2024.7.25
  • サステナビリティ

コーヒーを土作りから支える〜ソイルプロジェクトロット完成!〜

生産国訪問レポート〜ルワンダでソイルプロジェクトロット完成
生産国訪問レポート〜ルワンダのソイルプロジェクトロットが完成!〜

ルワンダはONIBUSが毎年訪れる国の一つ。今年6月にも一年ぶりにルワンダを訪ねることができました。今回の訪問の目的は大きく2つ。コーヒー生豆の買付と、ONIBUSがルワンダで取り組んでいるソイルプロジェクトの視察です。

今回は主にソイルプロジェクトについてレポートします。街のコーヒーショップのONIBUSが、コーヒーを育む源流にコミットする、ロマン溢れる取り組み!今年はソイルプロジェクトでできたロットも完成しました!

ソイルプロジェクトレポート

ソイルプロジェクトおさらい

ソイルプロジェクトおさらい

ルワンダのコーヒー生産の課題である「慢性的な肥料不足の解消」と「土壌環境の改善」のためONIBUSとDukunde Kawa農協が一緒に取り組んでいるのが、堆肥を使った健康的な土作り『ソイルプロジェクト』です。

農家が自分たちで堆肥を作れるようになることで、持続的に安定してコーヒー生産ができることを目指しています。

まずは、コーヒー精製の過程で排出されるコーヒーパルプ(コーヒーチェリーの果肉部分)と落ち葉や米糠などを混ぜて有機堆肥を作ります。 そして、この堆肥をコーヒーツリーを育てる土に施肥します。

堆肥は土中の微生物を増やしたり、土の水捌けと保水性を高めたりと土壌改善に役立ちます。また以前に行ったコーヒーパルプ堆肥の成分検査では、植物や果樹を育成する肥料としての役割も期待されるということがわかりました。コーヒーパルプ堆肥は土壌改善効果と肥料効果が期待されているのです。

◼️ソイルプロジェクトについて 詳しくはこちらの過去記事

そして今年、ソイルプロジェクトが本格始動してから、初のコーヒー収穫期を迎えました。

Dukunde Kawa農協と協働しプロジェクトロットが完成!

Dukunde Kawa農協と協働しプロジェクトロットが完成!

Dukunde Kawa農協は私たちが毎回訪れる自然環境・労働環境に配慮した美しいコーヒー農協です。オーガニック認証や、レインフォレストアライアンスなど環境保全に関する国際的な認証を数多く取得し、所属する農家へ手厚い経済的支援をしています。その方法は、利益の50%をインセンティブとして分配、無利子ローンの提供、コーヒー生産以外の収入を得られるよう乳牛を与えるなど多岐に渡ります。残りの50%は農協の設備投資に充てられます。今年訪れたときには、農家の子供が通えるキンダーガーテンを施設内に建設していました。このように自然と人に配慮したDukunde Kawaのコーヒーが、高い品質になるのは納得です。

ソイルプロジェクトに参加しているのは、Dukunde Kawaに所属する農家1193世帯の内60世帯。農協の農学士の指導の元、堆肥を作り、雨季の始まりと収穫期の2回、コーヒーツリーへ施肥をしてもらいました。できた堆肥は25〜30トンほどの量で、全体で約15ヘクタールのコーヒー農地に使われたとのこと。これらのコーヒーツリーからできたコーヒーは、他のものと区別され、ソイルプロジェクトロットとして完成しました!実験的にコーヒーパルプで堆肥を作り始めてから約2年のわずかな期間で、ソイルプロジェクトロットができたのは、Dukunde Kawaの理解と協力があったからこそです。

農家さんからの嬉しいフィードバック

農家さんからの嬉しいフィードバック

今年はプロジェクトに参加している農家を訪ね、一緒に堆肥を作り、堆肥用の温度計と剪定バサミをプレゼントしました。彼らに実際に堆肥を使ってみての感想を伺ってみると

「土の状態が良くなって、雨が降ってもゆっくり土中に水が浸透していくようになった」

「葉やチェリーが健康的になった」

「収穫量が上がった」

などと嬉しい声。

コーヒーは、気候や精製など、品質に影響する要素が数多くあります。それに、農業の世界では結果を得るまでに数年かかることも。そのため、現段階で堆肥だけの効果を評価することは難しいです。しかし、農家から前向きなフィードバックをいただくことができ、来年以降もプロジェクトの継続が決定しました。

現在は、スキルの定着と堆肥の効果測定のため60世帯に限定していますが、このコーヒーパルプでできた有機堆肥の効果が認められ、ルワンダのコーヒー生産に広がっていくと良いなと願っています。

ルワンダコーヒーチャレンジ報告

ルワンダコーヒーチャレンジ報告

ソイルプロジェクトには、材料費や人件費などの費用がかかります。これを補うために企画したのが『ルワンダコーヒーチャレンジ』です。

◼️ルワンダコーヒーチャレンジについて 詳しくはこちらの過去記事

ロースティングコンペティションやカッピングイベント、グッズ販売を通じて約30万円を調達しました。

この資金を、プロジェクト費用、農道具のプレゼント、現地調整費などに充てました。ご協力いただいたみなさま、本当にありがとうございました!

◎収入合計 24年6月末現在 314,669円

ルワンダコーヒーチャレンジ 
(グッズ販売・イベント参加費 ※制作費など経費除く)

314,669円
◎支出合計 300,241円

Dukunde Kawa寄付

(材料費・人権費・剪定鋏・温度計)

186,391円
現地活動・調整費 113,850円
◎繰越金 14,428円

残額は来期のプロジェクトに繰り越します。

ちなみに、ソイルプロジェクトチャリティーグッズのてぬぐいは引き続きお求めいただけます!

オンラインショップはこちらからどうぞ!

ルワンダ訪問を経て

ルワンダ訪問を経て

訪問のもう一つの大きな目的であるコーヒーの買い付けも無事に完了。今年は、現地で54ロットのサンプルをカッピング(コーヒー豆のテイスティング)し、買付ロットを厳選しました。買い付けたコーヒー豆は、これから梱包や輸出手続きを経て日本に入港するのは、秋から冬くらいになりそうです。今年初めて完成したソイルプロジェクトロットもお届けできるのが本当に嬉しいです!

そして今年のルワンダコーヒーニュースといえば、品評会『ベストオブルワンダ』が初めて開催されたこと。9月のオークションに向けて、入賞者が発表され、8月には日本でもカッピング会が予定されています。品質を評価する機会は、農家の品質に対するモチベーションの向上や、コーヒーチェリーの買取額が高騰し続けているルワンダで適正価格を見直すきっかけになるでしょう。

自然環境や経済などを相手に、課題はたくさんありますが、魅力に溢れたルワンダの素晴らしいコーヒーをまずは純粋に一緒に楽しみましょう!

 text by Mai Yamada

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