シングルオリジン新入荷豆!〜オニバス一押しのコーヒーを紹介します〜

本格的に秋が到来し肌寒さも感じられるこの頃は、温かいドリップコーヒーが飲みたくなる季節ですね。
私たちオニバスコーヒーが扱うスペシャルティコーヒーのシングルオリジンの豆は、定期的な入れ替わりがありますが、皆様、各店舗やご自宅でお楽しみ頂いているでしょうか。
今回は、最近入荷したオニバスのコーヒー豆
①GUATEMALA/La Bolsa Cipresales(グアテマラ ラボルサ シプレサレス)
②COLOMBIA/Los Idolos AAA(コロンビア ロスイドロス AAA)
について、それぞれの生産国や豆の特徴をお話したいと思います。
GUATEMALA/La Bolsa Cipresales

グアテマラ共和国のコーヒー事情
まずはグアテマラ共和国のコーヒー事情について少しお話を。
グアテマラ共和国は、メキシコ・ホンジュラス・エルサルバドルに囲まれた中米に位置する国。国土面積は日本の3分の1程度です。赤道を挟んで北緯25度・南緯25度の範囲である「コーヒーベルト」内に位置する亜熱帯地域ですが、赤道直下にある生産国と比べると気温が低く、低地でも栽培が可能であることが特徴です。
国全体でのコーヒー豆の生産量は世界で第10位。(2019年時点ランキング/2021年1月発表)
中米の中でもスペシャルティコーヒー市場を牽引している存在と言っても過言ではありません。
Huehuetenango(ウエウエテナンゴ)

国内でコーヒー生産を行う主要地域は8つに分かれます。その内の一つが、グアテマラ市から最も離れたメキシコ国境付近に位置する「Huehuetenango(ウエウエテナンゴ)」。この地域はグアテマラの中でも標高の高い地域で「ハイランド・ウエウエ」と呼ばれるそうこともあるそうです。
標高の高さゆえに、亜熱帯地域であるにも関わらず冬の収穫時期の朝には霜がみられることがあるほど。そんな中、メキシコからの乾燥した熱風も吹き込み、昼夜の寒暖差があることによって繊細な果実味や甘さのあるコーヒーの生産を可能にしています。
La Bolsa Cipresales(ラボルサ シプレサレス)
オニバスコーヒー限定ロットでお馴染みのグアテマラが、この度新しいものに変わりました。
「ラボルサ シプレサレス」です。
「ラボルサ」はオニバスコーヒーが長らくコーヒー豆を買い付けている農園です。ウエウエテナンゴの南側、ラリベルタッド地区にあります。
「シプレサレス」はラボルサ農園が新しく始めた区画で、これまで扱っていたベンタナグランデと隣接する区画です。

