唯一無二の味覚体験！エスプレッソの魅力〜少量の液体に詰まった美味しさの哲学〜

エスプレッソの魅力とは

少しずつ暖かくなってきて春が近づいてきているのが感じられますね。いつもよりちょっと薄着で外に出て、コーヒーでも飲みに行くか！という気持ちになります。皆さんはコーヒーショップに行ったときにいつも頼むのはどんなコーヒーでしょうか？ラテやドリップコーヒーなどが多いかもしれません。そんな中で、「量は少ないし、濃そうだし、良く分からない」という理由であまり飲まないかもしれない「いぶし銀」的存在のエスプレッソについて今日はその魅力(というか魔力に近い)について書いていこうと思います。筆者が体験してきた感動を覚えるほどのコーヒーはこのエスプレッソだったことが多いです。普段エスプレッソを飲む機会が少ない方も、美味しいエスプレッソの体験というのはきっと特別なものになるはずです。

エスプレッソってどんなコーヒー？？

エスプレッソの語源は「express(急行)」と言われています。イタリアで飲まれ始めたのは1900年台初頭で、カウンターでサクッと楽しんでいくスタイルがこの頃から続いています。エスプレッソは専用のエスプレッソマシンでコーヒー豆を18-20g程使い、9気圧という圧力をかけて20-25秒くらいで40-45cc程度の液体です。(ONIBUS COFFEEのレシピを参照。)簡単に言うと、とにかく早く濃く出るのがエスプレッソです。エスプレッソの濃度は、ドリップコーヒーの7-8倍程になります。濃度と共に、酸味や甘さなど味わいの強度も強く感じられるので、美味しいバランスで仕上げられたエスプレッソの味の広がりは他では例えられないような味覚体験になります。

技術、哲学が詰まっている

「美味しいエスプレッソとは何か」この問いはバリスタにとって究極の質問、哲学にも近いかもしれません。コーヒーの粉の粒度や、抽出する量、抽出にかける時間など、エスプレッソの味を決めていく要素はいくつもあります。そして毎日、毎朝のバリスタの日課であるのが、より美味しい一杯のために、これらの要素を変えていくエスプレッソ調整。実はエスプレッソの調整ってとても難しいんです。ドリップコーヒーでは2分30秒から3分での落としきりで提供していますが、エスプレッソは20-25秒程度(日によってもちろん違います。)。抽出にかかる時間の違いからも分かるように、エスプレッソは1秒の違いで相当な違いが味わいに出てしまいます。味わいの違いを認識し、美味しいエスプレッソを知り、マシンとも仲良くなり、レシピを構築する。高度な技術の上に成り立っている液体とも言えます。ONIBUS COFFEEではバリスタトレーニングに時間を多く割き、しっかりと技術を習得して皆様に提供しています。(コーヒーに真剣に向き合いたい方、働いてみたい方はこちらからどうぞ。自由が丘、渋谷、栃木県那須など新店舗に向けて仲間を募集中です。)

美味しさの根幹となる液体

 ONIBUS COFFEE中目黒店のエスプレッソ。少量の液体に美味しさが詰まっている。

エスプレッソはラテやアメリカーノなどのベースとなる液体であり、その味わいは様々なドリンクの美味しさに直結しています。コーヒーの個性をどこかひとつを伸ばしすぎると、バランスを失って飲みにくいエスプレッソになってしまうこともあるし、個性を押さえ込んでバランスだけを取ると面白みのない無個性な味わいになってしまう。それに加えて素材の状態も大きく関わります。焙煎日から何日経ったか、焙煎のアプローチが変わっているかなど多くの変数の中で、ベストな味わいを探っています。こんな複雑な過程を経たあの少量の液体エスプレッソが400円ほどで飲めるって実はすごい。

最後に

ある日のABOUT LIFE COFFEE BREWERSでのエスプレッソ。美味しすぎて写真を撮った日です。神エスプレッソ。

お店で使うようなエスプレッソマシンとエスプレッソグラインダーは高級外国車が買えるくらいとても高価な代物です。機関車の動力から派生して、とてつもないコストを払ってエスプレッソを飲みたいと思ったイタリア人に驚嘆しつつ、現代の私たちはお店に行ってサクッと楽しめる。しかもワンコインでお釣りがきます。コーヒーが好きでドリップで豆を選んだり、ラテを日々楽しんだりしてる皆さんにこそ一度試して頂きたいエスプレッソ。最初はその濃さに驚くかもしれませんが、そのコーヒーショップの哲学が詰まった液体を是非飲んでみて下さい。どんな豆なのかも聞いてもらえるとバリスタも大喜びします。個性とバランスの相容れない関係を成立させるその矛盾こそエスプレッソの魅力！というより魔力！それでは今日もコーヒーを楽しんでいきましょう！