がっていけば嬉しいですね。

 

「源流大学小さな映画祭」

続いては、10月23日に伺った山梨県小菅(こすげ)村でのイベントについて。この日はNPO法人「多摩源流こすげ」主催のイベント「源流大学小さな映画祭」にお招きいただき、コーヒーをサーブしてきました。

小菅村

山梨県小菅村の風景

東京から車で約2時間ほど、奥多摩地区から東に県境を跨いだ山梨県にある小菅村は、多摩川の源流の地。オニバススタッフが何度か伺ったことのある場所の一つです。昭和40年代までは農林業が主な産業であったこの村では、今もなお豊かな自然と共に人が生活しています。 標高は750〜800m。山梨県でありながら村内の山林の一部は東京都水道局が水源林(水を蓄えたり、水質を浄化したり、土砂が流れるのを防ぐための森林)として管理しています。

縄文時代の土器が発掘されたことから、はるか昔から人の営みがあったとされている村ですが、現在は谷あいの小さな集落に約690人が暮らしています。実は若い移住者も多い村なんです。養魚施設やワサビ田、クラフトビールのファーイーストブルーイングの醸造工場など綺麗な水を利用した産業もあり、築150年の邸宅を利用した宿泊施設Nipponiaや、道の駅こすげには温泉もあり、ドライブやゆったりした週末を過ごすにもおすすめの場所ですよ。

またここでは源流大学という団体によって「水源の森 再生プロジェクト」がという講座が現在進行形で行われています。自然の流れに逆らう開発ではなく、間伐や土壌の整備を行い自然の山の姿へと環境を改善・再生させていく活動をしています。

映画「もったいないキッチン」上映会

イベントの会場になった廃校舎

この日「源流大学小さな映画祭」で上映されたのはフードロスをテーマにしたドキュメンタリー映画「もったいないキッチン」。日本のフードロスが年間で643万トン=一日一人当たりおにぎり一個分もの食べものを廃棄しているというショッキングな問題を提起しながらも、「もったいないキッチンカー」で日本中を旅しながら、生産者や料理家たちと出会い、美味しく楽しく課題を解決する方法を模索していくという内容。チャンスがあったらぜひ観てほしい一本です。

映画祭の会場となったのは、廃校になった小学校校舎です。現在はNPO多摩源流こすげの事務所として使われています。元は教室だった場所が小さな映画館となり、校庭には大きな釜が置かれバウムクーヘンを作れたり、木工で遊べたり、そしてオニバスコーヒーは職員室でコーヒーを淹れることに!抽出に使った水は多摩の源流水。その土地ならではの美味しい水を使えるのも贅沢です。

小菅村民限定イベントのため、来場者はみんな顔見知り!皆さん東京から来たオニバスチームを温かく受け入れてくれて嬉しかったです。小学校舎で文化祭のような懐かしい気分も味わいつつ、アットホームなイベントは日の入りとともに無事終了しました。

そしてこの日もイベントで出たコーヒーカスはコンポストへ。ハスネファームに引き続き、コーヒーカスは捨てないで堆肥化させるのがなんだか当たり前のような気になってきました。

コーヒーが繋ぐ人と人、都市と自然

小菅村の廃校を利用した事務所でコーヒーをサーブ

私たちは、普段は東京都内にあるオニバスコーヒーの店舗で、来てくれるお客さまを迎えてコーヒーを淹れています。ここでは日々、オニバスコーヒーがその地域にあることでコミュニティが少し豊かになるような場所を目指しています。

そして、今回のイベントのようにコーヒー道具一式を携えて、まだ見ぬ人に会いに行きコーヒーを淹れるのもまた本当にワクワクする体験です。美味しい野菜を使った料理と共にオニバスコーヒーがあったり、映画を見終わった村のおばあちゃんたちや、ひと仕事終えたような山のお父さんたちが集ってオニバスのコーヒーを飲んでいる姿を見ながら、人と人、都市と自然を繋ぐコーヒーの魅力を実感したのでした。

企画してくださった皆さまにも心より感謝しております。

さあ、次はどこでコーヒーが淹れられるか楽しみです!

執筆者 ヤマダマイ

Photo by 岡本茉莉(HASUNE PLANT)