今のように渡航が困難な状況になる前は、オニバスコーヒーでは2014年から2年に一度程度、グアテマラを訪れていました。近い場所ではないので毎年訪れることは正直簡単なことではありません。それでも、継続して訪れ続けてコミュニケーションを大切にしてきたことで、今に至るまでの関係性が創れているのだと思うと、改めてコーヒーの繋がりを感じます。早くまた、訪れられる日が来ることを待ち侘びています、、、!
また、グアテマラはコーヒーシーズンの1月〜4月の間、コーヒーチェリーのピッキングを行う「ピッカー」と呼ばれる季節労働者が、コーヒーチェリー収穫のため出稼ぎに来ます。多くの場合、そのピッカーの子供達は学校を休んでこの時期の収穫を手伝うのですが、ラボルサ農園は1980年代から教育に力を入れており、農園施設内にキンダーガーデンを設け、学校を休まざるをえなかった子供達が勉強できる環境を作っているのです。そんなラボルサ農園の素敵な取り組みには私たちも少しだけ協力をしていて、周年の日の売上の一部を、文具や遊具でプレゼントしています。
更にラボルサ農園は、2003年の「カップ・オブ・エクセレンス*(以下:COE)」で2位入賞の実績をもつ優良な農園です。農園内は湧き水が豊富で水洗用の長い水路は自然林の中に囲まれ、流れる水は綺麗です。乾燥場とその周りの渓谷は雄大な自然を感じさせます。
*カップ・オブ・エクセレンス(COE)・・・1999年にブラジルで第1回が開催された、スペシャルティコーヒーの品評会。
少し余談ですが、皆さんは「エル・インヘルト農園」というグアテマラで有名な農園を聞いたことがありますでしょうか?2008-2010年開催のCOEにおいて、3年連続で優勝を果たした農園です。このエル・インヘルト農園も、実は同じウエウエテナンゴ地域、ラリベルタッド産なのです。グアテマラにおけるコーヒーの名産地であることが伺えます。
コーヒー豆詳細データ
・栽培地 :グアテマラ ウエウエテナンゴ地域 ラリベルタッド地区COLOMBIA/Los Idolos AAA
コロンビア共和国のコーヒー事情
コロンビアは、パナマ・ベネズエラ・ブラジル・エクアドルに囲まれた南米の国。国土面積はグアテマラとは打って変わり日本の約3倍。もちろん「コーヒーベルト」内にあります。
コロンビアのコーヒー生産量は、なんと、世界で第3位。コーヒーとえいばコロンビア!と真っ先に思い浮かぶ方もいるかもしれませんね。
そしてコロンビアは、世界最長の山脈として知られている「アンデス山脈」が南北にまたがる、豊かな大自然のある国。アンデス山脈を筆頭に多くの山が連なる国であり、「コロンビアのコーヒー産地の文化的景観」は、ユネスコ世界遺産に登録をされています!(文化遺産/2011年)
一度はこの目で見てみたいものですね、、、。
Huila(ウィラ)
コロンビアのコーヒー生産地域は大きく北部・中部・南部の3つの地域に分かれます。そのうち南部にある「Huila(ウィラ)」という地域は、他の場所に比べ赤道により近く、コーヒーの栽培は標高が高く気温の低い地域で行われています。
また、ウィラは「原産地呼称制度」というものにより産地ブランドが守られています。「原産地呼称制度」とは読んで時の如く、”その原産地名をその製品の名前として呼ぶ”ということ。生産地の品質を認証するための制度であり、例えば登録されていない商品や業者が、とあるコーヒーを「生産地:ウィラ」と銘打って販売することは許可されていません。
そのような制度のおかげで、消費者は安心して高品質なウィラのコーヒー豆に出会うことができますし、生産者は産地の差別化を図ることができ、利益が直接還元されるようになることで収入の向上にも繋がります。
Los Idolos AAA(ロスイドロス AAA)
コロンビアの豆、オニバスコーヒーでは久しぶりの登場です。
今回の豆「ロスイドロス」は、CARAVELA COFFEE(カラベラ社:コロンビアの高品質コーヒーに特化した輸出業者)が、日本向けに抜選したオリジナルロットの名前です。生産地はウィラ。「AAA」は、カッピングによる格付けの称号です。
CARAVELA COFFEEは、コロンビア国内の様々な地域で活動をしていますが、主に品質志向の農家と長期的視点で関係を構築し、買い付けを行っている輸出業者です。彼らとパートナーシップを結ぶ農家は、品質・ビジネス志向が高く、中には他の農家への技術的指導を行う人もいるのだそう。
生産者は2001年に発足した64の小規模生産者からなる生産者組合であり、加盟している生産者は皆、高品質のコーヒー生産に熱心に取り組み、その為の生産処理工程の標準化にも取り組んでいます。
コーヒーの買い付けにおいては、歩留り・生豆外観・欠点・水分値・水分活性の基準・カッピングによる基準を満たさなければ商品として販売できない、厳しい仕組みを徹底しています。そのカッピングによる格付けにおいて、「AAA」はCARAVELA COFFEEの最高位「マイクロロット」に次ぐグレードで、87点以上のカッピングスコアが基準となります。
カッピングの基準に関してSCAA(Specialty Coffee Asociation of America)では、まず、10個の評価項目の合計80点以上を”スペシャルティコーヒー”と定めており、さらに85点以上のものは”トップ・スペシャルティーコーヒー”と呼ばれ、これはCOE受賞レベルのコーヒー豆と言っても過言ではありません。(スペシャルティコーヒーの定義に関して気になった方は、こちらの記事もご覧ください。)
そうなると、このカラベラ社独自のカッピングによる格付けはかなりの高基準。実際には87点以上を満たすロットは少なく、今回の豆はロスイドロスでAAAを満たしたロットから作られた、貴重なものなのです!
コーヒー豆詳細データ
・栽培地 :コロンビア ウィラ サンアウグスチン地区
・標高 :1,600~1,900m
・生産者 :サンアウグスチン
・品種 :カツーラ種主体、ティピカ種
・精製処理:フリーウォッシュド、天日乾燥(ハウス内でのパティオ乾燥)
さいごに
今回の記事では、最近オニバスコーヒーに入荷した2カ国のコーヒー豆についてお話させて頂きました。もちろん、その他のシングルオリジンに関してもお伝えしたい魅力がたくさんあります。色々と話を聞きたい方はぜひ、店頭にてバリスタに聞いてみてくださいね!
生産国による味わいの違いなどおさらいしたい方は、ぜひこちらの記事も合わせてお読みください。また、豆の入荷情報や入れ替わりのタイミングなどは随時、店頭やSNS等でお伝えしていますので、こまめにチェックをしてみてくださいね。
オンラインショップでは全てのお豆のご購入もしていただけますので、ぜひご覧ください〜!
